|
麦芽、ホップ、水を原料としてつくる、発泡性の醸造酒。大麦を発芽、乾燥させた麦芽に水を加え、デンプンを糖分に変えたのち、ホップ、さらにビール酵母を加えてアルコール発酵させてつくる。発酵により発生する一酸化炭素を逃がさずにビールに溶け込ませて製品とする。ホップはクワ科の植物で、松笠状の雌花を乾燥させたもの。ホップに含まれる成分によって、ビール独特の香りと苦味が生まれる。また、ホップには泡立ちをよくするなどの働きもある。ビールの種類はたいへん多く、製造法、色、山地などで分類されることが多い。産地国別でみた場合、ドイツではビールのほとんどが生で、淡色のピルスナービール、黒ビールに特徴がある。イギリスビールは上面発酵が主力で、スタウトやポーターなどの黒ビールがよく知られる。ベルギービールは酸味と苦味の強い黒ビールのランビック、酵母が入ったままの濁った白ビールのヴァイスなどに特徴がある。アメリカビールは、淡泊なラガービールが好まれ、原料にトウモロコシを加えたものが多い。ビールの温度は、風味、おいしさ、泡立ちとともに10度前後がちょうどよいとされる。夏ならば缶で半日以上、びんで1日以上冷蔵庫へ入れてから注ぐと、適温の10度くらいになる。ビールを飲む容器の油気にも注意する。容器に油気が残っていると、一度立った泡が早く消えてしまうからである。そしてビールを注ぐとき、残っているビールにつぎ足しはしないことである。残ったビールに上から注ぐと、その勢いで空気が吹き込まれ、ビールの酸化を促すからである。
発酵、熟成させろ過したのち、加熱殺菌していないもの。ドラフトビールともいう。大型の樽に詰めることが多いので、ビールを樽からつぎ出す意味のドラフトからついた名称。従来の生ビールは酵母が残っており、その作用で変質しやすかった。近年、精密ろ過によって微生物を取り除く方法が開発され、熱処理を行わなくても保存性が高められた結果、びんや缶に詰めたものが市販されるようになった。
日本では、加熱殺菌しないビールに対し、ろ過したものをびんに詰めたのち熱処理(低温殺菌)したものをラガービールと呼んでいる。色がやや濃く風味も生ビールよりハードである。「ラガー」には貯蔵という意味があり、欧米ではラガービールとは、下面発酵の方法でつくられ、長期間貯蔵熟成させるタイプのビールをいう。下面発酵とは、発酵が終わると酵母が発酵タンクの下へ沈む発酵法で、風味の軽いビールになる。日本など多くの国で行われている。酵母がタンクの上面で発酵するのは上面発酵といい、風味は重い。
色の淡いビール。麦芽を乾燥させるとき、浅く加熱した淡色麦芽からつくるもの。日本のビールは多くがこれに属し、このなかにいろいろなタイプのビールが含まれる。例えば、アルコール度数の低い「ライトタイプ」と高い「ドライタイプ」、原料に麦芽100%使用の芳醇なタイプと副原料を用いた軽いタイプなどがある。
黒く焦がした麦芽を用いて濃い色に仕上げたビール。濃色ビールともいう。麦芽を焦がすことで独特の色と香りが生まれる。ドイツ、イギリス、ベルギーのものがよく知られている。ドイツのミュンヘンビール、ボックビールなどは発酵度が低く、ホップ使用量が少ないので、味はおだやかで甘味が強く、苦味が弱い。日本のものはこのタイプに入る。イギリスのスタウトやポーター、ベルギーのランビックなどは発酵度、アルコール分、ホップの使用量がどれも高く、苦味やコクの強い、特有の香りをもったビールである。
チェコのプルゼニで生まれたビール。ピルゼンビールともいう。淡色ビールでホップの効いた爽快な香気をもつ。この系統のビールは日本を含めた世界各地でつくられている。
ドイツのドルトムント一帯でつくられる淡色ビール。ピルスナーより色が淡く、風味もライトでホップの苦味が弱い。
大麦などの穀物、または大麦麦芽を主原料に発酵させ、蒸留して樽に入れて熟成させた酒。熟成により、琥珀色をしている。ウィスキーの語源は、ケルト語系の「生命の水」を意味するウシュクベーハーからきたもの。種類は、原料別では、大麦麦芽のみを用いたモルトウィスキー、麦芽のほか、大麦、ライ麦などの穀類を用いたグレンウィスキーがある。ウィスキーの飲み方は特有の風味を楽しむにはストレートがよい。シングル(約30ml)またはダブル(約60ml)をグラスに入れ、冷たい水を添え、交互に飲む。ほかに、オンザロック、水割り、お湯割りなどで。
