でんちゃんの「レ・ミゼラブル(あぁ、無情)」


 7月10日に久しぶりの水泳大会に出かけてきました。
今回の近畿大会は大阪の堺で行われると言うことで朝の5時起きで
阪急電車から南海電車に乗り継いで二時間かけて行ってきました。
いや〜、電車に乗っている間はボヤ〜と過ごし、乗り継ぎの時は駅員さんに
手引きをしてもらっての移動ですので変に考えたり:笑:確認したりする
必要もなく楽チン楽チンなのです。
目的駅の改札でお願いしていたガイドヘルパーさんと合流していざ会場に
出発〜!
シャトルバスに乗り込んで、ものの10分もしないうちに到着。
あらあら、こんなに近くだったとは:笑:。
それにしても、こんなにスムーズにことが運んでいいのでしょうかと
心配になってしまいますね。
会場に着いて、先ずはクラブの人のところに寄らねばと控え質の体育館に
いきました。
今回から今まで所属していたクラブから新しいクラブに移籍しましたの
です。
知らない人ばっかりなのでそこにいるつもりもなかったのですけど、
監督さんさんらしき人からスタートについての注意を受けましたのです。
今回の大会ではスタート台からの飛び込みではなく横からの飛び込みと
なるだとか、コース台の右側でセットするだとかの指示をうけました。
それはそれでいいのですけど、なぜにこれほど喧嘩腰で説明するので
しょうかねぇ?
基本的に大人しい私なのですが:笑:「喧嘩売ってんのかいっ?」と思って
しまいましたですよ:爆:。
プログラムと参加賞をもらってとっとと場所を移動。
ウォーミングアップは時間的に間に合わないとわかっていましたが
早い目に用意しておいたほうが落ち着けるので更衣室に直行。
ガイドヘルパーの方が女性の方ですので流石に一緒に入ってもらう訳にも
いかず入り口で分かれ、杖を片手に手探りで更衣室内を進みロッカーへと
辿り着きました。
荷物をロッカーに入れるといちいち取りにこなくてはいけませんから
最初から入れるつもりもなく、着替え終わって荷物をまとめ、
さて行こうかと辺りを探っても、立てかけたはずの白杖がないっないっないっ
ないったらないのです!
倒れているのかとロッカーの下を探ってもないっ、きっとロッカーの隙間に
嵌まり込んでしまったのだろうと隙間を探してもそんな隙間自体がないっ。
もしや持って入ったつもりで、手引きの方に渡してしまっているのではと
手探りで外に出て聞いてみても、預かってはいないとのこと。
いったい私の白杖はいずこにいったのやら・・・。
とりあえずロッカーには誰もいないようでしたので、入ってもらって
着替えていた辺りを見てもらってもやはりないっ。
そうそう探してばかりもいられませんので、会場の役員の方に捜索:笑:を
お願いして入り口近くのソファーに陣取ることにしました。
今回の参加種目は、25mバタフライと50mの自由形のいつもの組み合わせです。
もらったプログラムが点字でしたので、普通のプログラムを買って
大会記録なんかを読んでもらおうと思ったのですが、なんと既に売り切れ・・・。
会場に着いた時に買っておけばよかったです:泣:。
まぁ、そこはそれとして軽く準備運動をし競技にそなえますのです。
そんなに待つ間もなく第一種目のバタフライの召集が始まりました。
毎度のこととは言え競技が進みどんどん出番:笑:が近づくにつれ心臓の
鼓動が自覚され(動悸ですな:笑:)緊張が高まってきます。
「あ〜、このまま帰ろうかなぁ・・・。」
もうそろそろ順番と言うところで帽子を被るために水を浴びたいのですがと
役員の方に言ったところ、手引きをしてちょっと離れた場所に連れて行って
くれました。(シリコン製の帽子は水ごと被らないとうまく被れないのです。)
よくバケツに水を汲んでその場で浴びさせてくれるのですが、よく

