はるぢよをん
さかさまの世界に細るわれを憎みミルクを入れてまたかきまぜる
突風に耐へる欅よこのビルが崩れ去つてもおまへは残る
来ぬ人を映したりせぬT字路の突き当たりなるカーブミラーは
失つてゆく一方だらう日の暮れの抜歯の後に噛みしむる綿
琺瑯(はふらふ)の空は翳りてこのまま押し流されてもをかしくはない
はるぢよをんいたるところに揺れてゐてあなたの良さをわかつてくれる
いつまでも終はらぬ五月街がみな蔦のみどりに呑まれしのちも
低気圧すこしうれしく変身の途中のやうに揺れやまぬ水