フィリピンの人は決して相手に面と向かってNO(いいえ)とはいいません。特に上下関係のある場合、目上の人に向かってNOとはいえないのです。NOということは失礼にあたり、また相手を傷つけてしまうと考えているようです。フィリピン人の間ではそこに漂う”空気”から本当に”YES”なのかそれとも”NO”を意味するのかが分かるようですが、私にはまったく読めず、彼らの返事 ”YES” という言葉をその言葉通り信じてずいぶん困ったこともありました。
【Case1】
私の友人を介して知り合ったお医者様がLearning for Living CenterとSMSFの活動に興味を持ってくださり、援助したいということで看護婦の研修生の体験学習をかねてモンタルバンを訪問された時のことです。私は今回の訪問客が医療スタッフでしたのでSMSFのヘルスケアープログラムの視察を企画しました。
そして視察の当日、SMSFのユースに3時に修道院まで私達を迎えに来てエリアを案内してくれるようお願いしました。そのときのSMSFユースの返事は”YES”です。私にはいつもと変らない笑顔での”YES”だったのです。そしてくれぐれも遅れてこないように念を押しました。しかし、当日、待っても待っても頼んだSMSFユースは誰一人やってきませんでした。フィリピンの人は時間にルーズなところがあるので(フィリピーノ タイム*参考)
これはイカン!やられた!と思い、とりあえずお忙しい先生をこれ以上お待たせするわけにも行かないので私がお連れすることになりました。でもエリアは4つあり、今SMSFユースがどこにいるのかわかりません。途中でエルデ(SMSFユースの一人)を見つけ、彼女に思い当たる場所に連れて行ってもらったのでした。そして彼らを見つけました。私は怒ってもしょうがないと思いながら、”なぜこなかったのか”を聞きました。あれだけ確認した上で頼んだのにSMSFユースらは”そちらが直接来ると思ったからここでずっと待っていた”というのです。SMSFユースが謝ることはありませんでした。お医者様たちは次の予定があり、お時間が無かったため、1件の血圧測定の見学とエリアを少し歩くだけでその日の見学を終えなくてはなりませんでした。
私はこのときSMSFユース達にとても失望しました。なぜなのか。NOならNOといってほしい。YESは本当のYESであってほしいのです。これもフィリピンの文化の一つなのでしょうか。NOということが相手を傷つけるというのなら、実際の場面で裏切られたときのほうがずっと傷つくと私は思います。
どちらにせよ、フィリピンでの経験が浅い私には彼らの戸惑いを持った笑顔と、そこに漂う”NO”の空気を読むことができなかったのでした。。
【Case2】
Learning for Living Centerで卒業式前日の準備で、先生達で踊るときのダンスの衣装をどうするかを相談していました。私はまず、卒業式にはみんなどんな装いで出席するのかを聞きました。すると「普段着だよ。ジーンズにTシャツでOKだよ」といわれ、納得していました。そしてダンスの衣装の話に戻り、トップの服の色を合わせようなどいろいろ意見が出る中、私は「じゃあ、ジーンズに白いTシャツはどお?シンプルでいいじゃない?」と意見をいいました。するとみんな、「いいね!そうしよう!」と盛り上がり”決まりっ!”ということでまとまりました。ATE エルビーは”じゃあ卒業式用に別の服を着て来る人はこの衣装用に着替えを持ってくるように”とみんなに伝え、私の中では間違いがない話だったのです。
しかし、当日のダンス発表のとき、私以外の先生で誰一人としてこの”白いTシャツにジーンズ”姿で現れた人はいませんでした。会場に行くと先生方はいつもよりずっとドレスアップしていました。(注1)ホントみんなとってもステキでした。でも、ダンス踊るときはさすがに着替えるだろうと思っていたら、な、なんと出番になっても誰も着替える様子なし。 ”ひぇ〜ぇ!”なんだったのだろう。。あの時の話し合いは??? ATE
ローナは 「Oh,SAIKOはちゃんと白のTシャツにジーンズはいてるじゃない、えらいねぇ」というようなことを横で言っています。「そりゃ〜そうでしょう。みんなが着るって言ってたからだよ!」と心で叫びつつ、なんか、狐につままれたというか、これもフィリピン文化か!と新たな発見に笑えました。
この日服装としては子供のトマトソースを恐れる必要もなく、また参列された皆さんに対して失礼に当たるようなことは無かったと思いますが、やはり彼らにとって大切なお式ですからもう少し小奇麗にしていくべきだったように思います。ですから、その後招かれたホストファミリーの甥の卒業式や神学生ジミーの卒業式では、NANAY(ホストマザー)に「「ジーンズで来て良いのよ」といわれる中、それ相応にスカートをはいて小奇麗にして出かけました。確かにジーンズにTシャツ姿の人もいるけれど、私立の学校ということもあり、大半がそれなりの服を着ているので合わせるのが無難でした。このようにして何事も失敗して学ぶのでした。
ということで、これ話は、 ”YES” が ”NO” であった説というよりは、私がみんなの話を最後まできちんと理解できていなかったのかもしれませんし、(これがかなり有力説^^;)、着替えるつもりがあまりのバタバタで無理だったのかもしれなく、本当の理由は不明なのですが、こういうこともあったということです。(笑)あははー
注1)私の観察の結果、フィリピンの人は、大人、子供を含めて貧しくても、これ!というときの一張羅は持っていると思われます。また女性はメイクもかなり派手目になります。
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