Pierrot le Fou
1965年 フランス カラー 110分
監督:ジャン=リュック・ゴダール
脚本:ジャン=リュック・ゴダール
音楽:アントワーヌ・デュアメル
出演:ジャン=ポール・ベルモンド/アンナ・カリーナ/サミュエル・フラー/レイモン・ドボス
「神の沈黙?」 P19、P109
【あらすじ】
若い知識人フェルディナンは、パーティーを抜け出して再会した昔の恋人を家まで送る。翌朝その女の部屋で目をさますと、そこには銃と男の死体がころがっていた。女は武器密輸の組織と関係していたのである。女の逃走に手を貸したフェルディナンは妻子をすてて逃避行を始める。南仏での幸福な日々もつかの間、女にだまされたことを知ったフェルディナンは、顔にペンキを塗り、頭にまいたダイナマイトに火をつける。
【Y.Notoの感想】
初めて見たのは後楽園にある映画館のリバイバル上映だった。ラストではけっこう衝撃を受けた。実験的な手法もみられるが、前衛的すぎることもなく、見ていてしんどく感じるところはない。音楽も良い。シェーファーの言う「窓から外に出ていく」シーンは、後半のレストラン兼酒場の場面だと思われるが、ここは窓から入るシーンである。原文も「going out through the windows」だから翻訳違いではない。「窓から外に出ていく」シーンを知っている人は是非教えてください。
【シェーファーの見解】
その映画の中で、彼は登場人物を、ドアからではなく、窓から外に出させている。ところが興味深いことに、その人々は堅い壁を通り抜けて外に出て行こうとはしないのである。ゴダールが実際に言いたかったことは、解答を持ちあわせてはいないが、しかし、堅い壁を通り抜けて出ることはできないということである。これは、外部世界が形態と秩序を持っているのに、あるのは全く混沌とした宇宙だと主張することのむずかしさを表現する、彼の方法なのである。(いのちのことば社刊「神の沈黙?」19,20頁)