今年完成した「地名研究必携」が、平成15年10月21日付信濃毎日新聞に掲載されました。

記事の内容の紹介

 

全国地名辞典 20年がかりで完成

江戸末期6万の村名 大合併の変遷たどる

 小県郡和田村で長野県地名研究所を開いている滝沢主税さんがこのほど、江戸時代から現在までの全国の地名の変遷をたどった地名辞典「地名研究必携」を完成させた。A4版四百ページ余の大作。完成までに約二十年の年月を費やした。

 辞典は、江戸時代末期に作られた土地台帳「天保郷帳」に載っている六万三千七百九十五の村名から、明治、昭和の大合併を経て大きく変遷した全国の市町村名の変遷をたどっている。現在、全国の市町村数は約三千百。合併、分村、再分裂と、明治、昭和の二度の大合併で揺れ動いた地方自治体の姿が年表を通じて読み取れる。

 滝沢さんは八十五年、恩師と仰ぐ歴史研究家で信濃史学会長も務めた一志茂樹さん(故人)に「長野県変遷史 町村変遷表」の草稿と上田の字境の図の下書きを見せた時、「他のおかしな仕事に頭を突っ込んではいけない。この仕事だけをやりなさい」と強く勧められたという。以来、地名研究に没頭してきた。

 編纂は、県が保管していた史料や基礎資料の積み上げなど地味な作業の連続。見つけた古地図を一枚ずつアイロンがけしたこともある。一方で「木口村」が「杏村」と記されているなど資料全体の間違いもあり、神経を使った。

 再び市町村合併が動きだした今、滝沢さんは「地名は文化財。地名を調べれば時代の流れが分かる。地名を後世に伝える努力が必要」と訴える。