ハロハロ会事務局から改めて報告があると思いますが(ハロハロ会ホームページ参照)、私の視点から今回リピータツアーについてコメントを書きたいと思います。※日程表


引率  :Sr.有田
参加者:福田(小林卒) 氏田(小林卒) 大野(小林卒) 松田(小林卒:現地合流) 井上(不二卒:現地1日合流)

 今回は、関西から3人、現地合流2人と合計5人参加のハロハロ会リピータツアーとなりました。
出発当日の朝、参加を予定していたメンバーの一人が関西国際空港にまで来たものの、体調が悪くなりやむを得なくキャンセルという残念なハプニングもありましたが(インフルエンザだったようです)、現地では猛暑にも関わらず皆元気に充実した旅となりました。

   ◇コトレンゴ
   ◇SMSFユースとの分かち合い
   ◇バーハイ マパグマハル
   ◇Learning for Living Center
   ◇パヤタス
   ◇感想

 ◇コトレンゴ (1999年〜)
 ここは、親から見捨てられた障害児(男子のみ)の養護施設です。ここには現在、37人の脳性まひ、水頭症、自閉症の子供達が暮らしています。
 フィジカルセラピストが子供達のリハビリの指導にあたり、食事スタッフ、指導スタッフ約10人が日中(6:00〜20:00)子供達のお世話をします。この施設には大きなお庭があり、施設内はとても清潔でリハビリ、生活の設備も充実しています。
現在、韓国人の神父様(Fr, Bernardo)がコトレンゴ全体の取りまとめを担当されています。私たちが訪ねるとコーヒにクッキーを用意してくださって約2時間ほど話をしてくださり、施設を見学させていただきました。
 この施設の運用費は、ほとんごがローマにある修道会本部からの支援で成り立っています。残念ながら今のフィリピンは国がこういった施設をサポートする制度はありません。人件費、薬、病院の診察費、ベビー用品(おむつ)、食費などをまかなうためには多額の費用がかかるため、その運用は非常に厳しいようです。
 お話の中で印象的だったのは、神父様がゼロから行った「規則の確立」についてです。この施設で行う事柄、取り決めのルール、ラインを決めるという作業です。具体的にはスタッフを雇ったものの、問題があった場合、第1警告、第2警告、第3警告後に改善が無い場合は解雇する。などと契約に関わること、運用に関する事柄を取り決め、雇用契約時にこの規則集に従うことを契約としています。この規則集を取りまとめたことで、裁判への対応準備もできたとのこと。
様々なお話から、神父様が外国人であるということで不利な立場におかれたり、理解してもらえないなど様々な苦悩の中、ここにいる37人の子供達を守るために日々頑張っていらっしゃることが良く分かりました。

 ◇SMSF ユースとの分かち合い
 SMSF:リゼット、カミール、ジュリウス、ジョバー、クリストファー、JM、ジョナサン、ジュニア
     (各エリアのリーダが集まってくれました)
 それぞれの自己紹介の後、お互い質問をしあう形で分かち合いは行われました。
私は彼らに「SMSFの活動が自分の今の生活にどのように影響していますか?例えば家族や友達の関係や、自分自身の行き方など。。。」という問いを投げかけました。
 その中でジュニアがこんな回答をしてくれました。「人に良いことや良い人間になるよう教えるためにはまず、自分自身の中に良い価値観を持たなくてはいけないことを学んだ。」この言葉を聞いて私は胸が熱くなりました。なぜなら彼はSMSFユースの中でいわゆる”問題児”で、悪い友達と付き合ったり、学校を途中で止めてしまったりと何かと心配の多い子なのです。しかし、今年に入ってから活動の参加率も高くなり、私が重い荷物を持っていたら一番に走ってきて手伝ってくれたりと、”自分が出来ることを見つけてやってみよう.”という意欲が見られるようになってきたように思います。彼はお父さんが非常に暴力的で苦労しているところもあるのですが、これからも彼の言葉にあったように、彼自身がSMSFの活動を通して良い価値観を自分の中に持ち、良い人間関係の中で彼の良いところを生かしてくれればと思います。
 また、ジョナサンはこの問いに対して「これまでドラッグに手を出すような悪い友達と遊んだりしていたけれど、SMSFの活動に参加してから自分の人間関係が変わり、良い友人を作ることができた。今は親ともいい関係で生活できている。」とのこと。
 毎週末、彼らと一緒にいる私ですが、改めてこういった機会に彼らの考えや思いを聞くことができて非常に良かったです。また、私自身もこれまで、彼らの前で自分のフィリピンに対する思い、彼らに対する思いなどを話すチャンスは無かったので彼らも私のことを少し知ってくれたかなと思います。

