「おこし」「煮付け」「焚き火」「だんご」さてさて、次に続く言葉はなぁ〜に?
と言う事で、日本昔話の「桃太郎」について考察してみました。
とは言え、お話自体をどうこうと言うのではなく、桃太郎の取った戦術について
考えてみました。
先ずはお話からですが、桃太郎は桃から生まれたと言う事ですが、
これはよく桃とは女性のお尻を指し、川縁で洗濯をしていたおばあさんの所へ
妊婦が現れ、桃太郎を産んだと解釈されていますね。
これ自体にどうこう言うつもりはなく、その通りだと思います。
しかし、これに更に付け加える解釈が必要です。
まず桃ですが、その形や手触りから女性のお尻を連想しているようですが
更に桃とは高貴さや神秘性を表しています。
中国では桃には魔を打ち払う力があると言われまた、桃源郷などのように
人間界からは一段高い世界(神の世界)と言う表記にも使われたりして
いますね。
つまりは、桃から生まれたと言うのは、ただの人の子供と言うだけでなく
高貴な人、神の子供である事をも表しているのです。
さて、成長した桃太郎は、都を荒らすの噂を聞き鬼退治に出かけますが
それに同行するのはお馴染みの犬、猿、雉の3匹です。
日本の昔話では犬や猿はレギュラー動物なので:笑:出てきても不思議でも
ないですが、雉は珍しいですね。
さて、いくら桃太郎が桃から産まれるなどと言う人外の者だとしても
たった一人プラス3匹で鬼退治に行くと言うのは少々無謀ではないでしょうか。
しかも桃太郎自身はお話の中では特に特別な才能、能力を発揮した記述は
ありません。
他の昔話で有名な人物として、金太郎は小さい頃から怪力を発揮して
熊をも倒す力を持っていますし、竜の子太郎には龍が着いています。
一寸法師はその小さな身体を利用して鬼の体内に侵入(ちょっと怖い気も
しますね。)すると言う荒技を披露していますし、牛若丸は烏天狗に武術を
習い特殊能力を会得していたのではと想像させます。
なにより弁慶と言う無双の戦闘力を有した者を手下にしています。
ちょっと挙げただけでもこうなのですから、昔話の主人公と言うのは人外の力を有して
いるのが普通で、もしくは龍や弁慶に代表されるように周囲に協力な
助人がいるのです。
振り返って桃太郎はと言えば・・・。
特技はなし、仲間は犬、猿、雉・・・。
これで鬼を退治できるのでしょうか心配になりますね。
せめて武蔵坊弁慶の100人も欲しいところですね。
ん?100人・・・。
果たして、この3匹とは本当に3匹だけだったのでしょうか。
皆さんは「風林火山」と言う言葉を知っておられますか。
そうです戦国時代の名称武田信玄」の旗印に書かれていた言葉です。
速きこと、風の如く。
静かなること、林の如く。
攻めること、火の如く。
動かざること、山の如し。
と言う戦いの時の基本?を意味する言葉です。
迅速な移動、待期中は静かに整然と陣形を保ち、攻める時は果敢に攻撃を
しかけ、守る時には動揺することなく迎え撃つ。
これと同じ意味での3匹だったのではないでしょうか。
犬と言えば、忠実、集団での狩り、自分より大きな動物にも果敢に挑む。
こんな兵士がいれば理想ですね。
猿は、頭の良さ、手先の器用さ。
雉は、鳥類特有の行動範囲の広さ、高見から地面を見渡す事ができます。
しかも、雀や鳩に比べ、身体も大きく、多少の攻撃力もありそうです。
そうなのです、これら3匹は動物そのものを表しているのではなく、その
特徴をこそ表していたのではないでしょうか。
犬は先にも書きましたように、兵士の資質を表しています。
猿はと言えば、戦国時代の軍師でしょうか。
お話の中でも猿は鬼の城に潜り込み、門を内から開けていますね。
戦国時代、力だけで敵の国、城を攻めるだけでなく、相手の将に密使を送って
寝返らせると言う事が盛んに行われていました。
つまり敵を内部から霍乱させるのです。
どんな敵でも、内部から攻められてはたまったものではないでしょう。
