雨の匂いのする街
あなたに呼ばれた気がして振り返る
色取りどりの傘にあふれた街角
人の流れに逆らえば 私は一人
人の声や車の音
あなたの足音が聞こえない
見失った後ろ姿を いつまでも探して
私はいつからこんなに弱くなってしまったのだろう
涙の止め方さえ忘れてしまった
壊れても捨てられないおもちゃを
大事そうに抱えたままうずくまる
小さな子供のように
この街に
あなたは確かに居たのだと
胸の痛みは訴えるけれど
あなたに届く言葉を私は持たない
唐突に 物語は終わりを告げて
あなたの心のドアをノックする手は
凍りついたまま
歩き出せば
またあなたに呼び止められる
そして私は
耳に残る響きを追いかける
いつまでも この街で
あなたと雨の匂いのする
この街で