ヒ ト
「あの女性の居ない世界に未練は無い、」
「・・・甘い、お前は最期まで・・・甘すぎる」





―――我が人生に悔いがあるとすれば、向こうではなくこの世で、もう一度・・・・・・










 薄れゆく意識の中、闇に住まう銀髪の男は幾度もの戦乱で守り抜いてきた、1人の少女を思い出していた。それは今、傍らに立ち、彼を見下ろしている男にも容易に想像が出来た。
 しかし、勝負は勝負。彼が勝っていたら自分は、と思うと少し安堵しながら、口を開く。





「本当にこれでよかったのか、アルシャーク・・・」





 ゆっくりと頷くアルシャークは、静かに目を閉じた。





















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