ジャグジーや小プールのある所ではそこで浴びさせてくれますので
今回もそうかなぁと思っていたのですけど、なんと連れて行ってくれたのは
足洗い場らしきところ・・・。
いや、どう好意的に考えても、足首までしかない水深だし、まず
シャワーの下で水を溜めて足を洗う場所に違いありませんのです。
「えっ、ここですか・・・?」
と非難をこめて尋ねてみましたが
「そうです。」
と素っ気のない返事。
ってあんた今バシャバシャって音を立てて水の中を歩いていたやん、それに
サンダル履いたままとちゃうん?
それでもしかたなく帽子に水を汲んで、バシャッと被ると、
「えっ」
と役員の驚きの声を私は聞き逃しませんでした。
元の場所に戻ると
その役員の方が
「えっ、このバケツの水使ってよかったの!」
と誰かと話しておられる声が聞こえてきました。
「あんた私が頭から水を被るとは思っていなかっただろう。」
そんなこと、気の弱い私が言わなかったことは言うまでもないですね。
そんなこんなでついに順番が回ってきました。
選手紹介でペコリッと頭を下げ、不本意ながらコース台の横に立ち、
ホイッスルの合図で指先をプールサイドの角にかけて次の「用意」の合図を
待ちます。
きっといろんな音がしているはずでしょうが、私の耳にはなんの音も
聞こえてきません。
「いやに長いなぁ。」
と思っていると、唐突にスターターの声が響いたのです。
「全盲者は水中スタートと言ったでしょっ!」
言ったでしょと言われても、貴方が誰か私は知らないし、言われた覚えも
ないのですけど。
いや、なんとなくそうかなぁとは思っていましたけど、見逃して
くれるのではないかとも・・・。
とりあえず
「え〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ぇっ!」
と不満を表現しながら水の中へ。
片手でスタート台のバーを掴んで両足を壁につけて合図を待ちます。
ドッキン ドッキンと心臓の鼓動が。
乾いた音を立ててピストルが鳴ると同時にバーを突き放し壁を蹴って
勢いよく飛び出しました・・・、のハズだったのですがはっきり言ってまともな
水中スタートなんてここ二十年以上やったことがなかったのです。
思いっきり足が滑っていました。 Oh my god!
わっはっはっはっはっ、全然勢いがついていない!
しかたがありませんから、伸びる閑もなくドルフィンキックを打って
バタフライの体勢に。
わっはっはっ、じぇんじぇん水に乗れましぇ〜ん。
と早々に腕がコースロープと接触。
ちょっと向きを調節してしばらくすると、またコースロープに。
あ〜〜〜〜もうっ!
とりあえず前進、前進するしかありません。
それでも、ひょっとしたらなにかの間違いでいいタイムが出ている可能性も
あるかもしれないかもってことはほとんどないと思いながらも、意外と
なぁんてことが起こるかも知れません!
と一縷の望みを託して泳ぎつづける私の頭に待ち望んでいた合図がきました。
ゴール近くになると棒で頭部を叩いて教えてもらうのですが、いつも
遠慮して軽く叩くにとどめられるのでよく気づかず壁に激突なぁんて
こともありましたが、今回は
「遠慮せず、思いっきり振りかぶってやって下さい」
とお願いした通りやって下さったようです。
いや〜、力 加減って難しいものですね・・・。
両手をタッチ板に叩きつけるように押さえ荒い呼吸のままタイムを
尋ねました。
もちろん、ひょっとしたら意外にいいかも知れないとまだ一抹の希望は
捨ててはいません。
「19秒3です。」
あぁ無情・・・、私の希望などマッチ売りの少女の擦ったマッチの炎よりも
はかなく消え去ってしまったのでした・・・。
はぁ〜〜〜、二秒落ち♪
はぁ〜〜〜、二秒落ち♪
ベストタイムから二秒落ちぃ〜♪
あ〜〜〜こりゃこりゃ、よいよいよい〜♪
いや踊っている場合ではないのですけどねぇ。
それにしても、飛び込みなしで一秒ぐらいは落ちるだろうと覚悟はして
いましたけど、二秒落ちとは・・・。
困ったものである。

 とりあえず次の競技には時間がありますので食事を摂っておこうと
館内のレストランで食事をしてから、もう一度プログラムが余ってないか
聞きに行ってもらいましたら、そこのボランティアの方が持っておられた
ものをくれましたよ〜♪と手に入れてくれました:笑:。
プログラムの中には大会記録の一覧がありますので、早速そこを調べて
もらいました。
変わりはないだろうと高をくくっていたのですが自由形50mでなっなんと
記録を塗り替えられているではないですかぁ!
記録は36秒09!
確か近畿大会の私の記録は37秒12。
うん、別の大会で出した私の自己ベストは同じく36秒90ですから無理な
記録じゃない。
しか〜し、これはコース台からスタートした記録・・・。
今回は諦めたほうがよさそうです・・・。
とりあえず、なぜ視覚障害で飛び込みがだめなのか役員の方に聞きに
いきました。
結論から簡単に言えば競技規則が変わったの一言につきるのですけど
以前に事故があったとか、コース台の横からでは隣のコースとの幅が狭く
なるので隣のコースに斜めに飛び込んだりコースロープにぶつかる危険が
あるとかとか。
・・・そんな奴なら最初から飛び込みなんてしないって・・・・:爆:。
特にプールの水深が1.1m以上ないと飛び込みは不可だとか。
規則が変わったのが会場とかが決まってからだったので、今期はどうにも
ならないが今後は会場の選出も、水深などを考えていかなければならない
とのことでした。
ふぅ〜〜〜でし・・・。

