love letter 16
…俺は…抱きしめる腕に力を入れた。
Mikiをやさしく撫でながら…
「告白」は…続いていた。
「…どうしよう…好きだよ…好きだぁ…
…好き…止まらないよ…
…どうしよう、私、告白しちゃったよ…」
「…Miki…」
「…先生…」
「…なに…?」
「…お願い…
…早く…早く…結婚して」
「…え?」
「早く…彼女と結婚して…」
「どうして…そんなことを…」
「…だって、私には彼氏が…
…先生には彼女が…いるんだから…
別れることなんて…出来ないってわかってる。
先生も…あたしも…」
…言葉が出なかった…
俺はMikiに何て言ってあげれば良い…?
俺の一番大切な女性に何て言えば良い…?
俺が誰よりも愛している女性に何て言えば良い…?
やっと想いが通じた女性に何て言えば良い…?
…俺は、意を決して、口を開いた。
「…話してくれて有り難う。
…Miki…俺は…Mikiのことが好きだよ…
でも…
結婚の話は…もう出てるんだ…
それもおそらく近いうちに…」
…そんなことしか言えない自分が
情けなくて仕方なかった…
「…そう…なんだ…?」
「…」
…これで良いのか?
本当にこれで?
「…でも、こんな気持ちで結婚なんて出来ない…」
「…結婚して…お願いだから…」
「…Miki…」
「…帰るね…今日は…」
…
…
Mikiがいなくなった教室。
俺は、思い出したようにメールを打った。
結婚なんかしたくないと。
Mikiのことが好きだと。
伝えたかった。何度でも。
たとえ遅すぎた告白でも。
二人が結ばれない運命だとしても。
数分後
電話が鳴る…メールが届いた。
「…先生が結婚しちゃうよ…いやだ…でも…
…何が…出来る…?何も出来ないよ…
いやだ…好き…」
…こんな結末…あるはずがない。
想いが通じ合った二人に…
こんな終わり方しか残されていないなんて…
…そんなの…信じたくなかった。
俺も…きっと…Mikiも。
ここで…止まっていることが幸せだったのか?
ここで…さらに求めた今が幸せなのか?
…そんなことは誰にもわからない。
…1つだけ確かなことは
…二人が求め合っていること。
…それだけだった。
…それだけで…よかった。