drive


ドライブにはいい思い出がない。
男の子はやっぱり車が好きな子が多くて、
わりと簡単に車に乗せてくれるんだけど、
それで痛い目に遭ったことがある。


+その1+

そのとき、私の家はわりと大変だった。
母が腎臓を悪くしてしまい、入院していた。
義姉がほとんど臨月で、しかもアトピーがひどくなっていて
家事ができるような状態ではなかったため、
兄と一緒にうちに来ていて、私が家事の全てを請け負っていた。
父と祖母と兄と義姉との日常生活をなりたたせるために、
私なりに奮闘していたのである。
そして、さらに、受験生でもあったのである。
(ただし、本当の大学受験ではなくて、大学内での転籍試験)

そんな中で、よくも遊びに行くものだ、と非難されそうだが、
男の子からドライブに誘われ、
ちと気晴らしに出かけたかったこともあり、
時間制限つきで出かけていった。
悪いかなぁとは思ったものの、それでもいいと言ってくれたので、
好意に甘えることにしたのである。
ところが、その時間制限を思いっきり破ってくれた。
彼としては、ちょっとした寄り道で、それで私が喜ぶだろうと
思ったんだろうけど、全くの逆効果。
私はイライラしまくってしまった。
「家族の夕飯を作れる時間までに帰りたいって、
ちゃんと先に言っておいたじゃない、それなのに、どうして?」
と、心の中で非難ゴウゴウ。
全く、そんなんなら行くなよ、と思うし、
今なら絶対に軽く断るんだろうけど、
いかんせん、そのときは若かった・・・
(くどいようだが、大学時代)
その帰り、怒りで無口になる私と、
それでも運転をしなくてはならない彼。
その運転途中に、彼は軽い居眠りをしてしまい、
車を縁石に軽くこすってしまった。
もちろん、乗っていた私もびっくり。
一歩間違えれば、事故だよ、事故!
それなのに、彼は私よりも車のほうが心配だったらしく、
しきりに車の修理代ばかり気にしていた。
・・・私の命より、車の修理代が大事か?
一言も謝らなかったね。
もちろん、咲きかけた恋の花は、見事に散りました。
ええ、そりゃキレイさっぱりと。


+その2+

そのとき、私は失恋したてであった。
ものすごく落ち込んでいたのである。
そんなとき、お互いに友達だと思っていた男の子から
「気晴らしにドライブ行こうよ」
とお誘いを受ける。
その男の子には、「世界で一番愛している」と
普段から断言している彼女ちゃんがいたし、
私は彼女持ちの男の子は、嘘イツワリなく標的外なので、
言葉どおり「気晴らし」だと信じて、
友達っていいなぁ、優しいなぁ、などと幸せな気分に浸りながら、
暇だったし、お誘いを受けた。

しかして。
行きは高速に乗ったのに、帰りは普通道ってとこから
なんだかヘンだと思ったさ。
車って、本当に密室だよね。
気がついたら、っていうか、私にはなすすべもなく、
その車はラブホテルの駐車場に着いていた・・・
友達と、ラブホっていう単語が結びつかなかった私は、
ただただきょとんとしてしまった。
それから何があったかの詳細は墓まで持っていくが、
その後、私が号泣したことだけは事実である。



というようなことがあってから、わたしはドライブが嫌いである。
自分でも運転免許は持っているし、実家に帰れば運転もするけど、
男の子と二人きりでのドライブは、行かない、と決めている。
彼氏となら行くけど、友達とか知り合い程度じゃ行かない。
これ以上、心の傷を増やしてたまるか。


2001.11.15