愛なんていらねェよSP(仮) 女1(ヒロ) 女2(レン) 女3(アイ) 女4 男1(ユウ) 行き当たりばったりでいく是。      1 序章 喫茶店っぽい。女3人がダベっていて男がウェイターをしている。 女2    でさぁー、チョームカツくんだけど。 女3    アンタの彼氏そんなんばっかじゃん。もう別れたわけ? 女2    うん。そっこーバイバイって感じ。 女3    ホントこりないねえ。それでまた似たよーなヤツと付き合ってるし。 女2    そんなことないもん。そういうアイちんはどーなのよー! 女3    あたし?あたしは男なんか居なくたって生きてけるもん。ていうかむしろ       いらない。あんたみたいにヤな思いするだけじゃん。 女2    何ー。もーあいちんなんて恋愛話するだけむだー!ねえ、ヒロちゃんー? 女1    …え?何? 女3    どした?ぼーっとして。 女1    …別に? 男1    失礼します。(と何か注文の品を持ってくるのさ) 女2    やったー!フルーツパフェー☆ 女1    ダイエット中じゃなかったっけ? 女2    もういいの。今日はヤケ食いなんだから! 女3    まったく…。 女1    暇、なんだよね。 女3    は? 女2    ヒロちゃん彼氏いたんじゃなかったっけ? 女1    別れた。 女3    うそーいつの間にー! 女2    レン達と違ってあんなにばかっぷるだったのにぃ?? 女1    バカップルって言うな(笑) 女3    レン…!(こづく) 女2    あ、ごめん。 女1    えー?気をつかわなくていいよ。そんな傷ついてるわけじゃないし、別に       なんともないんだからさ。…自分でもビックリするくらい。 女2    へー…ヒロちゃん大人ー!レンはそうも行かないなぁ…。 女3    あんたはこりないだけでしょ。 女1    (笑)だって、もう大人だし。いつまでも高校生みたいには行かないよ。 女2    だよねえ。ヒロちゃんは大学生で、アイちんは社会人だし。一応ハタチ越       えてるんだもんねー…。 女3    そういうあんたはフリーターで、一応まだ19よねえ。 女2    そうだよぉ。先輩!!まだまだ若いの。どんなに痛手追っても、恋にこり       ないんです。 男1    お待たせしました。プリン・ア・ラモードです。 女2    …。(去っていくウェイターを見つめる) 女1    食べないの? 女2    今のウェイターさん、かっこよくない? 女1・3  は!? 女2    すみませーん、お水くださーい! 女3    全くこりないんだから!        暗転 2 ナンパ 男1    すみません。ちょっといいですか? 女1    わたし、ですか? 男1    ええ、あなた。 女1    わたしに何か? 男1    ええ、何か。 女1    何ですか?(少し苛立った様子) 男1    何か…そうですね、何か… 女1    あのー…(不審そうに) 男1    そう、僕に何か感じませんか? 女1    それは新手のナンパですか? 男1    いや、そうじゃなくて。…あ、どこかで会った気がしない? 女1    やっぱりナンパでしょ。…でも、言われてみれば…。 男1    僕もそんな気がしてきました。 女1    なに。嘘だったの。 男1    嘘じゃないですよ。冗談ですよ。 女1    からかってるの? 男1    僕そこの喫茶店でバイトしてるんですよ。 女1    あ、じゃああのウェイターさん。わたしのこと覚えてたの? 男1    ええ。折角の偶然ですし、お茶しません? 女1    ずいぶん古手のナンパね…。 男1    ナンパじゃありません、デートに誘ってるんです。 女1    …変な人。 男1    なんとでも言ってください。 女1    でも、わたしがこれから彼氏に会いに行くところだったらどうするの? 男1    え?別れたんでしょ?この間暇だって…あ…! 女1    ひどっ!人の会話聞いてたの!?サイテー!! 男1    あっ!待って!誤解ですって! 女1    何が誤解よ、盗み聞きじゃない。 男1    盗み聞きなんてしてませんって。堂々と聞いてました。 女1    あのねえ… 男1    気に、なっちゃって。 