でっちらーめん
異業種からラーメン界へと進出してくるケースも、最近では珍しいものではなくなってきました。特にここ数年、居酒屋グループのラーメン店が目立ちます。関西では贔屓屋グループの「四天王」が代表的ですが、広島にも居酒屋と同じグループのラーメン屋さんがあるのです。魚菜家などで知られるフードシステムズという会社が始めたラーメン屋さんが「でっち」です。
八丁堀福屋の西側、金座街のJ-PHONEショップの筋を西に入っていくと、ラリーズという焼肉&ビビンバのお店が左側の角にあるので、そこを左折して、すぐ酔心支店の角を右に曲がります。すると左側に白い提灯が見えるはず。そこがでっちです。ちなみにここの2Fはネットカフェ・ポパイです。食べ歩きの休憩に最適。
店内は和の雰囲気が漂う、割と落ち着いた造りになっています。ここのメニューは2001年3月のオープン時から変更を繰り返しています、というか、変更せざるを得ない社会情勢に巻き込まれているのです。最初は豚骨しょうゆと牛骨しおの二枚看板だったのですが、狂牛病パニックの際に牛骨しおが封印され、代わりに豚骨しおが登場しました。ところが現在、でっちのHPによると、豚骨しおも消滅し、新しく豚トロしおと海鮮しおが仲間入りしているようなのです。で、メニューは豚骨しょうゆらーめん(600円)、豚トロしおらーめん(600円)、海鮮しおらーめん(600円)にトッピング系の紀州梅大粒(100円)、煮玉子(100円)、煮豚(200円)、サイドメニュー系のおにぎり(100円)、高菜巻き(160円)、焼豚飯(600円)、ビビンバどんぶり(600円)、デザートに杏仁豆腐(300円)など。さらに居酒屋もグループという強みを活かして、日本酒では賀茂泉(350円)が置いてあり、それに合うようなおつまみ(韓国するめ300円、豚耳300円、すじこん300円など)も揃っています。お昼には650円のセットもあります。2002年1月に行ったときにはあったメニュー、肉みそらーめん(680円)、豚キムチらーめん(680円)、激辛らーめん(700円)、ビタCらーめん(680円)、でっちアイスクリーム(300円)、黒ごまアイスクリーム(300円)が現在は無くなっています。しかし冷しラーメン(700円)が登場(夏限定?)するなど、これからも新メニューが出てきそうな気配がします。
豚骨しょうゆを注文しました。豚骨しょうゆとは言うものの、見た目は広島風とは全く異なります。醤油を前面に押し出し、僅かに背脂を浮かせた独特のスープは、広島と尾道のラーメンを融合させたような感じです。一口飲んで、驚きました。なめらかでコクがあるスープは美味で、味・香り・喉ごし・後味、どれも文句無しです。飲んでいてスープ自身に美味を納得させられてしまうような錯覚に陥ってしまう、不思議な力を持ったスープです。細麺はスープをバランスよく絡め、絶妙のおいしさを演出してくれます。チャーシューが厚切りで、トロトロ感が嬉しい美味美味。トッピングの煮玉子もなかなかいい具合の味で、入れて良かったと思える味です。
別の日、豚トロしおに挑戦。豚骨しょうゆ同様、背脂を散らしてこってりさを出していますが、スープ自体とても飲みやすい美味です。豚骨ならではのコクに、塩味が見事なドッキングを果たしています。嫌みのない濃さで、絶妙の美味スープです。細麺との相性も良く、チャーシューも美味。一杯を通して感じられるバランスの良さも大きな魅力ですが、これが感じられるラーメンはめったにありません。この味で600円は安い、大満足できます。
でっちのラーメンの強さは、一杯の中に弱点が見当たらないところ。美味なことに間違いありませんが、旨さ以上に巧さでアピールできる一杯と言えるでしょう。広島風ではありませんが、広島の名店の一つに化ける可能性は大いにあると思います。広島から飛び出して他の土地で勝負しても、おそらく繁盛するはずです。もしかしたら東京などに進出した方が高い評価を受けるかも知れません。美味のポイントゲッター、ここに現る。
でっちらーめん
11時30分〜24時30分(土・日・祝は12時〜25時) 無休
行列率・・・中 (2002.6)
美味美味 ☆☆☆☆☆