「鼓童」― 太鼓を中心とした伝統的な音楽芸能に無限の可能性を見出し、現代への再創造を
試みる集団。(以上パンフレットの写し書き)
全く前評判も事前知識もなく、ただただパワーのある音が聞きたい、できれば和風のものがいい、
という気持ちでチケットを買いました。本日の演目は以下の通りでした。
太鼓の種類なんかの知識は わたしにはないので、パンフレットをもとに書いてます。
入破(じゅは)
「新しい領域に入ること」という意味だそうです。
漆黒の闇の中に銅鑼の音が響き、観客席の後ろの方から、割笏(かっしゃく。拍子木です)
を早打ちする音がたくさんたくさん近づいてきます。
複雑なリズムを刻みながら、割笏と宮太鼓、締太鼓が打ち合います。
途中、締太鼓の手打ち(アフリカの太鼓のように、平手で打つ)のソロが入る、
不思議な雰囲気のオープニング曲でした。
三宅(みやけ)
木遣りの声から始まります。男性による、アカペラのコーラス。
掛け声をかけながらの、太鼓の打ち方は、腰を低くして足を開き、体重移動させながら
(体育の準備体操にありますね?片足をまげて もう片足を伸ばして腰を落とす姿勢)
という、独特の打ちこみ方です。美しいです。
海の男の集団を思わせる曲でした。
千里馬(ちょんりま)
千里馬とは、朝鮮の伝説にある名馬のことだそうです。
4人の桶胴・締太鼓の奏者が前に並び、その後ろに宮太鼓奏者が一人立ちます。
宮太鼓が地のリズムを刻み、4人の桶胴奏者が休みなく打ち合います。
その、4人の一糸乱れぬ様子を見て、なぜかバレエ 白鳥の湖の「4羽の白鳥」の踊りを
思い出しました。前を見据えたストイックな表情も印象的でした。
雛ノ鼓(ひなのこ)
さきほどの「三宅」とは対照的に、女性のたおやかさ、穏やかさを表現した作品です。
舞台端寄りに緋毛氈が敷かれ、太鼓、鉦、篠笛の奏者が並びます。ゆったりとした穏やかな
音の重なりの中、緋色の着物を着て鶯色の着物を腰に巻いた女性が2人、小鼓を手に
現れます。しばしゆったりとした踊りの後、こんどはテンポアップした音に合わせて、
女性2人は軽やかに華やかに踊ります。舞台には何もないけれど、満開の桜が思い浮かびます。
日本の女の美しさって、こんな感じかな。
韋駄天(いだてん)
締獅子太鼓と沖縄太鼓によるセッションです。(セッションって言葉、
こういう使い方でいいのか?)
さきほどの「千里馬」のメンバーと同じみたいですが、先刻の険しい表情とは違って
ソロの時など、笑顔をこぼしています。踊りながら、笑いながら太鼓を叩き合う様子は
「太鼓が好き、叩くのが好き」という気持ちを体じゅうで語っているようです。
太鼓だけの曲なので、舞台上にはリズムしか存在しないはずなのに、なぜか最後には
メロディが聴こえてくるような曲でした。
三味線
太鼓は登場せず、三味線2つだけの曲。
でも、三味線の音の、劇場の中への反響音が、パーカッションのように聞えました。
音を低く小さくする時は、劇場中が張り詰めたような緊張感。
三日月の夜
11人の大編成。大きな大きな宮太鼓の地打ちに支えられて、沖縄太鼓と締太鼓、
手びら(小さなシンバルのような楽器)がかけあい、不思議なうねりのような
音の波を作っていきます。
道
舞台上に登場するのは、篠笛奏者ただ一人。舞台袖から聞える、太鼓と手びらの
リズムに支えられて、ちょっともの悲しく、懐かしいような笛の音です。
篠笛が朗々と聞える中、次の演目「大太鼓」と、最後の演目「屋台囃子」に使う
太鼓が運びこまれます。
大太鼓
いよいよクライマックスです。
直径三尺八寸といいますから、1メートルくらいでしょうか。の、大太鼓を、六尺褌姿の
男性2人が表と裏から打ち合います。裏打ちの奏者が一定のリズムで鼓動のような音を刻み、
表の奏者が渾身の力と思いを込めてであろう、打ちこみをします。
途中から鉦や掛け声も加わり、否応なく気分は盛り上がります。
たまたま座席が前から2列目だったもので、表打ち奏者の息遣いや、体から昇る湯気も
はっきりわかりました。
屋台囃子
フィナーレへ続く曲です。お囃子です。
わたしの生まれ育った町のお祭りのときにも、町内の若い衆で編成されたお囃子が登場します。
なんだか、子どもの頃のお祭り(それは夏休みの始まりでもあった)のわくわくした思いを
、懐かしく思い出しました。
曲も力強いんですが、その打ち方。先の六尺褌の男性が、舞台上に足を投げ出して
座り、宮太鼓を直置きしたものを両足ではさんで打ちまくります。
(腹筋の姿勢で、上体を45度に傾けたまま、太鼓を打つ…というと、わかりますか?)
全身筋骨隆々、といった感じです。
アンコール2曲
危うく、踊りだすところでした。
フィナーレの拍手の後、さまざまな太鼓と手びら、鉦を手にした奏者が踊りながら現れ、
陽気に打ち合います。「雛の鼓」のときの踊り手の女性も、手踊りで華やかさを添えます。
観客も太鼓に合わせて手拍子で、各々のリズムを刻んでいます。
なんだか、パワー充電させてもらってありがとう、みたいな気持ちで、緞帳が下りていくのを
見ていました。
おまけの話し
開演前のロビーで、SHUの担任にばったり会いました。ほんとうに偶然。
ロビーでSHUがぶつかって「ごめんなさい」をした相手が担任でした。
「SHUも来たんだ〜?いいよ、コレ。楽しいよ!」と、SHUに話しかけていました。
趣味が合うのかな?
今日の評価
文句なしの☆☆☆です。パワーを分けてもらいたい時など、おすすめ。
おまけのSHU語録
「さっき、たいこのばちが、ほのおみたいに見えたよ。」 8歳3ヶ月