 ◇SMSFエリア訪問
  分かち合いの後、ユースの案内でエリアを訪問しました。この間、ユースがそれぞれのハロハロ会メンバーについてくれたので改めていろんな分かち合いガできたのではないでしょうか。エリアでは他のユースたちにも出会え、彼らの住む場所を訪問してよりSMSF活動のニーズ、支援の必要性を感じてもらえたのではないでしょうか。

 ◇バーハイ マパグマハル 

 ここは整形外科治療中の身体障害児の施設です。手や足の不自由な子供達が、楽器を手に取り、素晴らしい演奏を行います。昨年には日本に招かれ、「車椅子楽団」で各地でコンサートに出演しました。
 コンサートに参加したすでにこの施設を卒業しているメンバーも集まって私たちのために演奏してくれました。その中にはスマップの「世界でひとつだけの花」もありました。彼らはこの歌のように”一人一人違う種をもち、その花を咲かせるために一生懸命生きて”います。できないことを考えるのではなく、何ができるかを考えて生きる人たち。それぞれの花を咲かせるこの人たちの演奏は心の奥に響く美しい音色でした。

また、私は高校生の時に(11年前)にこの施設を訪れたとき「リチャード」という青年に出会い、ストローでRICHARDと名前が編まれたボールペンをもらい、1年ほど文通をしていました。しかし、英語があまりできないのに加えて、大学に入って忙しいのとで文通をストップしてしまったのでした。自分が書かなくなってからも何度か手紙をくれていたので、ずっと気になっていたのですが、その「リチャード」に今回再会し、そのことを話しました。彼は「どこかで聞いた名前だと思ったら。。」とホントかウソか分かりませんが覚えていてくれて、またこれから彼らがコンサートや集まりをするときには連絡を取り合って集まろうという約束をしました。10年越しにまたこんな風に語り合えるなんて想像もしませんでしたが、本当に嬉しい再会でした。

この施設の卒業生はほぼ全員仕事を持っています。結婚して子供がいる人もいます。体は不自由だけれど皆と同じように生活をしてがんばっています。たくましいですよね!ランチでは彼らの明るさとユーモアにすっかり和まされ、楽しく過ごしました。3月14日にはイントラムロスでコンサートとのこと。ぜひ彼らの演奏を聴きに出かけていきたいと思います。

 ◇Learning for Living Center
 この日、個人的にラーニングセンターがいつもより暗い雰囲気に感じられ、まずは「なんだか皆元気が無いけれど、どうしたの?」から私の会話は始まりました。話を聞いてみると、ATE リンは風邪でお休み、パトリシアは病み上がり(インフルエンザだったらしい)、エルビーは先日まで息子のバーヤンが入院していた(今もまだ具合が悪い)、ATE ローナの叔父は先日トライシクルの事故で無くなり、10日間寝ずに遺体に付き添い、お別れにきてくれる人たちの食事をつくっていたとか。。 ATE ジェニーの一番下の赤ちゃんも病気とか。。。心配ですね。 
でも子供達は相変わらず元気に楽しく授業に参加していました。火曜日、水曜日には「マニラ動物園」に遠足ということでパトリシア自らが動物園についてのレクチャーを行うという場面もありました。象やライオンに会うのが始めての子供達もいるでしょうね。皆とても楽しみにしている様子でした。

 ◇パヤタス (マニラ首都圏最大のゴミ捨て場:スモーキンマウンテン)
案内してくださったのは、社会福祉関係担当のエフレンさんです。彼は元神学生で、現在jは司教区で福祉関係のほかに、カテキズムを教えたりしているとのこと。
パヤタスの司教区には約6万人の人が暮らしています。この司教区プロジェクトは価値観教育、つまり”人間としてどのように生きていくか”であったり、”親になるたの教育”、”どのように人とコミュニケーションをとればいいのか”といった内容なので、別の宗教の人であっても誰でも参加することができます。
下記のプログラムは司教区のプロジェクトとして全て繋がっています。
奨学金などはこちらから支援するだけではなく、親や生徒に責任を持ってもらうこと(それを学ばせる)を目的として実施されています。