イギリスのスコットランド地方でつくられるもの。モルトウィスキー、グレンウィスキー、両者をブレンドしたブレンデッドウィスキーがある。主流はブレンデッドウィスキーである。モルトウィスキーは、麦芽の乾燥に用いるピート(泥炭=湿原植物などが枯死、堆積し、炭化した土塊)の煙香をつけることが大きな特徴である。また、熟成にシェリーの古樽が用いられることから、それに由来する香りももっている。なお、スコッチウィスキーは法律で3年以上樽貯蔵することが定められている。モルトウィスキーの多くはブレンド用だが、一部はモルトウィスキーとして製品化される。このうち、モルトウィスキーだけをブレンドしたものをピュアモルトウィスキー、単一蒸留所のモルトウィスキー100%のものをシングルモルトウィスキーという。グレンウィスキーは大部分がブレンド用で単独の製品はあまりない。
アイルランド島でつくられるもの。北アイルランドのイギリス産、島の大部分を占めるアイルランド共和国産の両方ともアイリッシュウィスキーと呼ばれる。なお、商業上、スコッチはwhisky、アイリッシュはwhiskeyと綴りを変える習慣がある。従来のタイプは原料に麦芽のほか、大麦、ライ麦などを用い、単式蒸留機で三回蒸留して樽熟成したもので、コシの強いヘビーなウィスキーである。北アイルランドのもの以外はほとんどピートの煙香はない。近年、トウモロコシを主原料に連続式蒸留機で蒸留した軽い風味のウィスキーに、伝統的なアイリッシュウィスキーをブレンドしたものがつくられている。これはソフトな風味で、輸出用は大部分このタイプである。
代表的なものはバーボンウィスキー。名前の由来はケンタッキー州バーボンで始まったことによる。トウモロコシを主原料(51%以上80%未満)とし、連続式蒸留機で蒸留し、内側を焦がした新しいオーク(樫)樽で貯蔵熟成したもので、色は濃い赤褐色で、特有の芳香がある。テネシーウィスキーと呼ばれるテネシー州産のバーボンウィスキーは、蒸留後テネシー産のサトウカエデの炭でろ過してから熟成したもので、まろやかな風味をもつ。バーボンウィスキーのほか、ライ麦を用いたライウィスキー、小麦を用いたホイートウィスキー、トウモロコシを80%以上用い、樽熟成の有無は問わないが、熟成する場合は、焦がさないオーク樽か、焦がしたオーク材の古樽を使用してつくるコーンウィスキーなどがある。アメリカンウィスキーはアイリッシュウィスキーから始まったものであるため、アイルランドと同様、国産品はwhiskey、輸入品はwhiskyと綴りを区別している。
カナダでつくられるウィスキー。トウモロコシを主原料にしたベースウィスキーと呼ばれるアルコール分の高い原酒と、ライ麦を主原料にしたフレーバーリングウィスキーと呼ばれる風味のすぐれた原酒をブレンドするのが一般的。世界のウィスキーのなかでもクセがなく、軽快な風味をもっている。
日本国内でつくられるもので、国産ウィスキーともいう。スコッチウィスキーにタイプが似ているといわれる。しかし、スコッチに比べるとピート(泥炭)の煙香が少なく、シェリー樽の熟成による香りが高く、口当たりがマイルドである。
果実酒を蒸留して樽貯蔵させた酒の総称。一般にはブドウを原料とするものをいい、リンゴ、サクランボ、プラム、西洋ナシなど他の果実からつくるものはフルーツブランデーと呼ばれている。語源は「焼いたワイン」を意味するオランダ語のブランデウェイン。特有の芳香と琥珀色、まろやかな風味は、蒸留後オーク樽で長く貯蔵、熟成することで生まれる。熟成年数が長いほど品質と味がすぐれるとされる。品質の表示には、星マークや古さを表す頭文字が用いられている。星マークの数はふつうは1〜3個、まれに5個ぐらいまであり、数の多いものほど古いということになっている。頭文字は古い順にXO(extra old)、VSOP(very superior old pale)、VSO(very superior old)、VO(very old)などがある。品質表示にはこのほか、エクストラ、ナポレオンなどがある。