第85回狂言三笑会TOPPA!合同公演

平成13年8月30日(木)京都府立文化芸術会館

 

1 素囃子「安宅・滝流シ」

(あたか・たきながし)

笛  森田保美

小鼓 曽和尚靖

大鼓 川村 大

2 能様式狂言

「通圓」(つうえん)

シテ 茂山正邦

ワキ 茂山 茂

アイ 茂山童司

地謡 茂山千三郎

    丸石やすし

    松本 薫

    茂山逸平

3 蚊相撲

大名   松本 薫

太郎冠者 丸石やすし

蚊の精 茂山千三郎

4 鈍太郎

鈍太郎  網谷正美

下京の女 茂山七五三

上京の女 茂山逸平

突然の大雨にもめげずにいってまいりました。私にとっては初の三笑会です。

今回は85回の記念にTOPPA!がでるということで、ウキウキしてチケットを

とってしまいました。

 さて、はじめは素囃子です。以前お話をきく機会のあった曽和さんが小鼓を

されていたので、どうしても曽和さんばかりをみておりました。なかなか私には

難しいかなと思ったのですが、小鼓と大鼓の音のピッタリあったところや、

迫力のあるリズムは聞いていて楽しかったです。

 今回の1番の問題は能様式狂言「通圓」(つうえん)でした。狂言よりもやはり

能に近いカンジなのでしょうか、台詞がほとんどわからない・・・。そして舞がとて

も多かったです。登場人物も多く、地謡の人も4人いて豪華だったのですが、

私にはちと難しかったかな。。。舞を観るのはとても好きなのですけどね(^^;

 次は狂言「蚊相撲」です。どういうお話かとおもいきや、人間を蚊の精が相撲

をとるというお話。相撲をみたくなった大名が太郎冠者に相撲のできる人間を

つれて来い、と命じます。太郎冠者が見つけた人というのが実は蚊の精!!

彼は相撲をとりながら人間に近づいて思う存分血を吸ってやろうと考えて、

大名の屋敷までのこのこついてきてしまいます。

そこで大名本人と相撲をとるのですが、まず最初の1番で大名の血をたくさん

吸いました。ヘロヘロになったけど、そのおかげで彼が蚊の精だと分かった

大名様。今度はなんとしても相撲に勝ちたいと次の1番は相撲が始まったら

すぐ太郎冠者に蚊を扇であおがせました!風に弱い蚊の精はフラフラしながらも

一瞬の隙をついて血を吸おうと襲い掛かってきます。

格闘しながら大名は蚊の精のくちばしを取ることに成功!!

弱った蚊の精とがっちりつかんで・・・グルグルまわして・・・なげたぁ!!

意気揚揚と去っていく大名と太郎冠者。そして舞台の上には・・・

「きゅ〜きゅきゅきゅ」と力弱く鳴く蚊の精。。。千三郎さんの蚊の精はハマリ役

だと思いました!!

 最後は狂言「鈍太郎」です。今回は宗彦さんがご出演予定だったのですが、

右ひざの痛めておられるようで、代役として七五三さんがでておられました。

長い間仕事で京都を離れていた鈍太郎は仕事が上手く行ったので、京へ

置いていった妻たちに会うために下京と上京の女の家へでかけます。

しかし3年手紙ひとつ来なかったため妻達は本当の鈍太郎だと気がつかず、

家に上げることはなく、邪険にしてしまいます。二人の女に見捨てられた

と思った鈍太郎は出家することをきめてしまいました。

本当の鈍太郎だと分かった二人の妻はあわてて考え直してもらえるように

たのみにいきました。二人の妻に止められて気をよくした鈍太郎は二人の妻に手車

をさせて、囃しながら帰るといいだしました。手車というのは・・・小学校の頃よくやった

のですが、二人でするおみこしみたいなものでしょうか・・・。最後は「誰が為の手車」

「鈍太郎殿の手車〜」と囃しながら本当に手車の上に鈍太郎がのって(二人の妻の腕

で作った手車の間に足を通すってカンジ?)おみこし状態で舞台を去って行きました。

今回のツボは、二人の妻に対する接し方の違い!!逸平さんにはとっても優しく、

メロメロっぽく接しているのですが、七五三さんにはいやそ〜に、仕方なさそ〜に

接するんです。そのギャップがすごくよかった!網谷さんの表情がとても豊かでした。

それにしても何度観ても逸平さんの女の人役は可愛い!でも何故か魔性の女だと

思ってしまうのだ(笑)

