love letter 10
11月
彼女は朝から仕事で出ていた。
…裏切りだとわかっていた。
それでも…
俺にとってMikiは
誰よりも大切な存在だから。
駅に向かう。
着いたのは5分前くらいだっただろうか。
でも、もうそこにはMikiがいた。
「おはよう」
「おはよう」
二人の会話がぎこちなく始まる。
電車に乗って新宿へ。
でも気が気じゃなかった。
誰かに見つかったら…すべてが終わる。
(…実際は見つかっていたらしいが…)
なら、出かけなければよかった?
いや、そんなことはなかった。絶対に。
Mikiが喜んでくれるなら
すべてを捨ててもかまわない。
本気で思った。後悔なんて…全くない。
ついてすぐに昼食。
俺は行く場所を決めていたつもりだったけれど
そこへ行く途中で卵料理のお店を見つけた。
「そういえば、ここのオムライスもおいしいんだよね」
「オムライスがいい」
…決定。
店の中の記憶は
正直、あまりない。
緊張?いや、違う。
何か、夢の中にいるようで
会話をすることだけで精一杯だった。
その後は買い物。
最初の目的であるスカートを買いに。
でも、Mikiはいらないといった。
だから俺の買い物をした。
久しぶりの新宿だった。
新宿は「俺と彼女の思い出の街」。
よく遊びに来た。
どこに何があるかもある程度把握していた。
でも、それは
この日のためにあったんじゃないかって
本気で思えた。
この日、Mikiと二人で歩くために
今まで新宿に来ていたんだと
本気で思えた。
その後、少し話をした。
お互いのこと。塾のこと。
今の塾の悪いところ。
改善点を見つけた。
自分が努力してもっと生徒がいやすい空間を作る。
そうすることが俺の役目だと思えた。
そうしてその日は終わった。
…こんなに幸せを感じた一日を…
俺は今までにすごしたことはなかった。
初めて流れた二人だけの時…
もう二度と…流れることはない。
…この時はそう思っていた。この時は。