love letter 3


9月

「Mikiちゃんの英語担当してくれるかな」

上司にそういわれた。
…無理もない。
Mikiと出逢ってから二週間、
自分でも不思議なくらいに
二人の距離は近づいていた。
夏の間は自分の授業が終わっても
教室に残り、Mikiを教えていた。
まるで今までずっと教えてきた生徒のように。

俺が9月から教えるのは自然なことだった。
そう思えた。不思議なことなど何もなかった。

そして授業が始まる。
担当者変更の告知。改めて自己紹介。

「こうやって授業するのは初めてだね」

うれしそうにMikiが笑う。
何とも言えない不思議な感覚…
…あったかい、何か…
Mikiと話すたびに感じるその何か…
それを感じること。
いつの間にかそれが生きがいになっていた。

…なぜ?
なぜMikiが気になるんだ?
いつも目で追っていた。
見つけるたびに声をかけていた。
…わからない。
いや、わからないふりをしていた。

授業の後はいつものようにMikiの彼氏の話。
自分のことだけで精一杯だったはずなのに、
俺はなぜか親身になって聞いていた。

「この子を支える」

俺の中にいつの間にか存在した想い。
気がつけばそう思っていた。
このときにはもう始まっていたんだ。
新しい何か…時は動き出した。
…もう、止まらない…

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