女1    え? 男1    あなたの表情がとても寂しそうで。口では何ともない、って言ってたのに       僕にはそう思えなくて。 女1    …ねえ、どこかで会ったことない? 男1    え?だから喫茶店で…。 女1    そうじゃなくて、どこかで…そう、結構昔。 男1    …結構、昔か。ヒントは、中学時代。ってとこかな。 女1    何か言った? 男1    別に。行きましょう。僕、おいしいお店知ってるんです。 女1    え?別にわたしお腹空いてないよぉ!        ヒロ後ろについていくがハケない。 女1    彼の名前はユウ。気がついたら、彼はわたしのいい話し相手になっていた       。何でだろう。会って間もないハズなのに、不思議と安心する人だったか       ら…。そして彼はいつも、わたしの話を真剣に聞いてくれたから。それと       彼はちょっと、誠実なかっこよさがあったから…。別れたばかりの彼とは       違うものを持ってる気がした。      3 後遺症 男1    ヒロコちゃん、ちょっとやせた? 女1    え?…そうかなあ…。別にダイエットしてないけど…。 男1    おーうらやましい。なあ、ちゃんと食ってる? 女1    ううん…あんまり食欲無くって。あ、でも全然平気。体が悪いとかじゃな       いし。夏バテだと思う。 男1    夏バテね。もう涼やかなる秋だよ。食欲の秋。天高く馬肥ゆる秋。 女1    そういう言葉には飽き飽きしたわ。 男1    言うねえ。 女1    わたしの世話を焼くのは結構です。それより、わたしなんかと一緒にいて       大丈夫?彼女とかいるんでしょ? 男1    いないよ。 女1    うっそだー。 男1    俺、嘘つかない。 女1    何でカタコトなのよ。 男1    俺は誠実な男だよ。自分でも結構包容力あるやつだと思うし。どう? 女1    どうって(笑) 男1    似てる? 女1    誰に? 男1    君の元カレ。 女1    全然。正反対だよ。何もかも。 男1    じゃあ、君の好みじゃないわけだ…。 女1    それはどうかな。 男1    じゃ、望みあり? 女1    わたし、あの人のどこが好きだったのかな…。 男1    ふられたの? 女1    ふったの! 男1    なぜ? 女1    強いて言えば、彼の愛が重すぎたのかな。 男1    大した女だねー。 女1    嫌味? 男1    本気で言ったんだよ。大した女だ。大女だよ。 女1    なんだかなあ。私もね、彼のこと愛してた。自分では普通に、一生懸命彼       のことを想って、いろんなこと尽くしてきたつもりだった。うまくやって       たって思ってたのにねえ。 男1    うん。ノロケか。さすがばかっぷる。 女1    そうでもないよ。そのへんの食い違いでしょっちゅう喧嘩してた。そんな       喧嘩も、最初は些細なことで、そう、波みたいなものだってことでやり過       ごしてた。一時苦しくても幸せなことの方が多かったから。 男1    幸せだったのね…。 女1    でもね、やっぱり彼は言うの。お前は俺のこと想ってないんじゃないかっ       て。ひどいよね。 男1    ひどい、か…。でも好きなんだろ? 女1    なんか、やになっちゃった。彼の愛が重すぎるんだよ。逆に冷めちゃって       。 男1    …。 女1    やだなあ。何でこんな話あなたにべらべら喋ってるんだろ。ねえ。 男1    …寂しい? 女1    よく、分からないの。分からない。ねえ、わたしの何がいけなかったのか       なぁ…?分からないよぉ。 男1    とりあえず、ごはんは3食きちんと食べたほうがいいよ。 女1    …そうだね。ありがとう。 男1    痛い? 女1    痛いよぉ。恋愛にはしばらくコリゴリかな。とかいいつつ何度もくりかえ       してるんだよね。女ってバカ。 男1    そうかな。 女1    そうだよ…。      4 女達 女3    また、新しい人とつきあってるんだって? 女2    てへっ☆そうなのー。 女3    てへっ☆じゃないよ。ヒロにプリクラ見せてもらったけどさー。 女2    いい男でしょ? 