The Magic Christian
1969年 イギリス カラー 92分
監督:ジョゼフ・マッグラス
脚本:テリー・サザーン/ピーター・セラーズ
主題歌:ポール・マッカートニー
出演:ピーター・セラーズ/リンゴ・スター/ユル・ブリナー/クリストファー・リー
「理性からの逃走」 P83
【あらすじ】
実業家で大富豪のガイ・グランド卿は、公園をねぐらにしていた若者ヤングマンを突然養子にする。ガイはありあまる財力にモノをいわせ、既成概念に挑戦するかたちでやりたい放題の騒動を起こす。豪華客船マジック・クリスチャンに乗船したガイとヤングマンはここでも騒動を起こすが、船は沈没の危険に陥り、吸血鬼も出現して大混乱となる。
【Y.Notoの感想】
浮浪者同然の若者との養子縁組から始まって、ガイ・グランドの行動は虚無的であり、破壊的ですらある。ナンセンスなギャグの連続は、上流社会への反発とキリスト教への敵意に満ちている。キャストは豪華。ユル・ブリナーが女装の歌手役、クリストファー・リーが吸血鬼役で出ている。この映画はポルノグラフィーではないが、ヤングマン役のリンゴ・スターが「お父さん、言葉は人間を堕落させるの?ポルノを書いてみたいな・・・」と言う場面がある。
【シェーファーの見解】
現代のポルノグラフィーが目ざす別な要素は、テリー・サザーンの作品にはっきり認められる。彼は、「キャンディ」や「マジック・クリスチャン」の作者である。それらは不潔で有害なものに満ちているが、容易ならぬ問題を提起している。キャンディは、キャンディ・クリスチャンという、実に意味ありげな名まえの人物である。著者は、キリスト教の立場を粉砕しようとしているのである。(いのちのことば社刊「理性からの逃走」83頁)