北海道日記6

 

 

館駅に到着した我々は、札幌行きの特急電車へ乗り込んだ。
出発時間までは余裕があったため、車内は空いていて、我々は悠々と座ることができた。
そうしてあとは電車が動き出すのを待つていた時だった。いきなりNが
「ウオッ!?」という叫び声を上げた。
驚いてNの方を見てみると、彼はバッグを片手に持ち、もう片方の手の指先が黄色く染まっていた。
よく見ると、Nの指先を黄色く染めていたのは生卵だった。何故、こんな所に生卵があるのか一同疑問に思ったが、どうやらその日の朝にホテルの朝食に出された卵を彼は今までずっとバッグに入れて歩いていたようだった。
そしてその卵が、Nのバッグの中でいつの間にか割れてしまっていたのだった。   
 えー、この事件に関しては、某社長に
「この事件のことは面白く書いてくれよ。あれは俺のなかではビッグサプライズな事件だったからね。」と言われていたんですが、結論から言うと面白く書けません。(えー)  
 社長、許して。だって、卵がバッグの中で割れただけの事件をどうすれば面白おかしく書けるんですか?
その場にいた当事者たちにとっては、確かに面白かったけど、文章にすると全然面白くならないんだよー!
これでもモニターの前で20分くらい悩んだよー!書けないものは書けないんだよー!!  
 と、逆ギレはこのへんにしておいて(えー)、とにかく、その場にいた当事者たちにとってはそんなビッグサプライズな事件がありつつ一同は、電車で札幌へと向かったのでした。  
 

札幌までは3時間弱かかるため、我々は暇を持て余していたが、Z、K、Hの3人は早々と寝てしまった。そんなZの寝顔を見て彼の真向かいに座っていたNは、「こいつの寝顔を見続けるというのは、ある意味拷問だな。」とかなり失礼なことを言った。
しかし、確かにZの寝顔は、見ててもあまり楽しいものではないので、起きていたAとFはNの言葉に同意して、大声で笑ったのだった。  
 すると、いきなり寝ていたZが不機嫌そうに目を開け、
「俺の顔はそんなに不細工か!」と激しく怒り出す。
あまり激しく怒ることがないZが、めずらしくすごい勢いで怒ったため、3人は、驚き、Zの次の行動に対して軽く身構えていた。しかし、Zは、その後何事もなかったのように再び眠りについたのだった。  
 今から考えてみると、このときのZの行動は、自分の顔をバカにされたということより、単に寝ていたのを邪魔されたので激しく怒りだしたのではないかと考えられる。周知のことであるが、Zは
何よりも睡眠を愛する男である。
そんな睡眠を愛して止まない彼の卒論は、「明晰夢について」というものであった。その彼の研究のために、我々は被験者として眠るように協力を求められることとなったが、誰一人としてうまく眠れず、Zがデータが集まらずテンパッていたことを思い出す。あのときは、みんな「お前自身が被験者になれば、いくらでもデータが集まるよ。」と心の中で思っていただろう。      

   そんなことがありつつ、ようやく我々は札幌へと到着した。到着した時にはすでに遅い時間になっていたため、我々はホテルに荷物を置き、夕食に本場の札幌ラーメンを食するために、札幌の街へと繰り出したのだった。  
 前もって決めていたラーメン店へと向かうために、雪が激しく降り続ける寒い札幌の街を歩いていく。
途中のススキのでZが風俗店の呼び込みのお兄さんに、しつこく誘われるZが慌てふためくということ以外は特に問題も無く、目的の店についたが、運悪くその日は定休日であったため、仕方なく別の店へと向かった。  

しばらく歩き回った後、適当に決めたラーメン店に決め、我々は店内へと入っていった。    店内に入りカウンターに座ったのだが、麺をすさまじい勢いで茹でているために、湯気がまともに我々の顔にかかってくる。
Z、F、Aはすぐに眼鏡が曇るため、眼鏡をかけていられないほどだ。単なるイヤガラセにしか思えない。
ここの店主は、暗に我々に帰れと言っているのではないかと言う疑念さえ湧いてくる。それでも、とにかく味がよければいいので、その店のお勧めである味噌ラーメン、ネギ味噌ラーメンを注文した。
容赦の無い湯気の熱気にさらされながら待つこと15分ほどで、注文した品がでてきた。期待に胸を膨らませながら、麺をすすり、スープを飲む。    ・・・微妙です。たいして美味しくも無ければ不味くもないというリアクションに一番困る味です。
さらに、まずくはないのだが、スープがむやみに辛すぎます。そのうえ、スープが熱すぎるので全然、食が進みません。どうやらこの店は、はずれだったようです。それでも、みんなお腹は減っているので、必死に食べすすめていったところ、その様子を見て、うまそうにラーメンを食べてると勘違いした店主が、
「いやぁ、うちのラーメンはうまいでしょう?」と話し掛けてくる。
本当は、うまくもなんともないが、小市民な我々は、愛想笑いを浮かべながら、うまそうにラ―メンを食べるフリをするのだった。
そうして、辛いだけのラーメンを食べて店を後にし、旅行2日目は過ぎていったのだった(えー、まだ2日目なの?もう書けない・・)。    

 旅行3日目、我々は、小樽へと出かけた。この日は晴天で、小樽の街を散策するには絶好の天候であった。
我々は前もって決めていた通り、小樽オルゴール堂と北一ガラス館へと向かった。
我々をよく知る人は、そんなロマンチックな所は似つかわしくない、と思うかもしれない。事実、私もそう思う。
これは、出発前にFが、なんとなくオルゴールを買いたいからというワガママな理由でそうなっただけである。
しかし、同じく出発前に、ニシン漁で儲け、ニシン大尽と呼ばれた人物が建てたというニシン御殿に行きたい、と主張したZよりはマシな意見だと思われる。正直、何故、Zがそんな成金が建てた家を見たかったのか、今でもよく分からない。