Alive

山あいに昇る陽がまた眠りを覚まさせる
固く閉じられた瞼の封を解き その目は開かれる
物を映す事を許された瞳が捉える
また 続く僕の物語の中

朝日が「おはよう」って中身の無い笑みを浮かべて
不躾に僕の物語を進行させる さぁ進め

今日もここで目が覚めて 今日もここでまた始まって
新しい物語を紡ぐ 僕はここに生きてる

約束された明日など無い事に気付かぬ人が
通り過ぎる交差点で立ち止まる 僕の姿一人
歩き続ける事を強いられた世界の中で
まだ… 続く僕の物語の中

誰かが「悪いね」って背中をまた無理に押し付け
うつ伏せの僕を無理やりまた立ち上がらせる さぁ起きろ

今日もこの道を往き 今日も同じ事繰り返し
新しい物語の中を 僕は今日も歩いて…

僕はこの手で摘み取ろうとする
新しく生まれた命を
手を伸ばしまた先人に習い
その手を再び引き戻す
出来はしないとわかっていたのに
そして彼もいつか同じことを繰り返すだろう
そして僕と同じように
彼もまた泣くのだろう…

今日もここで目が覚めて 今日もここでまた始まって
新しい物語を紡ぐ 僕はここに生きてる
今日もここで僕は生きて 今日もまた繰り返して行く
泣きながらその手を戻すんだ そして今日も生きて行くんだ…


コメント
 
 ―気が付けば僕らの周りには時間がある―
 朝日が照らし始める大地は一日の始まり、それはどんなに受け容れ難くても確実にそこへ来る。
 ―気付けば誰かに無理やり歩まされている―
ここで誰かに倒されてそのまま立ち上がれないと思っても、誰かがその手を無理やり引き起こす。
立ち止まる事が許されない、それが時の中。
 わかってんのに出来ない事って有ると思う、繰り返される日常の中で昨日と違うものを求めながら、
それでも何かに怯えてしまって結局昨日と同じ事を繰り返す。生まれた子供は泣いている、この世界
に産み落とされた事を嘆きながら、親は同じ苦しみをさせまいと子供の喉元に手をかける、しかしそれ
は息が止められるまでは続けられない、その行為の恐ろしさにやがて自分は恐怖を抱く、そしてそれ
は世代が変わってもなお繰り返される。そういう世界観を出したかった作品、生きることの苦しみと、生
きねばならないという強制される意思、そういうものを出したかった作品です。

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