 

広島狂言会レポ!!レポートBY宵藍さん

ベリベリサンキュですvvv

1 二人袴

舅:千之丞さん 

太郎冠者:松本さん 

親:七五三さん 

聟:逸平さん 

後見:丸石さん

 

2 寝音曲

太郎冠者:千作さん 

主人:千三郎さん 

後見:松本さん

 

六地蔵

都のすっぱ甲:千五郎さん 

田舎者:正邦さん 

都のすっぱ乙:丸石さん 

都のすっぱ丙:茂さん

;逸平さんのかわいいお聟さんパワーにメロメロでした。親の七五三さんの心配そうな

表情も良かったし、千之丞さんの淡々とした受け答えも、ツボでした。

・・・ぶっ飛んでますね(笑)

太郎冠者の家の前を通りかかった主人は、上手な謡を耳にします。

翌日早速自分の前で謡うように命じますが、太郎冠者としては、今後たびたび謡わされては・・

と思い様々な理由をつけて断ろうとします。 

酒を飲まなくてはダメ、と言う太郎に主人は酒を飲ませます。すると今度は、

膝枕でなくては声が出ないと言う太郎。どうしても謡の聴きたい主人は、自分の膝を貸します。

渋々謡い出す太郎。最初は膝枕の時に声を出し、起きあがると声が出なくなるふりをしていましたが、

酔いが回ってくるにつけそのことを忘れてしまい、膝枕の時に声が出なくなり、

起きあがると朗々と謡う・・・という状態になってしまいます。

やっぱり千作さんの太郎が素敵でした。主人の申し出を何とか断ろうとするイヤイヤ加減とか、

膝枕されているときのかわいい格好に、場内は笑いが絶えませんでした。

主人も何とか起きあがって謡ってくれないものかという感じで、だんだんと太郎の

身を起こすのですが、起こされるにしたがって徐々に声が詰まっていくので、また膝枕をするんです。

この膝枕〜起きあがるというやりとりが、何ともほほえましくて、主人と太郎の関係って

単なる主従ではないような気がしました。

それにしても、千作さんがお酒を飲まれる演技は、何度見てもフワ〜ッと香りが漂ってくるようで

す。気持ちいいくらいの飲みっぷり!

田舎者が、辻堂に安置するための六地蔵を作ってもらうために都へ上ります。そこで、

我こそ有名な仏師と名乗る男(すっぱ)に会い、翌日までに仏を作ってもらう約束をします。

すっぱは、仲間2人に声をかけ地蔵に化けることにします。翌日田舎者が受け取りに行くと、

因幡堂の表堂と裏堂に3体ずつ置いてあるというので、それぞれの仏を見に行くのですが・・・。

以前萬斎さんの公演でも観たのですが、その時は仲間2人が「六地蔵なら、あと3人必要だな」

と言うのを「それでは各人の取り分が減るので、3人で何とかしよう」と言って、

3人×2カ所というパターンになりました。今回は、そういう相談はなく、

すっぱが仲間を呼び寄せて・・・という感じでした。やはり大蔵、和泉で若干違いがあるようです。

 この演目は、仏になりすましたすっぱたちの印相が次々に変化するのがみものでした。

最初のうちこそ仏らしく(?)印を結んでいるのですが、不審に思った田舎者が

「気に入らん!気に入らん!」といいながら表堂と裏堂を行き来するうちに、

だんだんと崩れてきます。ツボだったのは、丸石さんがシテ柱にしなだれかかって、

ちょいとお兄さん”(分かるかな?笑)というような格好をされたのと、茂さんが、

やり投げのような格好をされたあと、次にはそのやりが自分の胸に突き刺さったように

されたものでした。投げる方は“ほうほう、なるほど”だったのですが、

まさか胸に突き刺さるとは・・・。予想外の格好に大爆笑でした。・・・アドリブなんでしょうか??

それとも軽く打ち合わせるのでしょうか??非常に気になりました。

だって・・・千五郎さんと丸石さんが、ひとつの道具を取り合う、なんて場面もあったんですもの。

いつバレるかいつバレるか、とヒヤヒヤしつつも、めまぐるしく動かれるみなさんに

釘付けになった1番でした。