以前にNHKの大河ドラマの「毛利元就」「豊臣秀吉」などでそんなシーンを
いくつも見た事があります。
しかし、そんな事が誰でも簡単にできると言うものではありませんよね。
策略を練る、謀略を成功させるには人並み外れた能力が必要です。、
それを、猿の頭の良さ、手先の器用さに反映させているのです。
そして雉は、鬼の様子を空から偵察し、宴会を行い酔っぱらっている事を
報告します。
的確な情報をいかに早く伝えるか、また敵の油断を突くと言う事です。
そう、この3匹と言うのは軍隊をそろえる、部下を揃えるに必要な要項を
示していたのではないでしょうか。
いかに強い兵士を揃えたとしても、力押しだけでは戦いには勝てません。
敵を霍乱させ兵力の弱体化を計り、広く情報を得て相手の弱点、油断を
突く、兵力、軍師、情報を揃えなければ強大な敵(鬼)には勝てない、
逆にそれらを揃える事ができれば、強い敵にも勝つことができると説いて
いるのです。
また、この3匹は黍団子によって仲間となりますね。
記憶が定かではありませんが、黍団子と言うのは淡い黄色をしていますね。
この色から、これは黄金を連想する事ができます。
部下にちゃんと約束した報償を与える事も、部下を繋ぎ止める重要な
ファクターであり、その褒美を与えるだけの物を持っていなければいけないのです。
つまりは、自分の財力を越える用意はしてはいけないのです。
これは約束は守らなければいけないと戒めているのかも知れません。
「黄金のマサカリをくれたら鬼退治を手伝うよ。」
と言われて金太郎を雇った。
「刀を千本くれたら鬼退治を手伝うよ。」
と弁慶を雇ったは良いが、結局そんなものは払えないとなったら、桃太郎の
命も風前の灯火となってしまう事でしょうね。::笑
きっと桃太郎も、犬、猿、雉より、虎、狼、熊、鷹なんかを連れて
行きたかったけど連れて行く事ができなかったと言うのが真相なのでは
ないでしょうか。
最後に桃太郎自身ですが、最初にも書きましたように桃から生まれたと
言うのは高貴な身分を示していると書きましたね。
これこそ当時は必要な事だったのです。
まさか本当に桃から人間が生まれたなんて信じている方はおられない
でしょう。
「いや、私は木の股から生まれました!」
なぁんて言うのはソネットぐらいでしょう。:笑:
(白英社 花と夢「ブルーソネット参照)
ではなぜわざわざ桃から生まれたなどと言ったのでしょうか。
ところで、貴方がサラリーマンだった場合、社長と同僚の社員の命令の
どちらに重きを置きますか?
まぁ、考える必要もないですね。
集団を形成する中では、能力の他に肩書きは大きな効果を発揮します。
もし、桃太郎がおじいさんとおばあさんの子供だった場合
「なに?鬼退治! ふざけてないで仕事を手伝え!」
と怒られるのがオチです。
しかし、これが実は高貴な身分のお方が鬼退治に行って下されるとなると
どうでしょうか。
こう言う事例も沢山あります。
あの豊臣 秀吉(当時は羽柴 秀吉)も突然に源氏の血筋を引いていると
言い始めましたし、明治維新の際にも、錦の御旗を掲げた途端にそれまで
優性だった幕府軍が逃げ出したと言う実例もあります。
大将である桃太郎には、彼は高貴な血筋の出である、一般の者とは違うと
言う肩書きが必要だったのです。
いままでに挙げた事を考えると、この昔話は子供向けに書かれた
兵法書だったのです。
兵士に与える(養える)財力が必要であり、財力を越える兵力を持っては
いけません。
雇うべき者は、忠実で、集団として行動できる兵士、知力、謀略に長けた
軍師、情報を素早く集める(伝達)できる者の3種類が必要です。
戦いにおいては、ただ闇雲に戦うだけではなく、敵の情報を集め弱点、
油断を見附、内部からの霍乱を誘う。
そして大将になる者には、それらの者より高貴な血筋が必要とされなければ
ならないと言う事を言っていたのです。
どうでしょうか、こんな風に考えると昔話もなかなか奥の深いお話に
思えるのではないですか?