1月6日。
つかのま意識が途切れて、目が覚めたときに事態が飲み込めなかった。
大音響のビートとシンセサイザーの電気的なリリック、そして耳を劈くようなハウリング。自分がどこにいて、何をしていたのか、そのせいでまた一層わからなくなる。
歌っているのは女だ。歌は巧いが、いかんせん音が大きすぎる。
今日の日中は確か、オレは塾の講師として振る舞っていたはずだ。
いかにもガキらしい屁理屈で口答えをする中坊の頭を張り飛ばし、思い掛け鋭い質問に内心テンパりつつもなんとか体裁を整え、8時過ぎに授業を終えた。
メシを食いに行こうというハナシになったのはともかく、この時期、単車の後ろに乗っけてもらったのは失敗だった。凍死するところだった。
女の歌声が一段と大きくなる。
危うく定食屋に辿り着き、同僚の先生達と男4人、生で乾杯をして、麻婆茄子定食を食った。
で、飲み足りないから近くのカラオケ館に来て……そうかここはカラオケボックスの中だ。
ならこの、鼓膜をブチ破らんばかりの大音声も不思議じゃ………いやまて。
オレ達は、男4人だったハズだ。
しかも、途中で歌に飽きて、飲み放題の薄いカクテルをガブガブ飲みながら、教育について語り合って
女が叫んだ。
「ちんこまんこちんこまんこちんこま〜んこ!!イェ〜〜〜〜!!!」
隣のブースから乱入してきた女子高生は、性器の名称を連呼しながら、タバコをバカバカ吸っていた。
イェ〜〜〜〜〜。
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