ノッコさんの「北アルプス、表銀座を歩いてきました!(前編)」

 こんにちは!ノッコです。

ここ数日秋のような過ごしやすい日が続いていましたが、このまま秋は
こないでしょうねぇ。
朝晩の温度差も大きくなってきますから、風邪をひかないように気を
つけましょう!

さてさて今思えば夢のようなひとときだった北アルプスの表銀座!そして
あこがれの槍!
少しでも山の素晴らしさ、楽しさ&スリルをお伝えできるといいんですが
・・・・


仕事を終えてから荷物を担いで京都駅へ。
23時発上高地行きのバスに乗りこみました。
平日にもかかわらずほぼ満席。

以前バスの中で、首枕(?)で気持ちよさそうに眠っている人を見て
これだ!と思い、今回用意しましたよ、首枕。
(首がふらふらしないように首を固定するようにつくられた浮き袋のような
ものです)
耳栓も持ったし、これで絶対眠れる!と思ったのですが、気持ちがハイになって
いるのでしょう、ほとんど眠れませんでした、トホホ・・・

翌朝、4時20分、穂高着。
駅に向かって歩いて行くと、向こうから2〜3人のおじさんが
「おはようございます!」
と、にこにこしながら歩み寄ってくる。
タクシーの運転手さん達だ。
相乗りタクシーでどうぞ、というわけだ。

タクシーに乗って待っていると、一組の若いご夫婦と大学生らしい青年が
おじさんに案内されて乗りこんできた。
急な坂道を登ること約40分。
登山口のある中房温泉に到着。
ここですでに標高1460m、すずしーい!

すでにあたりは明るくなっていて、たくさんの登山客が軽い食事を摂ったり、
体操をしたり、記念撮影などをしている。

身支度を整え、6時、いざ出発。
まずは標高2700mの燕山荘(えんざんそう)をめざします。
いきなり急な登り、そうそうここはアルプス3大馬鹿登りのひとつと呼ばれて
いるらしい。
深い樹林の中をジグザグに一歩一歩踏みしめながらゆっくり登って行きます。
30分ほどすると平坦な広いくぼ地にながーいベンチがあり、たくさんの人が
休憩をしていました。第一ベンチです。
ちょうど休むにはいいころあいです。
丸太で作ったベンチが心地よく、ついつい長居をしてしまいそうですが、
まだまだ始まったばかり、次の人に席を譲り、さて出発。

3、40分ごとに第二ベンチ、第三ベンチ、富士見ベンチとあり、とても
歩きやすかった。
特に彼はこのベンチのおかげでだいぶ助けられたようです。
というのも、出発の夜、お酒を飲みすぎて二日酔いだったんです。
(なにやってんだか)
どうも足が遅く、顔色がさえないと思ったら・・・
第二ベンチでは青い顔をして無口になり、第三ベンチでは
「ちょっと休ませて」
と言って目をつむっていました。
そんな彼も富士見ベンチでは少し顔色も良くなり、「もう大丈夫」と
笑顔がでるまでに回復。よかった、よかった。(ホッ)

さて富士見ベンチを後にして30分ほど行くと合戦小屋に到着です。
途中で行き会ったおばさんに
「おいしいスイカが待ってるよ」
と言われた意味が小屋に着いてわかりました。
冷えたスイカを売っていたのです。
一切れ800円はちょっと高いと思いましたが、とても甘いスイカで、
その値打ちはあったと思いますね。
さておいしいスイカで元気をつけてもう一登り。
やがて前方に目指す燕山荘が姿を現わしました。
空は抜けるように青く澄み、合戦の頭に出ると森林限界を抜けて展望が開け、
餓鬼岳、燕岳、大天井岳、その奥には遠く槍ヶ岳の姿がくっきりと見えるでは
ありませんか。
次々登ってくる人が皆一様に「槍だ、槍が見える」と感嘆の声をあげ、
そして槍ヶ岳をバックに写真を撮っていました。

