北海道日記PART4

 

アリキック事件がトラウマになりながらも、次の目的地に向かって力強く歩き出す一同。
とりあえず、腹が減っては戦はできぬと、夕食を取ることに全員一致の様子。
旅行に出かける前から食べたいと皆が願っていた、
「北海ジャンジャン」という斬新な料理を出す店に行くことになった。
「北海ジャンジャン」とはご飯の上に北海道の新鮮な海の幸が乗っており、その上に特製汁をぶっかけて食べる
男の料理である。

本で調べたとおりの住所に到着。そこで一同を待ち受けていたのは同じ名前の別の建物2つだった。
1つは僕らには越えられそうもない敷居の高い日本料亭、片や普通の店構え。
暗黙の了解で、敷居の高くないほうに足を運ぶ一同。男の料理なんだから、上品な店では出さないよね、多分。
6人全員が「北海ジャンジャン」を注文するおのぼりさんたち。
料理が運ばれてきた。それをむさぼる、お腹の減っているハイエナ5匹とアザラシ一頭。
けど、運ばれてきた料理を見て誰もが思ったはず「写真と違うっ!!」ってね。

店を出て一同を待っていたのは、極寒の大地と突撃してくる雪でした。
当初の予定では函館山から見える百万jの夜景というものをこの眼に焼き付けるということでした。
ですが、猛吹雪でロープウエイもギリギリ運行しているのが現状。
さてどうするか?
勢いだけが持ち味の僕ら、後のことは知りません。
揺れるロープウエイに乗って、
「あそこに赤カブトがいる〜!」
「キタキツネみっけ!!」
などとハイテンションな雪だるま達。
やっぱり山の上に登っても雪は降っているわけで、むしろ強くなっているわけで。
とおさん、函館の山は僕らに景色どころか雪しか見せてくれなかったよ〜。

山の厳しさを痛感し、函館山を後にして、一杯呑もうということになった。
赤レンガが立ち並ぶ函館の一角、その店はあった。というよりその店しか開いていなかったのだ。
北海ジャンジャンだけでは雪だるま達のお腹は満たせなかったようで、魚介類を中心に出てくる料理たち。
そいつらを黒ビールで流し込む。
新鮮な海の幸達により、魚は食べませんというHはそこで、トラウマ克服も果す!!
ラストオーダーまで居て店を後にする。

お腹いっぱいで元気になった僕らは、通常業務であるかのごとく、Zに雪球をぶつけ始める。
戦場はある趣のある橋の上、夜だから車も少なく車道での戦いが中心。
ちょうど下り坂に差し掛かったところで、事態は急変した。
雪球を投げたKが投げた勢いで転倒したのだ!
初日にして早くも三人目の犠牲者が出てしまった。恐るべし北海道。
それを痛感した兵達の士気も下降し、一同はホテルに帰ることにした。

旅行2日目、その日は前日とはうって変わって見事な晴天、実に穏やかな天気だった。
しかし、そんな穏やかな天気とは関係なしに、この日も様々な事件が起きたのだった・・・。


ホテルの朝食はありがちなバイキング形式だったが、なぜか美味しい。恐るべし北海道。
一同こんなに朝から食べたことありませんというぐらい食べる喰う飲み干す!!
よほどご飯が美味しかったのだろう、Nはゆで卵と勘違いしてか、それとも、何か考えがあるのか、生卵を持ち帰っていた。

我々は、その後一晩お世話になったホテルをあとにし、五稜郭へと観光にでかけた。

五稜郭に隣接する五稜郭タワーの展望台に足を運び、とりあえず有名な五稜郭の星形の姿を見ようとした。しかし、展望台から見た五稜郭の姿は、雪に埋もれているうえ、展望台の位置が低いので、まったく星形の形が分からない実に微妙なものだった。一同、「この時期に観光に来るのは間違いだったのでは・・・」という疑問を打ち消すように、必要以上にはしゃぎ、見事なおのぼりさんとなる。
そんな微妙なテンションを維持したまま、我々は、とりあえず、五稜郭の敷地内へと入っていった。敷地内も見事に雪に埋もれ、入り口付近から歩くのに苦戦する。
そんななかZは、またもみんなの和を乱し、「あそこから見える景色が見たい」とマイペースに、
高台に上り写真を撮ろうとしていた。
しかし、そのように背中を見せてのんびりと歩くという行為は、 明らかに自殺行為である。
当時で4年間も友達付きあいしてきたのだから、我々がどういう行動をとるか分かりそうなものだが、
この男は、常にスキだらけな行動をとる。
というより、ワザととしか思えない。中国の偉大な策略家、諸葛孔明もこう言っている。
「決して、高台に布陣してはいけません」
そんなZの姿を見て、誰とはなしに雪球を作りはじめ、Zめがけて投げ始める始める。
Zも慌てて応戦するが、兵力差は5対1、雪球を当てられ続けたちまち雪まみれとなる。
それはまさしく死闘!!というよりは的当て。


五稜郭は、明治時代初め、明治政府軍と土方歳三ら率いる旧幕府軍が戦った函館戦争の舞台となった場所だが、
雪球を当てられ続け、高台へと敗走していくZの姿は、旧幕府軍もこんな感じで、必死に戦い、敗れたのだろうと想像させた。
たぶん、ここまでブザマな姿ではないにしても。

雪上で、転んで雪まみれになったZの姿はまさにアザラシそのもの。
しかし、このアザラシは少しも可愛いらしくなく、心を和ませてもくれない。そればかりか、どういうわけか我々の攻撃性を加速させていくだけである。
今年の夏に多摩川に現われたタマちゃんとは天と地ほども差がある。
 話は変わるが、あれほどタマちゃんが人気があったのは、やはり都会に急に現れたという意外性のためだろう。
タマちゃんが、普通の水族館にいても客にスルーされしまうが、汚い都会の川に現われるだけで、評価が格段に上がる。

このアザラシ(Zのこと)にも、そんな高い評価が与えられる多摩川のようなユートピアを人生の大半かけて探してもらいたい、と書いていて急に思った。しかし、タマちゃんは本当に可愛いかったね。