とはいっても、これらは商業上のマークで、法律上の保障はなく、会社によって、その格づけはさまざまである。ただし、フランス産のコニャック、アルマニャック、カルヴァドス(アップルブランデー)の場合はきまりがあり、コニャックの例では、三つ星は2年以上、VSOPは4年以上、エクストラ、ナポレオンは6年以上貯蔵したものとなっている。ブランデーは原料や産地によって多くの種類がある。原料別ではブドウの果実からつくるグレープブランデーがもっとも多く、ほかにブドウのしぼり粕からつくる粕取ブランデー、おりの多い発酵液を蒸留したおりブランデーなどがある。また、ブドウ以外の果実からつくるフルーツブランデーがある。産地別ではフランス、ドイツ、スペイン、イタリア、ギリシアなどが、おもな産出国である。なかでもフランスのコニャック、アルマニャックが代表的である。ブランデーは香りを楽しむため、グラスは円形で口のすぼんだブランデーグラスが使われる。グラスの底に少量注ぎ、てのひらでグラス全体を包んで温め、香りを楽しみ、少量を口に含んで味わう。ストレートで飲むほか、カクテルのベース、洋菓子の風味づけなどにも使う。
フランス西部のコニャック市を中心とする地域でつくられる、世界的に有名なブランデー。主産地域、原料ブドウ品種、蒸留法などが法律で厳しく規制されている。コニャック地方は6地区に分けられている。なかでも優良な原酒を産する、グランド・シャンパーニュ地区とプチト・シャンパーニュ地区のものをブレンドしたものは、フィーヌ・シャンパーニュと表示され、最上級のコニャックである。なお、コニャックのびんの形は背の高いなで肩が多い。熟年年数を表す格づけのマークについては一定の基準がある。
フランス南西部のアルマニャック地方でつくられるブランデー。この名称をつけるにはコニャック同様法律の規制がある。首が長く平たい丸型のバスクびんが特徴。格づけのマークは、大体コニャックに準じている。なお、コニャックとアルマニャック、カルヴァドス地方以外のフランス産のブランデーをフレンチブランデーと呼んでいる。
リンゴからつくるフランス産のカルヴァドス、アメリカ産のアップルジャック、サクランボからつくるドイツ産のキルシュワッサー、西洋ナシからつくるポワールウィリアムなどがよく知られる。
ブドウのしぼり粕などに水と糖分を加えて発酵させ、蒸留したもので、フランスでオー・ド・ヴィ・ド・マール、イタリアではグラッパなどと呼ばれる。
ブドウを主原料としてつくった醸造酒で、果実酒の代表である。ブドウ果汁に酵母を加えアルコール発酵させたあと、樽またはタンクで貯蔵し、熟成させる。ワインの種類は、色調、味、製法、産地などから分類されることが多く、ほかに用途別の名称もある。ワインを料理に用いると、風味やコクをつけるだけでなく、魚や肉などの臭みを消す、肉料理では肉を柔らかくするなどの効果がある。なお、日本では、調理用にクッキングワインがつくられている。
赤紫色の黒色系のブドウを皮や種ごとつぶして用いるもので、皮に含まれる色素がとけだして美しい紅色となる。味は皮や種に含まれるタンニンの影響から渋みがあり、甘味が少なく酸味もかなり感じられる。15度〜20度で飲むのがよい。但し、ヌーボー(新種)は冷やして飲む。一般に肉料理にあうといわれるが、もっと幅広い料理にあわせることができる。
薄緑色をした白色系のブドウを、つぶし皮と種を除いて果汁だけを発酵させたもの。赤ワインより甘味があり、渋み、酸味が弱い。10度〜13度に冷やして飲む。一般に魚介など比較的淡泊な料理にあうが、辛口のものは、幅広く他の料理にもあわせることができる。
赤ワインと同様にしてつくるが、途中で皮と種を除き、ピンク色のワインとする。色調はメーカーによりさまざま。赤ワイン用ブドウを皮ごとつぶし、その色づいた果汁を用いて白ワインと同様の方法でつくるものもある。渋みがなく、風味は色に近い。白のように冷やして飲む。
発泡性ワインのこと。二酸化炭素がワインに溶け込んでいて、栓を抜くと、ポンという音とともに泡が立つ。香りが高く、二酸化炭素の爽やかな風味が特徴。フランスのシャンパン、ドイツのゼクト、イタリアのスプマンテなどが代表的。シャンパンは、フランスではシャンパーニュ産のものだけをさす。ワインに二酸化炭素を含ませる方法には、自然発酵によるものと、人工的に吹き込む方法とがあり、天然か人工的かはラベルに表示される。開栓時に泡が出過ぎないように、7度〜8度くらいに冷やしておく。