正面に見える燕山荘まであと一息。
登山道の両端に咲く花達にカメラを向けながら最後の一登り、となんと
燕山荘の前に出たとたん、そこにはまさに素晴らしい日本アルプスの
大パノラマが端から端までバーンとひらけていました。
なんという広大な景色なんでしょう!
裏銀座といわれる烏帽子岳、野口五郎岳、三俣蓮華岳、そしてその先には
槍ヶ岳、なめらかに続く稜線、くっきりと浮かぶ濃い緑、黒い岩稜、白い雪渓。
遠近感がちょっとへん。
まるで目の前にある巨大な山の絵をみているような錯覚におちいる。
あまりにはっきりくっきり見えすぎるからだろうか?
とにかくすごい!
この感動を十分に伝える言葉が見当たらないのが残念!

昼食は壮大な山の前で、コンビ二おにぎりと味噌汁、それとみかん、景色に
比べてなんとシンプルな・・・。
ここから燕岳山頂(2762m)まで約1キロ、往復1時間ほどで行ける。
荷物を置いて空身で行く。
遠くからみても燕岳は他の山とは明らかに異なった雰囲気がある。
花崗岩砂礫の穏やかな稜線を歩いていくと、山に近づくにつれ風化して
丸みを帯びた大きな奇岩がだんだん多くなる。
この奇岩にはいろいろな名前がつけられているそうですが、「イルカ」と
よばれている岩はよくわかりました。
まるでイルカの彫刻のようで、自然が作り出したものとは思えない。
花崗岩の白とハイマツの緑のコントラストがこの山を美しく見せています。
女性的な美しい山でした。

燕山荘で泊まる人も多いようで、皆ゆっくりと過ごしていましたが、私達は
もう少し先まで足をのばします。
12時50分出発。
壮大な裏銀座の山並みを右手、行く先には目指す大天井岳(おてんしょうだけ)、
右前方に槍を見ながら緩やかな登り下りを軽快に歩く。
この頃になると、昨夜の寝不足からか、少し頭がもうろうとしてきた。
急な坂道でなくとも山歩きは少しの気の緩みもケガや事故につながる、と
わかっちゃいるけど、どうしようもなく眠い。
飴をとりだし気分転換をはかる。

左手にお花畑を見ながら進むと急な下り、クサリ場を抜けると目の前に
大天井がどーんと立ちはだかる。
遠くから見るよりずっと大きい。(当たり前か・・・)
ザラザラとした歩きにくい道が山腹を巻くように長々と続いている。
この頃になるとさすがに疲れが出てきて、足が思うように進まない。
登り始めると先ほどまで見えていた頂上付近の山小屋が見えなくなった。
少し歩いては立ち止まり、また少し歩いては水を一口含み、ゆっくりゆっくり
歩を進める。
「昔の人はこの山を見てでっかい山だなぁ、大天井(おおてんじょう)
みたいだ、って思ったんだろうな」などと思いながらやっと大天荘
(だいてんそう)に着いたのは16時でした。
いやー、しんどかったぁー。
すぐそこに大天井岳の頂上が見えるけれど明朝にしよう。
荷物を下ろし、靴を脱いでまずはビールで喉をうるおす。
あー、おいしい!
初日から10時間の山歩きはさすがに疲れました。
8畳ほどの部屋に5人、わりとゆったり。
今まで山小屋ではあまり眠れなかった私も、この夜は疲れに昨夜の寝不足も
手伝ってか、わりとよく眠れました。


二日目、4時起床。
天気、曇り。
朝食後、大天井岳頂上(2922m)へ。
ガスで何も見えず、晴れていればここからの展望もすばらしいらしい、残念!
5時45分、大天荘を出発。
今日は槍を目指す!
まずは下りからのスタート、ザレた斜面を30分ほど下ると大天井ヒュッテに
到着。
さっそく休憩、一息入れる。
昨日とは打って変わって雲の多い天気、少しばかり空模様を気にしながら歩く。
目指す槍もてっぺんに雲がかかっていて見えない。
小林喜作氏が開拓したという喜作新道を歩いて東鎌尾根に向かう。
この道はひとつひとつ山を登ったり下ったりせず、うまく山を巻くように
作られていてとても軽快。
喜作さんありがとう!

