去年見て、とても気に入ってしまった「世界民族音楽の旅」今年も通し券(4回分)を買い求め、楽しみにしていました。
今回も、開演前にプレトーク、そして公演、という構成だったのですが、一緒に行った息子がちょっと眠たそうで、プレトークを見せてもきっと眠ってしまうだろうな、私も落ち着いて聞けないだろうな、と思ったので、ロビーで息子を寝かせながら、モニターで聞いていました。だからあまりきちんと聞いていません。
プレトーク 簡 憲幸
朝鮮半島の生活文化は、日本のすぐ隣にありながら、日本にはほとんど紹介されていません。朝鮮半島の文化は、中国の干渉に度々遭いながら、その文化を吸収して発達してきました。日本もまた、中国からの文化を吸収した自国文化を持つ国として、多数の朝鮮半島と共通の風俗習慣をもっています。
楽器でも、中国にルーツを持ち、日韓両国でそれぞれの発達を遂げたものが多数あります。
しかし、日露戦争の後の日韓併合から日本敗戦までの歴史が、数々の誤解を生み、日本と韓国の間には、大きな溝ができてしまいました。
学術・芸術を通した日韓両国の親密な関係を今一度思い起こし、新たなよい関係を作っていきましょう。
今日は、舞踊と打楽器を中心にした韓国芸術を堪能してください。
韓国の芸術の特徴は、儒教や仏教・農耕・宮廷行事などのバックボーンを持つ舞踊や音楽が、家レベル・個人レベルで継承され、生活の節目節目に現在でも唄い踊られていることです。今日は、色々なタイプの舞踊が登場します。違いを感じてください。
…概ねこんな内容でした。
第1部
1 花冠舞
6名の女性が宮廷風のカラフルな衣装に身を包み、両手に長いハンサン(筒状の…こいのぼりの吹流しに似ているかな、そんな布)を持って、ひらひらとなびかせながら優雅な舞踊です。宮廷での、客人を招いた時に踊られるものです。
なんとなく、子どもの頃読んだ「浦島太郎」の挿絵を思い出しました。
2 長鼓舞
2名の女性が、肩にに長鼓(チャンゴ)と呼ばれる太鼓をかけて、それを打ちながら軽やかな足取りで踊ります。農作業を鼓舞する「農楽」の流れを汲んでいる舞踊です。農作業の合間に踊られたものかもしれませんし、収穫感謝の祭りに踊られたものかもしれません。力強く楽しげな踊りです。
3 仏の世界(僧舞)
白い僧装束に白い頭巾をつけ、筒袖をなびかせた女性がゆっくりしたBGMに合わせて登場し、ゆっくりと舞います。
途中、色違いの僧装束の女性たちが合流し、撥を拍子木のように打ち鳴らしたり、太鼓を叩いたりしながら、次第に激しく踊ります。仏教儀式から生まれた舞踊です。 すみません気持ちよくて居眠りしました。
4 剣舞
剣の舞いです。剣、といっても舞踊用のものなのでしょう、手元で回転する構造で、回すたびにシャンシャンと音が出ます。剣舞は、中央アジアに多く見られる舞踊ですが、中国にはあまり多く伝わっていません。中央アジアから中国経由で伝わったものが、中国では消えてしまったのに、朝鮮半島では受け継がれたのではないだろうか、と解説がありました。
第2部
第2部は、全ての出し物を、途切れなく進めていきました。韓国舞踊のエッセンスを詰め込んだ構成です。
1 サムルノリ
11人の女性による儀式的な踊りから始まります。長鼓と、名前はわかりませんが胴の短い、片面を打つ太鼓と、銅鑼と鉦の合奏です。複雑なリズムが会場いっぱいに鳴り響きます。圧巻。そういうしかありませんでした。
2 情
唯一、この公演で流れた音楽のうち、私が知っていた。「アリラン」。アリランの歌に合わせて、女性がひとり、舞っていきます。切なそうです。
3 小鼓舞(ソゴチユム)
小さな太鼓を手に持った女性が2名、掛け合いしながら踊ります。
4 サルプり
白のチマチョゴリ(リボンとノリゲが黒だったので、なんだか喪服を思わせました)をまとった女性が、ゆっくりと踊ります。サルプりとは、「厄をよける・全ての災難を消滅させる」という意味だそうです。昔は巫女舞だったそうですが、民族舞踊・さらに伝統芸術に発達した舞踊だそうです。
5 ソル長鼓
さっきのサムルノリと同様ですが、長鼓ばかり7人の合奏です。長鼓は、両面の皮を叩く太鼓です。めまぐるしい速度で、太鼓を打ち鳴らします。それを細くてきれいなお姉さんたちがやってしまうところが凄い。
6 五面太鼓
体の背面に3つの太鼓、両わきに一つずつの太鼓を配置して、くるくると体を回転させながら、その5つの太鼓を打ち鳴らす、華やかでダイナミックな舞踊(と演奏)です。凄い!!としか言えない自分が悲しい気もします。
全体の感想
まず、自分は韓国の音楽を何も知らないんだなと、改めて思いました。音楽だけじゃないかもしれませんね。
今回、ステージ上で演奏される打楽器の他は、歌も管弦も、録音したものが流されましたが、雅楽に似ているものもあれば、中央アジアあたりの音楽だよ、と言われても納得するものもありました。近くにいるようでなにも知らない、この隣の国のことを、もう少し知りたい気持ちになりました。
今回、女性ばかりの出演でしたが、体力勝負の打楽器を息も上げずに演奏する様に圧倒されました。