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13年前のラブレター









いきなりだけど、手紙書いてます

今日は 4日の月曜です
土曜の夜は 久しぶりに皆で飲んで 楽しかったです
なんか俺1人で飲んでたけどね……
なにより 車で事故起きなくて良かったです

昨日の日曜は 雨が降っていたので 家で寝てました
それで夜になってから 友達が遊びに来たので
今度の土曜日の飲み会の場所取りに行きました
本当は すぐに帰るはずだったんだけど
一休のおばちゃんに くどかれてしまい
閉店まで飲んでしまいました  馬鹿ですね

とまぁ くだらないこと 書いてしまったけど
また今度 皆で飲みに行くことあったら誘ってください
楽しい飲み会は 大好きだから
あと もちろん2人だけで飲みたいって時は
喜んでついて行きますよ  なんてね…

それと 今度 いつになるかわからないけど
一緒に横浜行きましょう
太陽のでてる時に 横浜線にゆられながら…
そんで 中華街ぶらぶら歩いて 御飯食べよう
もう少し 涼しくなったら誘うから その時は
「いいよ」って 一言返事すればいいからね

いろいろ考えた 愁子って女の子のことをね
日曜の朝から色々と…

土曜の夜 俺が車の中で 愁子って女の子に言ったことは 嘘じゃないよ
でも 俺の思い通りになるわけじゃないし…
それで 色々と考えてたんだ  考えが少しまとまってきたから
手紙書いてるんだけど  俺は 愁子って女の子のどこに
魅力感じてるか わかんないけど 確かに魅力 感じてるんだよな
だからこういろいろ 考えちゃうわけだけど…

土曜の夜 心臓の音聞いてたんだ
とっても気持ち良かった 愁子の心臓の音
俺のこと イカレたあぶない奴だと思わないで 読んでほしいんだけど
俺はたまに その心臓の音聞いて 気持ち良くなりたい
逆に 愁子って女の子には 俺からその心臓の音みたいな
気持ちいいことしてあげたいんだ 気持ちいいって言っても精神的にね
だから 愁子が疲れたり 悩んだりしている時に 役に立ちたいんだ
俺はこれから そういう風にして 仲良くやっていきたい
友達とか 恋人とか そういうワクをはずして
仲の良い2人でいたいです 今 まとまった俺の考えです

変なこと書いたけど 俺はいいかげんな奴じゃぁないってこと
わかってください

それでは愁子さん こんな感じでよければ これからも
よろしくお願いしまーす
あと 土曜の夜 ありがとね

秋の好きな愁子様へ
            Eより

1989.10.4(Mon)


会社の同期入社で仲良くなったE君
私がE君の先輩と付き合うようになって
しばらく疎遠になっていました
その先輩と別れた直後に 同期の飲み会があって
帰りにE君が車で送ってくれたのです
別れ間際 E君は赤ちゃんみたいに 私の胸に顔をうずめて
私の心臓の音を聞いていました

この手紙をもらって なにか返事を書こうと E君が好きそうな
水色の便箋まで買ったけれど 結局返事を出すことはないまま
この後 私は別の男性と付き合うようになり
いつのまにかE君は会社を辞め それっきり会うことは
ありませんでした
当時 大人の男性に憧れていた私に 少年のようなE君は
物足りなかった
なのに13年経った今も この手紙は捨てられません
こんな素敵な手紙は もう一生もらうことはないと思うから

当時 E君に似てるスーツ姿のサラリーマンを見たと言ったら
「スーツの色は何色?茶色だったらうれしいな」
と笑っていたE君
今はスーツの似合う大人になったかな
(2002.10.17up)