杉千代
「カップラーメンになることが有名店の証」と言われることがありますが、この「杉千代」はその条件をクリアしています。京都市街地からやや遠い住宅地の中にあるという立地でありながら、美味が口コミで広がり、そしてカップラーメンにまでなった超名店です。
京都駅から市バス75系統に乗って、安井小学校前で下車、道路沿いを南に2分ほど歩いたところです。地元人以外だと、杉千代に行こうと思わないと絶対行くことがないような場所です。遠い・・・。
木目調がオシャレなお店は女性客も目立ちます。メニューはらーめん(並580円、大680円)、ちゃーしゅーめん(並750円、大850円)の中から選ぶのみ。ネギ大盛(50円)、ライス(150円)はお好みでご注文を。
出てくるラーメンは、見るからにこってりしてそうな京都風という感じを受けますが、ただの京都風ではありません。まず海苔と醤油の香ばしさに引きつけられ、スープを飲んで衝撃。基本的な味は濃いめの醤油味、こってりした中に深い旨味が秘められた美味スープなのですが、そこに背脂と唐辛子が加わっていることで美味感倍増。細かく砕かれた背脂が、強烈な醤油味をまろやかに変換すると同時に、絶妙のコクを生み出しています。尾道・朱華園のような主役としての背脂ではなく、スープのバランスを保つ役割を担った背脂、お見事です。そして唐辛子のピリカラが加わることで、こってりスープに切れ味を持たせることに成功、食欲を刺激してくれるのです。そんなスープに入るのはストレート細麺。もともとこってりしたスープだけに、細麺がよく合っています。食べやすさという点でも、またお客さんの回転を速くするという点でも、この細麺はナイスチョイスだと思います。チャーシューのおいしさも大きなポイント。脂身が少ないのに、非常にやわらかく煮込まれたチャーシューは、箸で掴もうとすると崩れてしまうほどトロトロの美味。かよわい女性のようなチャーシューだと言えます。普通のラーメンを注文していた私が「チャーシューメンにしとけばよかった」と後悔してしまったほどの美味です。ちなみにメンマもかなりハイレベルで侮れない美味。
スープにしてもチャーシューにしても、かなり個性の強さを感じます。しかしその個性がうまくひとつにまとまっているというバランスの良い一杯です。オーナーが独学で作り上げたという杉千代の一杯、それは個人技と組織力が見事に融合したサッカーのイングランド代表のような強さを誇っています。この美味を楽しむためなら、交通の便の悪さも許せます。間違いなく、杉千代はこれからの京都ラーメン界の看板になるでしょう。
杉千代 すぎちよ
11時30分〜14時30分、17時30分〜23時 月曜定休
行列率・・・中高 (2002.2)
美味美味 ☆☆☆☆☆