love letter 4


ある日、俺が帰ろうとすると
校舎の外にMikiがいた。

「先生、相談したいことがあるんだけど…」

Mikiはそう言った。

時間は10時過ぎ。
スーツ姿の大学生と塾帰りの中学生が
話をするにはあまりにも遅すぎる時間。
だからといって、ほうっておくことは俺には出来なかった。
校舎から少し離れたところで話を聞くことにした。

少しずつ寒くなってきたあの季節。
飲み物を買ってMikiにわたす。
あったかいミルクティ。
Mikiが好きだといった飲み物。
あったかいミルクティ。

「彼氏が距離を置こうって…」

そんな話だった。

「そっか。酷い話だね」

俺が応える。

ある程度話をしたら
家に向かって歩きながら話した。
もう11時近くになっていた。
一人で帰すのは危なすぎる時間だ。
家の前まで送って行った。

…俺にはある癖がある。
女の子と歩くときは必ず自分が車道側。

「やさしいね。うちの彼氏にもやってほしいよ」

Mikiが言う。

「これくらい当然だよ。たいしたことじゃない」

俺は笑顔で応える。

きっとこれは間違っていることなんだろう。
きっと常識に反していることなんだろう。

わかっていた。もちろんわかっていた。
だからといって、やめることは出来なかった。
その時間がMikiに必要だったから。
その時間が俺に必要だったから。

「私、先生のこと、好きかもしれない」

おもむろにMikiが言った。

その言葉は
まだ自覚していなかった自分の中の想いを
俺に気づかせるには十分すぎるもので、

そのときに
俺は、はっきりと、思った。

「この子を支えたい」と。

…動き出した時は
止まることをしらない。
すべてを巻き込み、
動き続ける…

その先にあるものは…何も見えなくても。

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