などと書くと簡単に話しが終わったように思われるかもしれませんけど、実は
1時間以上喋っていたりします:笑:。


 さてそんなこんなで時間も過ぎいよいよメインの50m自由形の召集が
始まりました。
さすがに出場人数が多いようで視覚障害者の組も何組もあるようです。
プログラムで、大会記録を持っている人が隣のコースになっていることが
判っていましたからどんな人か喋ってみようと話しかけてみました。
いや〜、話してびっくり!
なんと19歳・・・。
しかもわざわざ岡山からきたとかとか・・・。
と〜れ、と〜れ、ピーチピーチの19歳!
なにも岡山からこんでも・・・:笑:。
とまぁちょっとショックを受けましたが(なぜかはヒ・ミ・ツ)負けるもんかと
闘志も新たに競技に望みます。
今度はちゃんとバケツを用意してくれていましてサッサと帽子を被り
コールとともに水の中へ。
先ほどのスタートは足を滑らせましたので、今度は今度はスタート台の
バーに身体を引き付け、足の位置も高く取り全身の筋肉に力を集中。
シーンとしたプールの静寂を破ってピストルの合図が鳴り響くと同時に
バーを突き放し、壁を蹴っていざレースが開始されたのです。
今度は一度水中スタートを行っていたため、バタフライの時より勢いよく
飛び出すことに成功しましたがそれでも飛び込みの時ほどのスピードは
ありません。
浅く水中を潜り、浮かびかけると同時に水の圧力を感じながら腕を動かし
浮上。
最近の私の泳ぎとして最初から全力でのダッシュに移るのではなく後半の
体力とピッチを考え少し抑えた力で前半は泳ぐのですが、これも生来の
心配性がにょきにょきと頭をもたげてきますので、ややもするとピッチを
上げそうになるのを抑える方が大変です。
ちょっと抑えすぎかなぁ・・・と思いつつも気持ちよく泳いでいきました。
当然のように右のコースロープにぶつかり、左のコースロープにぶつかりと
 毎度のことながら真っ直ぐには泳げないものかと心の中で溜息がいくつも。
それでもザンッザンッと軽快に水をかき、ダンッダンッと水を蹴りターンの
合図はまだかっまだかっとそれだけを頼りに進んでいくと、ドカッと後頭部に
間違えようのない衝撃が!
今回も役員の方は十二分に仕事を果たしてくれたようです:泣:。
壁に片手をつけ、向きを変えて残り半分。
まだまだ体力には余裕がありますが、最初から全力ダッシュをしていた
時も、やはり30m過ぎまでは同じ調子で泳げていたものです。
30mを過ぎてからどれだけピッチを落とさずに泳げるかが私の課題。
相変わらず抑えつつ泳いでいますが、これまた同じようにあちらの
コースロープにぶつかりと燃費の悪いことおびただしい。
私の感覚ではそろそろ残り1/4ほどになった辺り(実際にはどうかは判らないの
ですけど)からそろそろとピッチを上げていきました。
頭の中では、まだかっまだ着かんのか〜〜〜っ!ともうそればっかりです。
と、ドカッとこれまた間違えようのない合図が後頭部に炸裂!
渾身の力を込めて、壁に向かって手を叩き込みましたが、なんと手ごたえがない!
勢いに任せて今度は反対側の手を伸ばすとやっと手が壁に触れました。
ザバ〜ッと緊急浮上した潜水艦のような勢いで身体を起こして、最も
気になるタイムを尋ねました。
「40秒2です。」
ガビーーーーーンッ、1秒ぐらいは落ちているものと覚悟はしていましたが
3秒。落ちとはとは。
自由形で40秒を切らなかったのっていつ以来でしょうか。
そのままブクブクと沈んでいきたい気持ちでし・・・・。
それでもまだ1位という期待はありますので、順位を聞いてみましたのです。
「えっと、2位ですね。」
あぁ無情・・・、最後の望みも断ち切られ本当に水の中に沈んでしまい
ました:爆:。
いつまでも沈んでいてもしかたがありませんから、プールサイドに
上がると、それまで気づいてもいませんでしたが結構足にきていましたし、
呼吸も荒くなっていました。
1位の方は当然19歳の人で記録は39秒7。
こちらも3秒近くのダウン。
う〜ん、飛び込みがないだけで、やはり3秒ぐらいタイムが落ちるようです。

 後は記録賞をもらって帰るだけなのですが、まだ大切な問題が。
そうです、白杖がまだ見つかっていないのです。
さすがにアレがないと道を歩くことさえおぼつきません。
が、それまでも館内中を探してもらっても見つからないのですから
いまさら出てくるとも思えないのも確かなこと。
そこで、なにか適当な棒をと言うことで、1mぐらいの仕切り棒のような
ものを貸してもらって帰りましたのです。
う〜ん、使いにくかったですよ〜・・・。

 と言う訳で、なんだかんだと不満爆発でしたが、それでも手引きの方の
丁寧な対応や、こちらのお願いに快く対応してくださった役員の方々
(一部を除く:笑:)など素直にありがとう〜♪と言える大会でございました。

注、プライバシー保護のため、一部地名、人名などを変更させて頂きました。
                              (管理人)


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