女3    いい男っていうか、また似たような男よねえ。 女2    う…。それは言わない約束。 女3    バカ。また苦労するよ。(携帯音)あ。もしもし。うん。今から?うーん       、そうだね…。じゃあ、分かった。 女2    あれっ?彼氏?男いらないんじゃなかったのー? 女3    もう、違うよ。ごめんちょっと用事できたから、行くね。 女2    えーつまんなーい。(携帯音)もしもーし、あ、ユウジ?うん。いいよー       。はーい。        ハケる。        いれかわりにウェイターユウ出てくる。 男1    いらっしゃいませ。 女4    ホット。 男1    かしこまりま…。(固まる) 女4    あ…!やだ、久しぶり!ユウでしょ!? 男1    うん、久しぶりだ…元気してた? 女4    やだなー、こんな変なトコで会うなんてさ。どうよ。 男1    どうって? 女4    初恋の失恋の痛手は回復したワケ? 男1    大体ね。君は…? 女4    どちらとも言えるね。 男1    どーいう意味? 女4    趣味が変わったの。 男1    そりゃ、趣味は変わるだろうけど。 女4    うーん、そうだけど、大幅にね。お陰様で。 男1    どんな趣味だか…。 女3    お待たせ。 男1    !いらっしゃいませ。 女3    あ、ホット。 男1    かしこまりました(そそくさと出ていく) 女3    …ここのウェイターさんと知り合い? 女4    昔、ちょっとね。偶然の再開。 女3    ってことは例の…! 男1    お待たせいたしました…。        女3、睨んでいる。 男1    俺何かしたんだろうか…。 女4    やだなあ、もう終わったことだし、アイちゃんが気にすることじゃないん       だよ。 女3    そうはいかない。アイツがあなたの人生を壊したんだよ。 女4    大袈裟。大したこと無いのに(笑)そんなことあたしは思ってないよ。そ       のおかげで、アイちゃんといっしょに居られるんだし。        なんだ、この二人。 女4    それに、根はいいやつよ。優しい人だから。 女3    なんでアイツの肩持つの。まだ、好きなの? 女4    まさか。あたしにいろんな事気づかせてくれた人だよ。        女2飛び込んでくる。 女2    アイちーん、居たー! 女3    レン!?どーしたの! 女2    今日ね、今日、ユウジに会ったのぉ。 女3    ユウジって新しいカレシね? 女2    うん。そしたらぁ…携帯に別の女とのプリクラ見つけてね、問いつめて、       何コレ浮気!?っていったらね、 女3    うん。 女2    浮気してたんじゃなくて私が浮気だったんだって!それで、お前みたいな       チャラい女マジで相手にするワケないじゃんって…。 女4    サイテー。 女2    うわーーーんもうマジムカツクー!! 女3    ほらほら、男にはあんたの素直さや魅力なんてわかんないのよ。バカだか       ら。 女4    そうそう、バカだから。 女2    うっうっ…そうだよねえ…。 男1    いらっしゃいませ。あの…これどうぞ。(ハンカチ) 女2    ずびっ…ありがとうございますぅ。お兄さん、優しいんですね…。 男1    いえ…。 女2    かっこい〜。 女3    ダメだ。この子。こりてない。 女2    やっぱ恋しないとやっていけないよ。 女3/4  そうかなあ…。 女3    ま、レンはもう立ち直ったみたいだし。あたし達はいこっか。 女4    うん。 女2    そう?じゃあ、ばいばーい。…ウェイターさん、ハンカチありがとうー! (といいつつ二人と逆の方向にハケる)      5 痛手        昔の女4と男1 女4    ユウ…。 男1    何。 女4    あたし、何かした? 男1    別に。 女4    じゃあ何で…! 男1    飽きた。これで気がすむか? 女4    …!すまない!勝手だよそんな。あたしのこと何にも知ろうとしてくれな       いんだね。それで飽きたなんて。 男1    深入りしたくないんだよ。 女4    めちゃくちゃだよ。あたしのことなんともおもってなかったんでしょ! 