8月2日。
西洋の組石文化は、重厚なステイビリティを象徴するものです。 そこに主張される美徳とは永劫の安定であり、確立された「個」というものを顕示し、持続していく意志です。
そこに一抹どころでない煩わしさを感じるのは、我々日本人の感性が本来、そうしたことに価値を見出していないからです。 地震の脅威に常にさらされる宿命の火山列島、更にモンスーンに支配される気候は幅広く移り変わる気候変化をもたらします。 そういった自然の強大な外力に対し、日本人は剛的に抗おうとはしませんでした。 しなやかに組み上げられた、軽量で、柔軟な木という構造材は、ステイビリティではなくフレキシビリティを選択した、日本人の叡智が凝縮されたものと言えるでしょう。
「万物は流転する」と言ったプラトンの言葉を、平家物語の作者が知っていたとは思えません。ですが、その言葉の意味を、我々日本人は、DNAレベルでしっかり己のうちに組み込んでいたハズです。
軽い発火音を残し、一直線に上昇する炎の帯。 その軌跡がかき消えた一瞬の空隙の後、音もなく一気に花開く大輪。 更に一呼吸おいて、重く低い爆音が、内臓を撃ち抜きます。 その頃にはもう、光の生命は儚く燃え尽きようとしていて、残像は留めようもなく、背景の暗闇に溶け込んでいきます。
音もなく立ち現れ、華やかに炸裂し、粋に消え行くその姿もまた、日本的美意識の全てを体現するものでした。
8月の最初の土曜日は、地元の河川敷の花火大会でした。
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