北海道日記part3

 

 様々な問題はあったが、何はともあれ、我々は、ついに函館空港に到着し、無事に北海道に上陸したのであった。
心配されていた大雪も、機長が気合で乗り切ったらしい。ともあれ、旅行自体の消滅はなくなったわけだ。
そんなわけで、早速、観光に向かおうとするが、
またしてもZが、
飛行機にPHSを置き忘れるというファンタジスタでもできないようなキラーパスをだしたため、
空港内で余計な時間を食う。  
やれやれである。一同、もはや文句もでない。  

空港を出て、外に出ると、やはり雪がちらついていた。
そしてやはり、寒かった。
お約束のように
「さみぃ〜、さみぃ〜」を連発する、一同。
そして文句を言いながらも観光に向かうことにした。

まず、最初に向かったのは、
トラピスチヌ修道院である。
空港からの距離は、約2kmだが、バスを待つのはかなりのロスになるため徒歩で行ったために、
時間もかかり、山の上にあるので、けっこう疲れる。

まして、3月とはいえ、北海道の道は、凍って滑りやすく、歩きにくいものであった。
そこで、我々は、
「誰が、この旅行中に転ばずにいられるか!」
という勝負をすることが
暗黙の了解となっていた。
くだらない勝負だが、男というやつは、けっこうこいった事にムキになるものである。
そういった勝負をしつつ、我々は、とりあえず、目的地のトラピヌチス修道院へと向かったのだった。
  目的地までは、あと1キロメートルとなり
誰もが、
「まぁ、こんなに早く転ぶやつもいないだろう」と思っていた時のことだった。

後ろから
「ウワーッ?!」という声がした。

振り返ってみると、なんと
が、凍った道路に滑って、転んで、道路にひざまずいているではありませんか!

その時のHの目は、
「なんで、なんでオレなの?うそでしょ?」と訴え、呆然とした表情をしていたが、
後悔してもすでに遅く、北海道に着いて、わずか30分、早くも
リタイア予選敗退負け犬
きん肉マンで言えばミートくんとなってしまったのであった。
Hのその打ちひしがれた姿は、雨の日に捨てられダンボールに入った子犬を連想させるものであった。  

目的地のトラピヌチス修道院にやっと到着。ここは、西洋の古城を思わせるような赤レンガ造りの女子修道院であった。
我々は、院内のマリア像や天使像を見たり、資料館で修道院の歴史や、
現在も院内で生活する約60人の修道女が献身の毎日を送っている事などに感動しつつ、
普段、
荒みきった心を洗い流し、トラピスチヌ修道院を後にしたのだった。

感動を胸に抱いて、トラピスチヌ修道院を後にした我々だったが、その直後、天候が悪化し始めた。
雪がちらつきはじめ、風が強くなってきた。
そのため、予定していた観光を中止し、泊まるホテルに近い、函館の朝市で昼食をとることにした。
しかし、朝市に着いた頃、天気は大荒れになっていた。雪だけならまだしも、風が非常に強くなってきた。
顔を上げることが出来ず、雪と風によって体が
雪だるま状態になって急速に冷えていき、震えが止まらなかった。

さっきの修道院できれいになった心も、寒さと空腹であっという間に荒んでいき、みんな軽く不機嫌になり、
Zに八つ当たりしつつ、ようやく昼食をとり、なんとか落ち着いたのだった。    


ホテルでチェックインを済ませ、しばらく休憩した後、天気が回復したので再び観光へと向かう。

我々は、様々な観光名所に立ち寄りながら、函館を旅行する人が必ず訪れる立ち寄るという観光名所、
函館ハリストス教会を目指すことにした。
普通なら、何事もなく終わる観光で、
またしてもZが事件を起こすことになった。    

それは、
旧函館区公会堂という所を訪れた時だった。道を確かめようと坂道にあった案内の看板を見ようとした時だった。
その看板を見ようとした
Aの左足に、滑って転んだZの右足が強烈にヒットしたのだ!
後ろで見ていたKがすかさず、こう叫んだ。

「アリキックだっ!!!」


一同はその発言に感心したかのようにうなずいた。
まさしく
あのアリキックである。
(アリキックとは、約20年前、あのアントニオ猪木が、当時のヘビー級の世界チャンピオン、モハメド・アリと対戦した時に、
相手がボクサーであることをいいことに、相手のパンチが当たらないようにリングに寝転んだままの状態で、
キックを繰り出したという、卑怯極まりない伝説のキックなのである!)

そのアリキックを、約20年のときを超え、ここ函館で、Zが偶然にも復活させたのだった!    

Zのアリキックをまともに受けたAは、痛そうに左足を押さえ、
「お前、俺のこと転ばせようとして、わざと蹴っただろう!汚い男だ!」とZをなじった。

それに対して、Zは、
「わざとじゃないよ〜!転んだ拍子で、つい、足が出たんだよ〜。」と、必死に弁明したが、
実際、してしまったのだから、Zの得意の言い訳も通用するはずもない。    しかし、Zという男は、どこまでもネタを提供してくれる男である。
彼は、旅行前に、
「俺は、雪国育ちだから、絶対ころばないよ〜。」と自信たっぷりに公言していたのである。
しかし、実際は、ブザマにも、おもいっきりコケ、なおかつ人にケリを食らわせたのである。
しかも、
最もしてはいけない人物にである!    

案の定、痛みが引いた後もAは、Fとともに      
    
「あー!痛い!痛いです!先生!どうですか?」   

    
「あー、だめだね〜。これは骨が折れてますね〜。」
          
    
「えー!そんな!」    などと、小芝居をしながら、Zを精神的に追い詰め、こうしてZは、さらに立場の弱い人間となったのだった。
この事件は、
函館アリキック事件として、今も、我々、元4年男子の記憶に深く刻まれている・・・。



今回も、またしても、Zの登場が目立ちますが、
前回同様、彼に、問題行動が多いからです。
懲りずに読んで、リアクションして下さい。
よろしくお願いします。

        present by 流浪楽団