女子校時代
 中学から女子だけの学校なんて、なんとつまらなかったことか!  と思う人もいるかもしれませんが、私はとても楽しかったです。
でも、異性を見ることに関してはちゃんと学べませんでした。よって、これからの私はきっと『男見る目ないね。』のレッテルを張られ続けるのでしょうか?
 その人が通るたびに私の心臓はドキドキ鳴った。その人がいるだけで体中の血液が頭にのぼるのを感じた。女子校なのに変だなと思われた方、考えすぎです。その人は生徒ではなく、そう、先生でした。しかも私の苦手な数学の!
 最初の頃は全然気にも留めなくて、むしろ恐いことで有名だったからなるべくその先生には近づかないようにしていた。けれど中学2年の林間学校で先生の部屋で遊ぶようになってから私の気持ちに変化が起きた。何でこんなにドキドキするのだろう。高校生になってからはその先生の姿を追っている自分がいた。
 その先生に数学を教わったことは1度もなかった。周りの人は『かっこ悪い。』とか『おじん』と言っていたがその先生は校内では一番若い先生の中にいたので生徒の中には先生のことを真剣に想っている子も少なくなかった。
 高校2年の時に初めて先生に数学を教わった。しかもそれは微分・積分で数学嫌いの私はとにかく成績で嫌われないように一生懸命勉強した。いつもは赤点すれすれで大嫌いな科目が先生のせいで(お蔭ではない!)70点以上取るようになった。
 その頃の先生と私は他の人が怪しむほど親しい間柄になっていた。もちろん他の先生から見れば私がただ強い憧れを抱いているに過ぎないと思っていたし、先生自身もまさか私が自分にほれているとは考えられなかった。どちらからと言えば兄弟のようにお互いに悪口を言いあったりふざけたれしていた。
 友達の中に先生のことが死ぬほど(?)好きでたまらないと言う子がいた。私の恋心は知っている人はいないのだが、そのお陰で私は先生とその子を取り持つ羽目になってしまった。
 修学旅行という絶好の機会にその友達は先生の部屋へ行って‘夜這い‘をかけた。(もちろん失敗したが。)翌朝になって先生は私を見つけてこう言った。
 「いったいなんだったんだ?」    私は苦笑するしかなかった。
 私と先生の間にはひとつ賭けをしていた。先生が私の卒業前に結婚したら1千万円支払うと言うものだ。ところが3年生になったとき、突然先生は中学校へ行ってしまった。普通は6年間最後まで一緒にいるはずなのに。うわさでは大学教授の娘さんと結婚が決まったそうだ。でも、なぜ?
 大学生になってから教育実習で久しぶりに母校を訪ねた。私は社会科だったのでその先生には会えないと思っていたが向こうから私に会いに来てくれた。相変わらずの調子で「昔のほうがかわいかったんじゃない?」と言ってたけど、先生はちょっと太っていた。
 「幸せ太り?」って聞いたら「結婚するんじゃなかった。」と答えてきた。公開授業ではじめから終わりまでいてくれた。顔に似合わずやさしい表情をしていたのを今でも覚えている。
 結局私と先生の間には一線を超えたものはなかったけど、きっと先生は私のことを好きでいてくれていたと思う。


 仕事の都合で母校に行くことはあったけど、あれ以来私は先生に会ってはいない。会いたいと思うが会えばきっと昔のドキドキがよみがえってくるかもしれない。今の私は昔よりだいぶ大人になったからそれこそ不倫に走りそうなのでこのまま会わないほうがいいのだろうと思う。でも、仕事をやめた今、母校で教鞭を希望しているのでその願いがかなったらどうなることやら・・・・・・。
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