love letter 11
それから少しずつMikiからのメールが増えていった。
少しずつ。少しずつ。
朝はMikiのメールで目が覚めるようになった。
…隣では彼女が寝ているのに…
…最低の彼氏だ。
もちろん、彼女も俺の気持ちの変化に気付かないわけがない。
…いつだっただろうか…
俺の携帯を、ロックもはずして、見ていた。
Mikiのことを知られたことよりも、
携帯を勝手に見るという行為が何よりも許せなくて。
暗証番号も盗み見たのか…自分で探し当てたのか…
…前にもこういったことはあった。
そのときにもう絶対するなっていったのに。
そのときにもう絶対しないと約束したのに。
お互いがお互いを責めていた。
…これは単なる責任転嫁?
…そうなのかもしれない。
俺がMikiに心惹かれていること。
Mikiを忘れることなんて出来ないこと。
それを隠すためだったのかもしれない。
あいつが携帯を見たことは
おそらく当然の行為なんだろう…
それで俺を責めるのは
おそらく当然の行為なんだろう…
少しずつ、何かが壊れ始めた。
まるで過去に向かうかのように…
新しい未来が始まるかのように…
1月
あれから時は流れ…
過去と未来の境目が消えかけたころ…
俺に異動の話が持ち上がった。
少しずついろいろな校舎で授業をしていた。
その中でもメインの校舎を離れ
新しい校舎に入ってほしいと言われた。
それは…Mikiに逢えなくなることを意味していた。
でも、これは逃れられないこと。
いつか来る未来。
その未来の足音が聞こえた…
ひっそりと…確実に…
もう逢えなくなってしまうのかもしれない…
そんなことを意識し始めたころ…
深夜にメールが届いた。
…音でわかる…Mikiだ。
彼女の制止を振り切り、
俺は家を飛び出した。
こんな時間にメールをするなんて
Mikiに何かがあったんだ。
内容も見ていないのに確信があった。
落ち着いてMikiのことだけ考えたかった。
家の近くの公園に着いた。
周りはひっそりと静まり返っている。
ベンチに座り、携帯を見る。
…Mikiは…何を伝えようとしているのか?
…Mikiに…何があったのか?
メールを見て…泣いた。涙が止まらなかった。
このとき、俺は完全に過去へと立ち戻ってしまった。
このとき、新しい未来への道が開かれた。
…俺にはMikiを忘れることなんて出来ない…
何があっても…忘れるなんて無理なんだ。
「お互い、一番好きな人と一緒にいるのに…
お互い一番幸せなはずなのに…
なんて言うのかなぁ…
私は先生にとってただの「生徒」じゃ嫌なんだと思う。
だから、どうしたいとかじゃないんだけど…
いやだ。離れるのはいやです。
今までも一緒にいたんだ…離れるなんて考えたこともなかった。
出逢ってからもう二年半…
もう軽く恋人の域を越してるかな…
私、二番目になりたいなぁ、君の。」