(1)結核患者支援プロジェクト
  →結核患者のためのヘルスセンター。結核の人を月に1〜2回安い価格で検査を行う。薬は国から無料でもらえる。また、ボランティアの人たちが各患者さんの家を訪問して様子を見ることもしている。ヘルスセンターではカテキズムやヘルスケアーに関する研修会も開催している。

(2)協同組合プロジェクト
  → 10人でひとつのグループをつくり、協同組合に参加する。
  ・お米の協同組合
  →良質のお米を通常の価格より安く購入でき、また購入したお米の代金の一部(10センタボ/Kg)がグループの貯金プトジェクトの預金に貯まる。
  ・貯金プロジェクト(グラミーバンク)
  →協同組合で預金を行い、必要なときにお金を借り入れ、使うことができる。その返済が終われば次の人が借りれるというシステム

(3)奨学金プロジェクト
  ・奨学金制度
 →現在、400人の奨学生がいる。奨学生の条件は
(1)貧しい(2)勉強したいという意欲のある生徒(インタビューを行う)(2)単親家族(3)親から見捨てられた子供(4)子どもが多い家族で定期収入のない家
  ・コンピュータ学習プロジェクト 
      (LCC:Learning computer for scholor)
  ・図書室・学習室

(4)縫い物プロジェクト
奨学生のお母さんたちのプトジェクト。現在10人の人が定期的に参加している。中国系の会社の下請けとしてビニールの靴袋などを縫っている。

(5)栄養失調の子供に食べ物を食べさせるプロジェクト
健康診断で栄養失調(不良)と診断された子どもに栄養状態が回復するまで食事を与えるプロジェクトです。年齢を聞いて驚くほどここにいる子どもは小さい!私たちもここでランチをご馳走になりました。この日は日本の肉じゃがのようなおかずにご飯を混ぜて食べるというものでした。デザートはバナナです。子ども達が食べやすいようにお野菜は小さく切られて、お味もとても美味しかったです。

◇感想
 今回のリピータツアーは少人数ではありましたが、高校体験学習の時よりもずっと現地の人々と近く様々な交流ができたのではないかと思います。私自身も皆さんとリピータツアーに参加して改めていくつか新しい体験や発見がありました。

 まず一つ目は、コトレンゴで韓国人の神父様のお話を聞きながら、同じ外国人として異国で活動する難しさ、苦しみ、またその中での学びや喜びといったものを考えさせられました。彼は一人で子ども達の朝ご飯を作ったり、スタッフが帰った後の夜8時〜朝6時まで子ども達の様子を見守り、さらには、お庭の道路をセメントで作ったり、いろんなことを一人でやってしまうすごい神父様です。第一印象は非常にクールな方でしたが、2時間のお話を通してとても温かいお人柄で、また強い精神を持った方だと感じました。彼は”子ども達のために戦うやさしく、強い神父様”です。

 二つ目はSMSFのユース達との交流会です。上記にも書きましたが、普段ユースと改めてこういった話をする機会というのは無いので、彼らの気持ちが聞けて嬉しかったです。SMSF(聖マグダレナ・ソフィア)という活動が彼らにとって「良い価値観を自分達の中に形成する」助けになっていることを改めて感じました。SMSFはユース60人ぐらいの小さな団体ですが、その小さな社会の中で自分達の役割であったり、果たす使命を学び、その中で必要とされたり、必要としたり、人を大切にしたり、されたりといったことを学んでいくのでしょう。
ハロハロ会のメンバーも彼らの住むエリアに行っていろいろ気付かれたと思いますが、彼らの家にはゆっくり本を読んだり勉強したりする場所はありません。SMSFには現在小さなライブラリーがありますが、十分ではありません。これからまだまだSMSFが果たしていく役割というのは増えていくのではないかと思います。

