ちりめん亭

おそらく、現在もっともラーメンのファーストフード化を進める要因となっている店が、ちりめん亭でしょう。それもそのはず、モスバーガーグループが出したラーメン屋チェーンなのですから。「ちりめん亭」という名前、もう知らない人はいないでしょう。というよりも、あまりにも全国展開しすぎて、ラーメニストからは避けられつつあるようです。実際、私も3年間くらい入っていませんでした。もしかしたら、ちりめん亭も美味なのでは、ということで久々に行ってみました。

場所は紹介不要でしょう。全国各地にあるはず。今回行ったのは神戸のJR六甲道駅ガード下にある、神戸ろっこうみち店です。

メニューは中華そば(470円)、とんこつラーメン(470円)、味噌ラーメン(670円)、塩ラーメン(470円)と、オールジャンル制覇しています。餃子は肉と野菜の2種類あります。

中華そばの味は大体見当がつきますから、とんこつラーメンを注文してみました。味わった印象は、客に「うまい」と言わせるための理論がつまった一杯という感じです。まず、イヤじゃない臭いをあえて少し残すことで、嗅覚を刺激し、美味を想像させます。スープはあっさり過ぎず、こってり過ぎず、誰にも嫌われない口当たりと喉ごしで、好印象です。おそらく莫大の資金力で、研究に研究を重ねて辿り着いたスープでしょうから、味はさすがです。細麺と平麺を選ぶシステムも有名ですね。細麺をオーダーしてみました。こだわりの麺も、適度にスープが絡みます。チャーシューの味はやや濃いめで、具としてのインパクトを強めているようです。
部分的に考えても、一杯をトータルで考えても、美味と言わざるを得ない味です。しかし、ただ一つ足りないもの、それは奥深さです。チェーン展開で万人受けする味を追求することの最大の弱点でしょう。美味ですが、うなるほどの美味ではないのです。しかし、美味としては十分に合格点でしょう。

しばらくたって、新しいメニューが出ていることに気付きました。カレー麺(690円)がそれです。平麺で注文してみました。カレースープはいい香り、いい辛さ、わずかにピリッとする刺激が絶妙です。甘すぎず辛すぎない、やはり誰にも受ける”ちょうどいい”味です。辛さの後に広がるうまさは素敵ですが、舌の上に少しザラザラした感じが残るのは何故でしょう? 平麺は味こそないものの、コシが強くカレー麺には合っています。こちらのチャーシューは分厚く弾力性があるものの、味は薄く感じました。とんこつラーメンとは異なるチャーシューなのか、それともカレーの味が強烈なためチャーシューの味が薄く思えたのか、詳しいことは不明。ここのカレー麺の最大の特徴、なんとキャベツが入っているのです。最初は疑いの目で見ていたのですが、まさかここまでキャベツが存在感を出すとは思いませんでした。甘さと食感を同時に出すキャベツは、カレーとも麺とも相性がよかったのです。さすがモスバーガーグループ、アイデア力の勝利でしょう。ちなみに、野菜餃子をカレー麺に投入してみたら、明らかに失敗でした。

意外にも美味でした。チェーン展開しているからといって、何も避ける必要はありませんでした。カレー麺には個性もあり、よいと思います。この味を作るために大勢の人たちが苦労したのでしょう、それがラーメンに見えるのです。ありがとう、いいラーメンです。

 

ちりめん亭  ちりめんてい
 11時〜23時30分(日曜〜22時)  無休  →ろっこうみち店
  行列率・・・低

美味美味 ☆☆☆☆