月も一人



今宵の月は朏魄月ひはくづき
広場に集まる猫の目に
灯りあかりともして 映りこむ
カリンと私の 胸を刺し
一人で天の 影となる


今宵の月は上弦じょうげん
心引き裂くゆみを張る
髪梳きとかし べにひけど
破れ鏡に見る背中


今宵の月は望月もちづき
逢い見る姿 目で追わん
幾枚重ねた日めくりの
今日も待ち宵 過ぎ行きて


今宵の月は雨夜あまよ
常世とこよに開く花びらの
水面に薄き 匂いたつ
月よ お前も一人なら
我が身照らして 誰を待つ