CNNのトマス・ニャールソンです。
ここからアメリカ軍第3戦車大体が見えますにゃ。
前方に対峙しているイラク群陣地にこれから攻撃が行われるところですにゃ。
チュドドォーーーン!
チュドドーーーン!
あぁ、攻撃が始まりましたにゃ。
すごい砲撃の音と煙ですにゃ。
「よし、軍曹いくんだにゃ!
イラク軍の奴らに兵器の威力の違いを見せてやるんだにゃ!」
「アイアイニャーッ。」
「ファイニャー!。」
轟音と伴に戦車の巨大な車体を揺るがし、砲弾が飛び出して行く。
着弾の炸裂音が辺りの空気を引き裂き、次々と敵の陣地を砂煙で蔽い隠して
いった。
「ちくしょう打ってきやがったんだにゃ!」
「いいにゃ、ヤンキーの野猫がいくらやってこようとこの陣地を離れては
いかんのだにゃ!
今はグッとがまんするんだにゃ!
奴らが近づいてきたら突撃するんだにゃ!」
「隊長!奴らが打ってきましたにゃ!」
「あれしきの砲撃、痛くも痒くもないんだにゃ!
ニャハハハハ、皆 安心するんだにゃ。」
陣地前方の砂煙が薄れ始めると、大量のネズミ色をした物がウロウロと動き始めた。
いや、それはネズミそのものだ。
チューチューッ。
チューチューッ。
チューチューッ。
チューチューッ。
「なんだあれはにゃ!
・・・いかんにゃ、全員臥せるんだにゃ! 見てはいけないんだにゃ!」
ムズムズ
「ガッガマンするんだにゃ!」
ムズムズ
チューチューッチューチューッ
その時、一匹のネズミが陣地内に飛びこんできた。
「ウワァー、だめですにゃ!ガマンできないですにゃ!」
一人の兵士がネズミに向かって飛びついてしまった。
「危ない、落ち着くんだにゃ!」
しかし、ネズミは兵士の爪を擦り抜け陣地の外へ走り出した。
「ニャーーー!」
隊長の静止も聞かず、一人の兵士が飛び出すと、それにつられ次々と手にした
ネコジャラシを投げ捨て兵士が陣地から飛び出して行った。
「クソッだにゃ! あんな兵器に惑わされよってにゃ!」
一人残った隊長は傍にある通信機を手にし、叫んだ。
「こちら隊長だにゃ、奴らの侵攻を止められないにゃ!
支援を要請するんだにゃ!」
「よぉし、成功だにゃ。」
戦車内のスコープからは、イラク軍陣地から次々と踊り出し、新兵器の
「チュー太郎2002」に飛びかかって行くイラク軍兵士の姿が遠望されている。
「この「チュー太郎2002」は従来の物が一定の動きをするだけに比べ、人工衛生からの
データー受診により敵兵士の動きをトレースして自在に動き回り、敵を思い通りの方向に
誘導する事ができるのである。
「よぉしにゃ!
一気に制圧するにゃ!」
砲撃の後、敵の動きを見ていた20両の戦車がキャタピラの音を響かせ
陣地に殺到して行く。
「以外と簡単でしたにゃ。」
砲撃手の軍曹がエンジン音に負けないほどの声で指揮官の少尉に
話しかけてきた。
「当たり前にゃっ、いくら地の利があっても、ネコジャラシ程度の
兵器しかない軍隊に負けるはずがないにゃ!・・・ンにゃ?」
スコープを覗いていた少尉が前方、敵陣地の後方から沸き出してきた
煙を視任した。
しかし、それは煙より粒子を荒くしながらブーーーンと言う羽音を響かせ
戦車部隊に襲いかかってきた。
「煙?・・・いや違う?なんだにゃ?
ハッ、あれは!!えぇいにゃ! 奴ら生物兵器を使ってきやがったにゃ!
