注文の多いパチンコ店

世の中のパチンコ店には、
多くのルールが存在する。
例えば、無制限営業とか、持ちコイン移動OKとか、
ゴト行為は禁止とか、18歳未満の入店禁止とか。
この手のルールは、
暗黙の了解というか、もはや常識的だよね。
俺は既にこれらのルールを認識し、日々パチスロを打ってる。

でも、中には
目的の見えない理解し難い独特のルールもあるようで。
今回は、そんな
変わったルールの話


1度だけ大勝ちを飾り、それから
気分を良くして通い始めた地元郊外店の、
初めてのスロサービスデーに行く事にした俺。
気合いもムダに入りまくって、朝イチから並び見事
狙い台のゲットに成功!
『さぁ、あとは出すだけじゃん!簡単じゃん!!』

と、この時まではいつも通りの、
浅っさい考えでいたんだけどさ・・・

開店後いつものようにペシペシ打ってたら、いきなり誰かに
肩を叩かれた
一瞬、
『ヤベぇ、タチの悪い常連にでもカラまれたか!?』
慣れない店ならではの不安が過ったんだけど、肩を叩いたのは
とある店員
・・・、ふぅ。チト安心したけど、一体何の用ッスか!?
いつのまにかイスにかけてある上着でも落としてたんでしょうか!?
と、そんな俺の予想とはウラハラに、
その店員は下皿を指差して
意外なひとことを・・・

『(下皿に)タバコを置かないで下さい。』

えっ、何々!?
今、何とおっしゃいました?
『タバコを置くな』?ココの店ってばそんなルールがあったの!?
この店に来るのは実は3度目なんだけど、
全く知らなかったよ
つーか、以前はタバコを置いても
注意されなかったような・・・
『変わったルールが出来たんだな。』と思いつつ、
下皿から速やかにタバコを退かす俺。

とはいえ、この店の台の間にはタバコを置くスペースが
ほとんど無く
かと言って、ドル箱が置いてある位置は
高過ぎて、そこにタバコを置いたら
吸う時にイチイチ席を立たなければならないので、
非常に面倒くさい
なので、仕方なく
シャツの胸ポケットにしまう事にした。

しかし、胸ポケットにタバコをしまう習慣は日常から無く、
打つ時も下皿に両替した漱石さんたちを置き、
その上に重石代わりとしてタバコを置いているので、
ハッキリ言って
えらくウザいルールとしか思えなかった。
そんなワケだから、悪気が無くてもつい下皿にタバコを置いてしまう。


いつものように
一服し、箱は無意識の内に下皿へ。その刹那、肩をポンポン

・・・、あっ、ハイハイ、スミマセン。

下皿にタバコを置き、
両替へ。戻って着席したその刹那、肩をポンポン

・・・、あっ、ハイハイ、スミマセン。

下皿にタバコを置き、
トイレへ。戻って着席したその刹那、肩をポンポン

・・・、あっ、ハイハイ、スミマセン。


・・・・・・・・・・、って、テメェ!!!

さっきから、
ウザんだよッ!!コノヤロー!!!
箱を置いた直後なのに、座った直後なのに、
イチイチ肩を叩くんじゃねぇよ!
せめてなぁ、タバコを胸ポケに移動させる
5秒くらいの時間はよこせよ!!
テメェは
俺しか見てねぇのか!そんなにヒマなのか!それともホモなのか!
もしホモならテメェのやってる事は
一切ムダだから、とっとと止めやがれッ!!

よくよく見てみると、さっきから肩を叩いてる店員は
彼ひとりで、
更によくよく見てみると、その注意をしてるのは
彼だけ
他の店員は
タバコの注意をしてないくさい、という驚愕の事実が判明。
かと言って、俺だけを目の敵にしてるかと言うと、実はそうではなく、
他の客にも
同様の方法で注意を促してる様子だった。
ただ、俺への注意のタイミングだけが
刹那過ぎてるだけみたい。

でも、冷静に考えればこの状況って
かなり異常な光景だよなぁ。
なんで、
彼だけしか注意してないんだろう?
なんで、
他の人は注意しないんだろう?
つーか、そもそも下皿にタバコを置く行為は
店にとって悪質なのか!?
・・・、って、考えても答えは出ないし、直接彼に聞く気も無いし。
まぁ、イイや!せっかく狙い台に座れたんだから
わずらわしい注意を受けないようにタバコの置き場所に注意して、
とにかく、
パチスロに専念しよーか!!

この誓いを立てた後、注意される回数は
減ったものの
肝心とも言えるパチスロの方の展開は
実にショボショボで、
今後
いかにマイナスを挽回出来るか、の方に意識が向いてきた・・・

と、ココで早番の勤務時間が終了。
例のタバコの店員もその姿を消した。
これで
あの刹那なタイミングでの注意は無くなるかもしれないけど、
ルールはルール。これからも気をつけて打つようにしよう。

それから程なく、誰かから
肩を叩かれる。午前中のようにポンポン、と。
振り返ると、
午前中とは違う遅番の店員の姿が。
あっ!・・・、ヤベェ。早速下皿にタバコを置いちゃってたな。
スイマセン、今すぐ退かしますんで。
すると店員は、タバコには見向きもせず、俺の背後を指差し・・・

『(イスに)上着をかけないで下さい。』

・・・、
ハァ?何だ、ソレ!?本気で意味がわかんねーよ!
イスに上着をかけられないなら、ドコにかけりゃイイんだよ!!
さすがに今回は
店員に聞いてみる。上着はどーするんだよ?
『(ドル箱の置いてある棚を指差し)ココに乗せて下さい。』
めんどくせーと思いながら、上着をたたみ始める俺。

・・・、つーか、何で彼からは
タバコの注意を受けなかったんだ?
午前中はあんなウザイくらいに注意されたのに。
ついでなので
タバコの事も聞いてみた。彼の口からは・・・

『タバコは(下皿に置いていても)結構です。』

・・・、もうね、
ワケがわかりません。ある意味、本格ミステリー
何なんだ、
この店のルールの柔軟さは?山の天候か!?

この日は
店のルールに、そして狙い台の展開にも翻弄され、退店。
後日この店を覗いてみると、先ず
タバコの方の店員を発見
しかし客は、
下皿にタバコを置いてるわ、イスに上着をかけてるわ、
でもタバコ店員は
注意してないわ、猪木のシマに貼られた注意書きには、

『ボーナスをハサミ打ちで揃えると、闘魂チャンスに突入し辛くなります。』

という、
店側独自の新たな試みを目撃するわ、で、混乱に拍車がかかってしまう
んー、この混乱を解消させるためには・・・、

あっ、そうか。


もう行かなきゃイイんじゃん!