英語の勉強法
−松本亨著「英語の新しい学び方」を読み直す。−
1.「英語の新しい学び方」の紹介
英語の学び方に関する本はたくさん出版されていますし、私も数多く読んできましたが、講談社新書から出ている「英語の新しい学び方」ほど味わい深い本は他にないと思います。「英語の−」は、1965年初版発行と古いですが、著者の平易な語り口の奥に、英語学習の真理が隠されているようで、私は初心に返りたくなったときにはこの本を読み返しています。著者の松本亨先生は、NHKのラジオ英会話講師を22年間続けたという先生で、「英語で考えなければ英語は話せるようにならない。」といって、40年程前の英語教育会に有名な論争を巻き起こした人です。
この本は、極めてチャレンジングです。私は高校時代にこの本に始めて出会いましたが、いまでも松本亨先生の挑戦を頭に刻みこんで、英語の学習を続けています(途中寄り道はたくさんありましたが。)。いくつか、松本先生の挑戦を抜粋してみましょう。
「1日にすくなくとも、まとめて3時間は英語を読んでください。これはいい文章だ、これは役に立ついいまわしだと思うところは、下線を引いておきます。」
(まとめて、というところがポイントです。リーディングにはスタミナも重要です。)
「つぎに書くことです。書くことを怠っては、とうてい英語の力はつきません。このほうは、1日に1時間で結構です。読書をしていないときは、書くことを考えていてください。」
(1時間に何語書くべきか、については、後の方で出てきます。)
「聞くことも怠るわけにはいきません。英語放送は1時間ぐらいかけっぱなしにして聞いてください。」
(これは、最近では珍しいアドバイスではないでしょうが。)
以上は、松本先生が「もしあなたが社会人なら」、と題してどのように英語を勉強していくか、提案しているものです(192ページ以下)。私もサラリーマンですが、結婚して家庭も持っていますから、残業も家族サービスもして、1日5時間も勉強できるか?と思います。しかし、本気で英語をマスターするには、このくらいの量が必要だよ、と松本先生は率直に告白しているのだと思いますし、私も真摯にこのチャレンジを受け止めています。
どのくらいの英語能力を目標にすべきなのかについても、松本先生は、チャレンジングな目標を設定してくれています。
「(留学するなら)むこうで大学の3年にはいって、アメリカ人の上位の学生と同じにやっていけるまでになりたいものです。
具体的にいうと、1週間に10冊(3500ページ)の参考書を読み、タイプで15頁のリポートを書く能力と、一晩に1冊(350頁)の参考書をこなして、翌日、教室で教授をまじえて議論できる能力と、人の前に立たされて、少なくとも15分間原稿なしにまとまったことの言える能力とがあればいいでしょう。」
「今、1時間にどのくらい書けますか。500語ですか。600語ですか。
書くほうは、1時間に2000語が目標です。わたしは、旧制の専門学校の2年(今の大学の1年)のとき、50分の授業の英作の時間に、わら半紙6枚、約1500語書いていました。
そんなに書くことはありません、とはいわせません。一日にしたことをつづるだけでも、2000語ぐらいは必要です。苦しまなければだめです。」
(松本先生、本当に2000語ですか。私は現在1400語が精一杯です。)
以上は、「もしあなたが大学生なら」と題した一節から抜粋したものですが(194頁以下)、眠気が吹き飛ぶ厳しさです。しかし、本気で長い時間をかけてチャレンジする価値がある本だと思います。
「英語の新しい学び方」は、最近本屋であまり見かけなくなってきています。ひょっとしたらもうすぐ絶版になってしまうかもしれませんが、興味のある方は読んでみてください。
2.具体的な勉強について
松本先生の提案は、実際になかなか実行できないからチャレンジングなわけですが、以下に、私が実際にやっている工夫を少しご紹介します。
(1)「TOEIC
TEST英語学習ダイアリー」(丸善株式会社)を使って勉強時間を管理する。
慣れてくれば、普通の手帳でも記録をつけることが出来るのでしょうが、私は、5ヶ月前からこの本を使っています。私は松本先生が、リーディング3時間、ライティング1時間、リスニング1時間といったのは、経験から導き出したなかなか含蓄のある勉強時間の割合ではないかと思っていますが、ダイアリーを使って自分の勉強時間を記録してみた結果、自分の思っていた以上にライティングの時間が不足していることがわかりました。
このように、この本は、勉強時間を記録し、分析することによって問題点があきらかになり、また、励みになります。
なお、ダイアリーの記録でわかったことは、私の正直なところの勉強時間は、松本先生の勧めにはるかに及ばない、週平均約15時間、月平均60時間と言ったところです。また、ライティングよりリーディング、リーディングよりリスニングと、楽なほうへ人間が流されていくのがよくわかります。
(2)インターネットフォーラムに書き込んで、ライティングの時間を増やす。
勉強時間を分析した結果、圧倒的に不足しているのは、ライティングの時間だということがわかりましたが、日記のように一人でこつこつ書くだけでは、どうしても長続きしませんでした。やはり、読んでくれる人がいるからこそ書き甲斐もあるというものです。それに、日記を一人で書いているとトピックが偏ってきます。
そこで、インターネットフォーラムに書き込んでいます。ひとつのメッセージは普通200語くらいまでで、それを超えると長いと感じます。したがって、たくさんの語数をこなすには、たくさんメッセージを書く必要があります。最近これを始めたばかりで、いろいろなフォーラムを探しているところですが、「Dave's
ESL Cafe」は、いろいろなフォーラムがあり、今のところ気に入って書き込みをしています。