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〜ごめんなさい〜
ある日、その頃よく遊んでいた男友達に「好きだ」と言われた。 もしもっと軽く言ってくれてたならその時の私の反応は、あそこまで酷くはなかっただろう。 つまり吐いたのだ・・・ 普通では考えられない事だろう。 相手の事を嫌いだったわけではない、どちらかと言えばあれは好きに入る感情だっただろう。 「この人とは一生仲良くやっていきたい」そう心から思っていた。 会って話をして、ご飯を食べて遊んで。 そんな事をしていると、年をとって縁側でお茶を飲んでる二人の姿が目に浮かんでくる。 私にとってそういった心地の良い存在の人だった。 そんな人に「好きだ」と言われ体を求められた時、私は吐いたのだ・・・・ 最低だ。言葉もない・・・ あの時の私の中に、愛してる事と肉体関係には何の繋がりもなかった。 それどころか肉体関係を持つと言う事は「別れ」を告げられているのと変わりない事だと思っていた。 付き合えば終りがくると思っていたから。 そして「好きだ」と言われた瞬間に「この人と別れるんだ」という事の方が、私の中で大きく膨らんだ。 好意を持たれているのは嬉しかった でも思いを処理できなかった。 なんにしても吐いたのは最悪だっただろう。 上手く伝えられなかった。 伝えられたとしても彼はきっと「そんな事はない」と言う。 そんな言葉は聞きたくなかった。 誰よりも彼の口からは。 恋をしている時、男女問わず人間たいがいそう言ってしまう。 嘘になるなら聞きたくない。 このままでいたい。 私はそう願っていた。 なによりも強く、そう願っていた。 愛情を感じられなくなっていた私の精一杯の願いだった。 彼は想いを私に告げてしまった。 そして私は逃げた。 彼の想いをわかろうとはせず、逃げる事で自分を保とうとした。 電話もしない、会わない、今はまだ、会えない・・・ そうこうしてる間に、帰る家もなくなって私はある男と付き合った。 「居場所がなかった」それだけの理由で。 壊れていく自分を止めよう ともしなかった。 何日か経って、私の付き合っていた男と彼が、知り合いだった事を知った。 私の心は麻痺してしまっていたのか、なんの感情も湧いてこない。 しばらくして3人で顔を合わせる事があった。 彼は「幸せにね」とだけ私に言った。 力の無い彼の笑顔を見て はじめて彼の痛みを知った 何かが胸に響いた もう一度彼の顔を見た 笑ってくれている・・・最後だから? 終ったんだ、そう思った その時、私の中で何かが壊れた そうじゃないと叫ぶ自分と一緒に、私は大切なものをなくした事にやっと気付いた ただ一緒にいたい・・・それを私が壊した 彼の精一杯の笑顔から 彼の痛みが 伝わってきた・・・ ごめんなさい 声にならない言葉と想いが込み上げてくる 私は彼に、なにも言えなかった 私はいつでも 大切なものを 自分の手で壊す 壊したら 欲しかったものは手に入らないのに |