発酵中、あるいは発酵後にブランデーなどアルコール分の高い酒を加えてつくるワイン。フォーティーファイドワインともいう。アルコールを加える目的はワインの保存性を高めたり、甘口のワインとするため。スペインのシェリー、ポルトガルのポートなどが代表的。アペリティフ(食前酒)や食後のデザートワインなどに。
特殊な栽培法でつくる、干しブドウ状の貴腐ブドウを用いてつくったワイン。特有の芳香と風味があり、甘口。アペリティフ、デザートワインなどに用いる。
フランスは、ブドウの品種や気候がワインつくりに適しており、ボルドー、ブルゴーニュ、シャンパーニュ、プロバンスをはじめ有名なワインの産地が全国各地にある。フランスワインは法律によって、4ランクに分類されている。ヴァン・ド・ターブルは、産地名がラベルに記されていない一般的ないわゆるテーブルワインで、主としてブレンド用。ヴァン・ド・ペイは、テーブルワインの一種だが産地名が表記され、他の地域のワインとはブレンドされていない。VDQSワインは指定地域でつくられ、きびしい規制を受けた高級ワイン。VDQS保証マークと産地名などがラベルに表記されている。AOCワインは、とくにワイン銘醸地として知られ、すぐれた品質のワインをつくる地域として指定された原産地を表記した最高級ワイン。AOCワインである旨と原産地名などがラベルに表記されている。
白ワインが多く、リースリング種でつくったワインが有名。おもな産地はライン川流域とモーゼル川流域にある。ライン川流域のものは、茶色のびんに詰めてあり、一般にやや辛口、モーゼル川流域のものは緑色のびんで、味が軽く、芳香が高く、やや甘口。ドイツワインは、法律によって3つのテーブルワインと2つの上級ワインの計5つに区分されている。上級ワインには指定栽培地域名がラベルに表記される。テーブルワインは、ワインを用途別に分類した名称の1つで、食事中に用いられるワイン。食卓酒、食中酒ともいう。甘味を控えた、比較的軽いワインをいう。一般に白ワインは淡泊な魚料理に、赤ワインは肉料理にあうといわれるが、色にかかわらず、料理ごとに料理にあったワインが用いられることも多い。フランス、ドイツなどのワインの場合、上級ワインに対して一般ワインのことをいう。
チリのワインは飲みやすいものが多いと評判。ワインをあまり飲んだことのない人でもおいしいと思えるようなタイプ。白も赤も飲みやすい。特に赤ワインは薄いのではなく、果実味があってそれはど渋さを感じさせない。酸味が弱いこともあり、入門編のワインとして適している。但し、ヨ−ロッパのワインを放み慣れている人の中には、酸味がもう少し欲しいと感じるかもしれない。
蒸留酒すなわち、醸造酒などを蒸留してアルコール分を高くした酒の総称。蒸留酒はアルコール分が高いため火をつけると燃えるので、酒に含まれる火の精が体内に活気をもたらすと考えられ、スピリッツ(魂)とかオー・ド・ヴィ(生命の水、フランス語)などと呼ばれるようになった。日本では、蒸留酒のうちウィスキー、ブランデー、焼酎を除く、ジン、ライム、ウオッカ、テキーラなどをいい、カクテルやリキュールのベースにも使われる。
ライ麦、トウモロコシなどを原料とした蒸留酒にジュニパーベリー(杜松の実)で香りをつけたもので、無色透明。Ginという名称は、ジェニパーと同意味のフランス語ジェニエブルを英語に簡約したものである。オランダで、利尿剤、解熱剤など薬用としてつくられたのがはじまりといわれる。単式蒸留によるオランダジンと、連続蒸留によるロンドンジンに大別される。オランダジンは、原料を麦芽で糖化し発酵させたあと、単式蒸留機で蒸留し、ジュニパーベリーを入れて再び蒸留する。ジュニパーベリーの香りとともに、原料の香りがよく残り、重厚な風味がある。カクテルのベースにするよりストレートで飲むほうが好まれる。ロンドンジンは、連続式蒸留機を用いてアルコール分90〜95%とし、ジュニパーベリーとその他の香料植物で香りづけをする。びん詰めにするときアルコール分45〜48%に調整する。香りが軽く、カクテルのベースに適する。ジンの中でも辛口のジンはドライジン(ドライはスウィートに対する反意語で「甘味のない、淡味の」という意味である)と呼ばれ、カクテルに広く利用される。ジンを使ったカクテルは、ジンフィズ、ジントニック、マティーニなどが代表的。
