音楽の錬金術師
4話
コツコツと音をたてながら階段を降りて行く。
灯りはあるがそれでも足元はよく見えない。
10分程進むと大きな広場のような空間があった。
人の気配を感じる。
二人はその少し前で止まり様子を伺う。
バリンがニコルの機械鎧を整備しながら呟く。
「血の拭き忘れか・・。少し調子が悪くなってるな。
それとも、石の力が・・・・どちらにしろ補充しておくか。」
バリンは麻でできた袋を持ってきて中から『赤い石』を取り出した。
「兄さんアレって・・!」
「どうやらホムンクルス達が造ってたヤツみたいだな。」
『赤い石』をニコルの機械鎧に詰めた後バリンは錬成陣を描きだした。
錬成反応の光が辺りを覆う。
光が消えはじめるとバリンがニコルに話し掛けた
「どうだ調子は?」
「ハイばりんサン。順調ニ機能シテイマス。」
「おっといけねぇ。石を入れ過ぎたみてぇだな。まぁ時間が経てば元に戻るだろう。」
「ばりんサン、えるりっく兄弟ニ血ノ拭き忘レヲ気付カレテシマイマシタガ、イカガ致シマショウカ?」
「チッ・・見られたか・・。言い訳するってのはもう通用しねぇだろうな。
いっそのこと始末するか・・・・ちょうどそこに居るみたいだしよ!!」
「!!」
言われるとエドとアルは物陰から姿を表した。
「バリンさんあんたどういう事だよ?!あんたニコルとどういう関係なんだよっ?!」
「ハハハ・・。どうせ今から殺すんだ、教えてやろう。
最初にコイツの腕を切り落とした後、機械鎧をつけるときに少し細工をしてやったのさ。
俺の命令を忠実に聞くロボットになるようになぁ。
それで街の奴らを襲わせたのさ。
なぁにこの『赤い石』とちょっとの錬金術、そして機械鎧の知識がアレば誰でもできるってもんよ。」
「なんの為に街を襲った・・?」
「ちょっと住民を利用しようと思ってなぁ。」
「その石はどうやって手に入れた・・・?」
「ラストって言う黒ずくめのねぇちゃんがくれたんだよ。有効に使えってなぁ!」
!
「行けニコル!あいつらを殺すんだぁ!!」
「ハイばりんサン。」
ニコルが姿勢を低くして迫ってくる。
「チッ・・!」
「兄さん傷つけちゃ駄目だよ!操られてるだけなんだから!」
「言われなくても!」
エドは両の手を合わせて右手の機械鎧を剣状に錬成した。
ニコルの攻撃はかなり激しかったがエドは上手い具合に全て防いでいる。
「兄さん下がって!!」
エドが後ろに下がるとアルは近くにあった廃材から檻を錬成し、ニコルを捕らえた。
「どーするんだおっさん?!アンタは戦えなさそうだけど?」
「馬鹿め!!それで勝ったつもりか周りを見てみろ!!」
見回すとバリンの機械鎧を着けた職人たちが虚ろな目をして辺りを囲っていた。
「ロボットになるって言ったろ!当然街の奴らも・だ!」
「・・・チッ」
「兄さんこんなにたくさんは・・・。」
「しかも操られてるだけだから下手な攻撃はできない・・・か。」
ウォォオオォオオォオオオ!!
職人たちが声を荒げてエド達に襲い掛かってきた。