男1    かもしれない。 女4    じゃあなんで、あたしとつき合ってたのよ…! 女4    男なんて、そんなのばっかなの!?        昔の女1と男1。 男1    あっ…あの! 女1    えっ?何? 男1    俺、俺、ヒロ子さんのこと好っ…。 女2    ヒロコー!ちょっと来て!! 女1    ごめっ、今ちょっと忙しくてごめん!また後で!(走り去る) 男1    あっ…。 男1    そう、しっかり者の彼女はいつも忙しそうで、僕の話は聞けない程忙しく       て、その後も何度も邪魔が入って、僕の、その頃のホント一大決心は泡と       なって消えたんだ。僕はそのまま、中途半端な気持ちを残したまま、転校       してしまった。       でも、忘れることができなかった。俺は、ばかだから。       再会した彼女は、俺のことを覚えてなかった。まあ、同じクラスだったわ       けでもなくちょっと顔見知り程度だっただけから当然だ。       それでもいい。今の俺は、それでも幸せです。バカ、だから…。 女2    ユウ、さん…? 男1    え? 女2    へへ、友達にお名前聞いちゃった。ハンカチ洗っておきました。…ありが       とう。 男1    あ、きみ…。 女2    レンです。 男1    レン、ちゃん、ヒロコちゃんの友達だよね。 女2    はい。…正確には、あたしは後輩です。知り合いなんですかー? 男1    うん。…最近見かけないけどどうしてるのかなって。 女2    ヒロちゃんのこと好きなんですか? 男1    えっ?うん?何で?(動揺) 女2    そっか…。伝えときます。ユウさん。またねー。 男1    また…女の子って何でカンが鋭いんだろう…。        女4、浮かぶ。 女4    違うね、男が鈍いだけだよ。        女3、浮かぶ。 女3    男ってバカばっかなんだ。        女2、浮かぶ。 女2    ひどいよ、あたしが何したっていうの!?あたしの何が悪いの!? 男1    違うんだ、悪いのは俺なんだ。 女4    もうこんなことで苦しむのはやだ。 女3    男なんていたって、苦労するだけだよ。 女2    でも、幸せになりたいよぉ…。 女4    もう、痛いのはやだ…。 男1    痛みなど知りたくない。      6 愛なんて 女1    ユウ、君…。 男1    ヒロコちゃん…!来てくれたんだ! 女1    どうしたの?ちょっとやせた…? 男1    気のせいだよ。ヒロコちゃんは、太った? 女1    気のせいだよ。 男1    気のせいか。でも、元気になったみたいで良かった。 女1    うん。…お陰様で。 男1    あの、あの、さ…! 女1    ユウ君。 男1    え、何? 女1    わたし、彼と戻ったんだ。やっぱり、好きだから。私のこと愛してくれる       の彼だけだと思うの。塞いじゃってたけど、ユウ君のおかげでまた頑張ろ       う、って思えたから。お礼言いたくて。ありがとう。 男1    お礼なんて…そんな…俺…。 女2    行ってしまうんだ! 女3    痛い、苦しい思いをするのは自分なのに! 女4    また、くり返すんだ! 男1    僕だったら、絶対君を悲しませたりしないのに!誰よりも君を思ってるの       は僕なのに! 全員    大した女…!愚かな女だ!! 女1    さようなら。        男1、うつむく。やがて、決意したように。 男1    お幸せに。 女1    あ、なんかこれじゃお別れみたいよね。またたまに話し相手になってね。 男1    たぶん、君は2度と来ないだろう。 女1    ユウ君、そういえば中学一緒だったんだよね。だからどこかで会ったなん       て思ったんだ。すぐに気付かなかったよー。 男1    それでも、僕は幸せでした。 女1    あっ、こんな時間。またね、ユウ君。 男1    …さようなら。 女234  お幸せに。 男1    お幸せに。 男1    愛なんか無くっても、僕は幸せですから。        ウェイターをするユウ。 男1    ありがとうございました。またのご来店を。                 【幕】