全車 対生物兵器防御にゃっ!」
少尉の指令の元、各戦車から霧状の物が散布され、次々と襲来者達を
地面に叩き落として行く。
戦車の周りはおろか、陣地に続く砂地は見る間に黒い絨毯を引いたように
その領土を広げていった。
「こちら7号戦車!戦車内に侵入されましたにゃ! たっ助けて下さいにゃ!」
突如少尉のヘッドホンが悲痛な叫び声を吐き出してきた。
「なにゃっ、落ち着け、防御ゴーグルを装着しろっ、目、耳、鼻を
押さえるんにゃ!」
「あぁっ、ダメですにゃ、手が勝手に動いてしまうにゃ・・・。」
少尉が7号戦車にスコープを向けると同時に戦車のハッチが次々と開き
その中からフラフラと出てくる黒い点と、その点を追って踊るように
車外に飛び出してくる戦車兵の姿を捉えた。
「だめにゃっ、ニャワルツネイガー!スニャローン、ニャンダム!っ引き返すにゃ!」
全身の毛を逆立てて絶叫する少尉の声が、虚しく戦車内に響いた。
戦車から飛び出した3名の兵士は、まるで見えない敵と闘うように、いや、
愉しげに踊るかのように、ある時は後足で立ち上がり手を空に向かって振り、
両手を打ち合わせ、ある時は空中高く飛び撥ね、黒い点、それはイラク軍の
放った生物兵器「蝿」を追いかけ、どんどん遠ざかって行ったのである。
「スニャローン・・・、ニャワルツネイガー・・・、ニャンダム・・・、
なんてこったにゃ・・・。
チクショウッ・・・、いつも犠牲になるのは前線で戦っている俺達兵士と、
戦いに関係のない市民達なんだにゃ。
お偉いさん達は、ムービーでもみるかのように安全な所で見ているだけ
なんだにゃ・・・。」
低く呟いた少尉は、まるでそこにこの戦争を始めた張本人がいるかの
ように、拳を叩きつけた。
「・・・少尉・・・しかし、私達がやらなければ、いつか奴らは俺達の国いや、
罪もない一般市民に牙を向いてきますにゃ。
そうなってしまっては、この戦いの何倍、何十倍もの犠牲者が出ますにゃ。
それを阻止するために我々は戦っているんですにゃ。」
軍曹の声が強く、しかし、決して叱咤する口調でなく少尉の耳に届いた。
それまで、激しい炎を燃やしていた少尉の瞳からいつもの穏やかさを
取り戻し始めた。
そして、悪戯を見つかった子供のように軍曹の目から視線をそらし、
「軍曹・・・すまないにゃ。
判っているにゃ、この戦いが善なるものか悪なるものかは後世の歴史家が
判断してくれるだろうにゃ。
我々が今やるべき事は、こんなくだらない戦いを一刻も早く終わらせて、
しまう事なんだにゃ。
これ以上は我々・・・いや奴らからも不要な犠牲者はださないにゃ。
皆で故国の土を踏むンだにゃ。
「ヘヘヘ、少尉、俺、もうすぐオヤジになるんですにゃ。
多分、この戦いが終わった時には6猫の子供が産まれているはずなんだにゃ。」
「!、そりゃいい話しだにゃ!
さぁ、軍曹行こう、その子供達のために一刻も早く、戦いを終わらせ
なけりゃぁにゃ。」
「イエッサー!」
動きを止めた7号戦車をまるで兵士の墓標のように残し、第3戦車隊19両は
敵陣地に向かい突進していくのであった。
CNNのトマス・ニャールソンです。
戦車隊の突入から1時間後、イラク陣地は降伏、イラク兵のかなりの猫数が
投降した模様ですにゃ。
この陣地の陥落によって、アメリカ・イギリス軍の海上からの補給物資の
搬入が増大され、よりアメリカ・イギリス軍の増強が容易になりますにゃ。
先程、アメリカのブッチ大統領は次ぎのコメントを発表されましたにゃ。
「この戦いは早期に終結するであろう。
そのためには、我が合衆国が先日開発した新型爆弾の使用も辞さない
ものである。」