 三つ目はパヤタスのプロジェクトです。これは正直驚きました。実際の効果というのは今回の訪問だけでは分かりませんでしたが、これだけのプロジェクトが繋がって動いているということは非常に評価できるのではないでしょうか。特に、”援助するだけではなく、それぞれの自立、責任を持たすことを目標に運営している”といポリシーが本当の意味で人々のためのプロジェクトとなっていると感じました。

 今回のツアーで良かったなと思う点はパヤタスの栄養失調の子どものところやバーハイマパグマハルのところで施設の皆さんと一緒にお食事ができたことです。SMSFユースともメリエンダを一緒に食べました。”共に食事をする”というのはひとつの”分かち合い”の象徴のような気がします。食卓を共に囲むと不思議と心が打ち解け、より身近な存在となれますよね。”招かれ、自分のための席と食事を用意してもらえること” が相手からの温かいウェルカムの形であとなるのでしょう。ウェルカムされることがその人の居場所を与え、お互いを人として認めることに繋がるのかもしれません。それは平和に暮らす私たちの中で常に当たり前のことかも知れませんが、とても大切な瞬間、瞬間なのです。
 カトリックの聖書の中にイエス様が様々な人を食卓に招かれるお話が出てきます。彼は当時人として認められない人;罪人徴税人・律法学者(当時嫌われてた)を食卓に招き、また招かれるとそれを受けました。彼らを人として認め、愛されたのだと思います。また、娼婦、重い皮膚病を患う人とも心から接し、癒されました。
 今回の旅の様々な出会いの中で私たちが食卓に招かれた喜びに感謝したいと思います。そして私も、これからいろんな意味で人々と”共に食卓を囲み”また”人々と共に分かち合って”いきたいと思います。

 今回のメンバーの中には私の小学校1年生から大学(寮まで一緒!)の福田さんが来てくれていました。彼女は2003年第一回ハロハロ会チャリティーコンサート呼びかけを行った人です。
彼女のハロハロ会参加はちょうど2002年のクリスマスバザーのときに手伝ってもらおうと声をかけたのが始まりでした。この日は忙しい中駆けつけてくれたものの、もうバナナケーキ売り切れで終わってしまっていたというスタートでした。せっかくだからと一緒にキャロルを観に行ったのを覚えています。「今度はぜひミーティングにおいでよ。」 それから毎月顔を合わせて、10歳下の学生さんから10年上の先輩達がいる中でいろんな話をして分かち合い、気が付けば彼女はすっかりハロハロ会のアクティブメンバーになっていました。
どちらかというとゆっくりなタイプで穏やかな性格の彼女ですが、チャリティーコンサートの企画が立ち上げてから、出演者への依頼、プログラム、広報、だん取り、すべてをてきぱきとこなしたのでした。ハロハロ会のメンバーも彼女の頑張りにずいぶん励まされ、皆で力を合わせて頑張れたように思います。
そんな彼女が今回フィリピンに来てくれたことは私にとって大きな意味のあることでした。幼いころからの大切な友人と自分が大切にしているものを共有できたこと、改めて理解しあえたこと、これが私にとって今回の大きな喜びでもありました。
 また、同級生といえば、現在マニラに旦那様と暮らしている井上さん(不二卒)もモンタルバンのコトレンゴ、SMSF分かち合いに来てくれました。彼女は1992年に体験学習でフィリピンに来て、公衆衛生学と出会い、大学卒業後アメリカ・ミシガンで公衆衛生学を勉強し、現在DOHで働いています。4月には旦那様のお仕事の関係で日本に帰国予定ということで残念ですが、今回同じ体験をした仲間が現地で活躍し、こうやって同じ地で集まれたことはとても嬉しいことでした。
 そして彼女達だけではなく、今回参加してくれた氏田さん、大野さんとも共に良い体験ができたことを感謝します。
 彼女達それぞれの心にフィリピンの人々が生き続け、共に繋がっていけることを願います。彼女達が目にしたもの、出会った人、心に響いたものはこれからの様々な人生の選択のなかで影響するだろうと思います。いろんな意味でそれぞれが目にしたこの”世界(社会)の現実”から目をそむけることなくそれに向かっていっていってほしいと思います。

     

2004年2月20日〜26日「ハロハロ会 リピータツアー報告」

貯金プロジェクト

栄養失調の子供達への食事プロジェクト

SMSFエリア訪問

ヘルスセンター