音楽の錬金術師
5話
エドとアルは背中合わせにして身構えた。
バリンに操られた職人達が襲い掛かってくる。
手や脚には機械鎧を付けているので攻撃もかなり厳しい。
バリンは廃材や木箱が積み重なった所に乗り少しニヤニヤと戦いを見つめていた。
エドは前に軽く前転をした後、低い姿勢から回し蹴りを放ち左右の職人を転倒させると
転倒させた職人を踏み台にして高く飛び上がった。
そのまま上にあった照明に飛び乗りバリンに飛び掛ろうとしたがあることに気付いた。
バリンの指で怪しく光っている赤い石。その光と職人達の機械鎧から発せられている光は同じものではないか?
エドは思いつくまま下に飛び降り近くにいた職人の腕に付いている機械鎧の赤く光る部分を狙って右腕の剣で斬りつけた。
機械鎧は大破した・・それと同時に赤い石も機械鎧から弾けとんだ。
「うあ・・・く・・ここ・・は?・・・どこだ?」
職人の機械鎧から赤い石が取れたことでバリンの操作から開放されたようだ。
「アル!機械鎧の中取り付けてある赤い石を狙え!!」
エドは他の職人達の攻撃を避けながら叫んだ。
「え?!赤い石を?」
アルは少し戸惑いつつもいままでただ牽制するだけだった攻撃を避けて相手の機械鎧を掴んで赤く光る部分に狙いを定め拳を振り下ろした。
赤い石は綺麗に弾け飛んだ。
その瞬間その職人は我に返り辺りを見回しはじめた。
「アル!対処方がわかったからって油断するなよ。むこうはまだ数が多いんだ。」
「うん。兄さんこそね!」
バリンは少し不安に駆られていた。
おかしい。あれだけ居た職人たちが減ってきている?!(勿論操作することのできる職人の数がだ!)
「いくら国家錬金術師といってもこれ程の数を相手に闘えるものなのか?!
不味いな。このままではいずれ捕まってしまう。
これだけのことをしたんだ。捕まれば軍の刑務所で生き恥を晒すことになるか処刑されるかどちらかだ。
どちらにしろこのままでは・・・しかたないやつらを巻き込んで死んでやるか。」
そう言うとバリンは自分の指にはめてある指輪に付いいる赤い石をさすり練成を始めた。
「ははははははは!馬鹿どもめ!!これで貴様らも阿呆な職人共もろとも道連れにしてやる!!!」
「!!」
バリンは溶鉱炉と近くにあった鉄や銅、そのた全てを練成し巨大な爆弾のようなものを造った。
「ははははは!さらにこうだ!!」
バリンの指輪が光ると操られている職人達は吸い寄せられるように爆弾に近づいていった。
「やめろ!やめるんだ!!」
アルは必死で叫んだがバリンが止める筈はなかった。
「ははははは!もう終わりだなエルリック兄弟!!それともこいつらを見捨てて逃げ出すか?!!!」
「畜生!!!」
エドとアルはバリン目掛けて走り始めた。