出発の日

 

出発は30日の朝である。前日までの予報では雨が降るといわれていたのだが幸いなことに雲が空を覆っているだけであった。とはいうものの大阪空港に午前7:00の集合ということもあり外は真っ暗でよく見えない状態であった。

空港までの移動は阪急電鉄と大阪モノレールであった。前日までに電車に乗り込む時刻まで調べていたこともあり、それぞれ定刻どおりの電車に乗り込み、モノレールに乗り換える頃には4人全て集まることができた。これから始まる旅を確かなものにするための最高のスタートであった。

空港に着いた我々を迎えたのはポケモンジェットであった。話には聞いたことがあり、また写真等で拝見することはあったものの搭乗するのは初めてであり童心に返るような感動を覚えた。しかもこのポケモンジェットは国際線専用のものらしく国内を飛んでいるものと違っていた。これだけでも出発から盛りだくさんの出来事であったが、さらに幸運なことに成田空港までこの全日空機のビジネスクラス席に座ることができた。エコノミーとは訳が違い快適な約1時間の空の旅を満喫。しかし残念ながら先ほども申し上げたとおり雲が空を覆っていたためあまり地上を見ることができなかった。しかし広がる雲海をみることで我慢した。

しかし、この旅の唯一無駄とも取れる時間が成田空港についてからホノルル空港行きのユナイテッド航空機に搭乗するまでの8時間であった。グランドホストに尋ねても有効な時間の潰し方が見つからず、結局、空港からでることなく時間をつぶすことにした。

こんな平凡な時間の間にも事件は起きるもので、まずカメラの電池を交換しようとバッテリーカバーを開けようとした1名が機内の写真のおさめられていたフィルムが入ったままのカメラを開けてしまい・・・この旅の記録を撮ろうと各自が用意したカメラ計4台のうち2台がこの成田空港で使用不可能となった。これまで順調すぎた旅のつけが早くも返ってきたようで一瞬不安になるが開きなおり気分を取り戻した。

ユナイテッド機に8時ごろの搭乗となりその後すぐに夕食となるので適度なころあいに食事を済ませる必要があったのでタイミングを見計らってわれわれは日本を離れる記念にカレーを食べることにした。このときに知ることはなかったが後に夕食のメニューがチキンカレーか牛肉料理とわかり、4人とも即座に牛肉料理を選ぶことができたのはこのカレーを食べたおかげであった。と、どこまでも前向きなようであるが、はっきり言って夕食のメニューを見たときは思わず笑ってしまった。 

さて舞台はいまだ成田空港である。そのとある喫茶店めいたところでカレーをつつきながら、これからの旅について語りながらいつしか飛行機に搭乗する時間が近づいたことを知った。 

機内にはいるとエコノミー席に案内された。座席の配置は外側からそれぞれ通路をはさんで3席・4席・3席という配置で、われわれは外側の3席のところに窓側から二人ずつ前後に座ることになった。この時期のホノルル行きは少し余裕があったためか3席あるうち1席は空席のままだった。すなわち、われわれの横にだれも座ることなく比較的ひろい空間を確保できたのであった。エコノミー症候群が騒がれていたので、ひとまず動きの取れる空間を確保できたのは良いことであった。 

ハワイまでの飛行時間はわずか6時間足らずと知らせがあった。これは偏西風の影響で、往きは上空の風に乗って西から東へ飛ぶため短時間のフライトですむのである。しかしながらこれは帰りのフライトが9時間ほどかかるということを同時に意味していたのである。

さて料理が運ばれ、とりあえずビールを頼みこの旅の実現にまずは乾杯。さらにこの旅に参加できなかったもう一人の友人のいると思われる日本の方角に向かって乾杯。牛肉の煮込み料理が振舞われ、サラダにはサウザンアイランド・ドレッシングが用意された。サウザンアイランドはさりげなくリゾートを演出していたかのようであった・・・、とはいっても機内食は機内食、あまりそれ以上の感動を求めてもしかたのないモノである。 

さて、ユナイテッド航空の機内サービスの名物ともいえるのがスターバックスのフラペチーノである。しかもここで出されるフラペチーノは缶入りである。スターバックス・ファンの皆様、ぜひユナイテッドに乗られる際は、飲むのとは別に頼み、記念品としてとっておくことをオススメしますよ。 

そうこうしているうちに、久しぶりの早朝からの行動に疲れが溜まっていたのだろう、眠気が自然と私を襲ったのである。いくら隣がいないからといってやはりエコノミーは狭い。結局、睡眠時間は2時間ぐらいしか取れなかった。

目覚めると朝食の時間で、客室乗務員の女性の方が、機械的に朝食を配っていた。なんとか朝食の時間に起きることが出来た私は眠たいながらも朝食を完食。ふとモニターを見上げるとオアフ島はもうすぐそこであった。航空事情に詳しい友人の一人が客室乗務員と交渉して約束したとおりわれわれはハワイに近づいたこの時に空席のあるビジネスクラス席に移ることを許された。

案内されたそこは別空間であった。フルリクライニングをしても余裕のあるこの余裕は何だ?とりあえず窓際の席を確保して窓の外をながめることにした。青みがかった暗闇の中をうっすらと紫化粧した雲が適度に空を覆っていた。その雲が少しずつ、しかし確実に近づいてきて、気が付けばわれわれは雲の中を突き進んでいた。雲を通り抜け地上の様子がうかがえるほどになった。そこには夜明け前のホノルルの街がみえた。相変わらず青暗い夜空ではあったが街のオレンジ色のライトが照らしていたせいか明るくなっていた気がした。いや、そうではなくもう夜明け前であったのだ。時刻は6時過ぎだったろうか。

そんな状況を楽しんでいるうちに空を切る音が幾分かうるさくなったような気がした。機長のアナウンスがあり、ユナイテッド827便は着陸態勢に入った。もう5分もすれば着陸だ。着陸の衝撃を覚悟していたが、どうだろう、地上をタイヤがなでるようなパーフェクト・ランディングであった。乗務員の好意で(これも友人の交渉によるものだが)われわれは航空機の停止後、機長にあうことを許可された。

見事な着陸を魅せた機長に、まずは快適な空の旅に御礼を言った。機長は謙虚にそれを受け止めた様子であった。渡航の目的を訪ねられ、われわれは卒業旅行に来たことを告げ、さらにこれからホノルル経由でマウイ島に飛ぶことを話した。副操縦士は以前ハワイ国内を専門に飛ぶ航空会社の操縦をしたことがあることを話してくれた。ハワイ事情にくわしそうな彼にマウイ島での見もの等を伺った。楽しい一時をコックピットで過ごし記念に写真などをとった。そして入国手続きをしにわれわれは航空機をあとにした。

 

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