ジンというアルコール飲料は、1736年にイギリスにおいて、その販売を阻止する目的をもって立案された「ジンに関する法令」により規制されたいきさつがある。当時のイギリスの紳士達は、ジンを軽蔑して、これを激しく非難した。しかし、一般の低所得者層は、そのきびしい労働を忘れる手段として、ジンをこよなく愛飲した。ジンならば誰でも、ほんのわずかの金で酔っぱらうことができたからである。ジンは今日では、多くのカクテルに使用される基本的な飲料であるが、当時はもっぱらストレートで飲まれた。アメリカにおける禁酒法と同じく、この「ジン法令」は以前に増して泥酔者と無秩序を招いたに過ぎず、密造と蜜売買という結果を生じさせた。その後、はげしい反対論に負けてついに廃止されることになった。
原料にサトウキビのしぼり汁や糖蜜を用い、発酵させ蒸留した酒。甘い香りと独特の風味がある。サトウキビの栽培地であるカリブ海の西インド諸島で生まれた。風味によってヘビー、ミディアム、ライトの3つのタイプに分類される。ヘビーは色は濃褐色、風味が豊で味が濃厚。糖蜜を発酵させ、単式蒸留機で蒸留しオークの樽で熟成させる。ジャマイカラムが代表的。ライトは淡色で、風味はやわらかく、デリケートな味わいをもち、辛口。糖蜜を原料とし連続式蒸留機で蒸留したあと、活性炭素でろ過し、オークの樽で熟成させる。カクテルのベースに。キューバ、プエルトリコで産するものにライトタイプが多い。ミディアムは香り、色、味ともにヘビーとライトの中間である。南米ガイアナ産のデメラララム、西インド諸島のマルチニック産のものなどがこのタイプ。ラムを色で分類すると、ホワイトラム、ゴールドラム、ダークラムに大別できる。上質のラムはストレートで飲むのが好まれる。そのほかカクテル、パンチに用いられ、フルーツケーキに使われるドライフルーツはラムに漬けてから用いる。
ロシア生まれの蒸留酒。大麦、ライ麦などを原料として発酵させ、連続蒸留機で蒸留後、白樺の活性炭層を通して精製されるので、無色透明でまろやかな風味と甘味がある。ウオッカの名はロシア語の水を意味するウォダが、その愛称形のウオッカに変わったとされる。カクテルでは、スクリュードライバー、モスコミュール、ソルティドッグなどが一般的。また、ロシア料理ではアペリティフとしてストレートで供される。その場合、十分に冷やすのがよい。ロシアやポーランドには、ウオッカに香りをつけたリキュールタイプのウオッカもある。例えば、ズブロッカ草という薬草をウオッカにひたしてつくるズブロッカ、リンゴやナシの葉を用いたスタルカなどがある。
リュウゼツランの一種マゲイを原料としたもので、メキシコ中央部のハリスコ州テキーラ地区周辺の特産。マゲイのしぼり汁を発酵させ、単式蒸留機で2回蒸留する。これを熟成させないで製品としたものはホワイトテキーラと呼ばれ、黄金色でブランデーに近い味となる。年代物としてランクづけされ、上級品として扱っている。飲み方は、ストレートで飲むことが多く、レモン汁を口の中にしぼりこんだあと、テキーラを飲み、塩をなめて口直しをする。カクテルではテキーラサンライズ、マルガリータなどがある。
ブランデーあるいは他のスピリッツに花、果実、薬草、香草などの香味あるいは乳、卵などを配合し、砂糖や蜂蜜の甘味をつけた色とりどりの酒をリキュールと総称する。甘味があっても、そのアルコール分は25度から70度のものにまで及び、平均30度前後。リキュール類の瓶型やラベルのデザインは、どれをとってみても非常にこっている。リキュール類は本来、滋養強壮飲料として生まれ、ほとんどが食後酒、またはカクテルの一部に使用されなどの限界があるため、その消費量は少ない。そのため、リキュール類が酒棚に置かれている期間が永くなる。そこで各製造元は、その瓶型やラベルの意匠に他の酒にみられぬ苦心と工夫を重ねる。これがデザインにこることになる理由である。この酒が特に婦人に愛されるのは、その甘味にもまして、色彩の魅力のゆえである。