やがて右に少し登ると「ビックリ平」に出る。
そこで視界が急に開けてその景色にビックリするからかな?
槍がグーンと近づいたようだ。
でもあいかわらず雲が多く、槍のてっぺんは雲の中。
槍は沢に残る雪渓がYの字に見えることから「Y字雪渓」と呼ばれている。
たくさんある雪渓の中でも特に印象的。
その右には加藤文太郎氏が最後の山行きで消息を絶った北鎌尾根が見える。
一度見たいと思っていたあの北鎌尾根がすぐそこに・・・

8時50分、ヒュッテ西岳着。
ラーメンを作り昼食。
見晴らしがよさそうな所にベンチが置いてあり、天気がよければきっと
素晴らしい景色が見えるでしょうに、残念!展望はよくない。
空模様があやしいので早々に出発。
林を下るとクサリや鉄梯子が連続し、それをすぎるとガレた下りが続き
とても歩きにくい。
はるか下に人がアリのように小さく見える。
緊張して下る。
やがて1時間ほどで水俣乗越(みずまたのっこし)という鞍部(山の頂上と
頂上の間のへこんだところ)にでた。
さあ、いよいよ槍へと続く最後の登り、東鎌尾根にとりつく。

見上げればはるか彼方、雲の中へと続く道、このあたりは尾根に沿って
ハシゴが連続する。
彼が途中12個までハシゴの数を数えたがまだまだ続く。
中には手を使わなくてもひょいひょいと歩いて行けそうな角度の低いハシゴも
あるけれど、左右が切れ立っていて両端に何もない、怖いので四つんばいに
なって渡る。

とうとう雨がポツポツと落ちてきた。
しばらく行くと20メートル近い垂直の三連続鉄梯子があり、慎重に
一歩一歩確実に下りる。
歩くこと約2時間、雨もさして気にならない程度で、降ったりやんだり。
この頃になるとあたりは雲やらガスやらで目印になる山が見えないので、
今どのあたりにいるかよくわからない、と、突然、平なところに字の書かれた
板が立てかけてある。
見るとコーヒーなんぼ、ビールなんぼ???
なんとすぐその先にはヒュッテ大槍があり、そのメニュー書きだったのでした。

で、12時、ヒュッテ大槍着。
行く先々でよく見かけた3〜4人の人がすでに小屋入りしていました。
と、突然、ザーッと大雨が!
いやぁ、ぎりぎりセーフでした。
空を見ると端から端まで雲で覆い尽くされ、雨はやみそうになく、1キロ先の
槍の肩まで行けないだろうということで今夜はここで泊まることにしました。
そうと決まればお疲れさまの一杯、まだ人の少ない談話室でストーブを囲み、
おいしいビールをいただきました。

次々小屋に入ってくる人は皆カッパを着ているもののずぶぬれで、
ほとんどの人はここで宿泊を決めていました。
ガラッと開けると、ビール片手に上機嫌になった人達から
「おつかれさま〜」
なんて声をかけられたら一気に緊張感が抜けて、もうやってられないよーって
状態ですからね。
ビールもすすんでほろ酔い気分、でも夕飯まではまだまだ時間があるし、
さってと、お昼寝でもしようか・・・
で、うとうとすると、なんかあたりがざわざわと騒がしい。
10人ほどしかいなかった宿泊客がなんと80人ほどになっていました。
この小屋では夕食の時にサービスでワインがでるんです、うふっ、
おいしかった!

この夜のニュース、塩見岳(南アルプス)で落雷のため、男性登山客が
ひとり亡くなられたと伝えていた。
食堂でこれを見ていた人達は皆一様に人事ではないといった神妙な面持ち。
山では急変する天気、雨や雷などに十分気をつけなければと再認識しました。



後半へつづく・・・

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注、プライバシー保護のため、一部地名、人名などを変更させて頂きました。
                              (管理人)


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