★マンドリンへのいざない★


 皆さんは
「マンドリン」という楽器をご存じでしょうか?

 大きさ的にウクレレと勘違いする人もいるかもしれません。
 小さな弦楽器です。

 ハッキリ言ってマイナーな楽器ですが、名前ぐらいは聞いたことがあるのではないでしょうか?
 最近では、ハゲの(笑)ニコラス・ケイジ〜モト冬樹似(爆)が主演した『コレリ大尉のマンドリン』という映画もありましたし。


 なぜ、いきなりマンドリンを語りだしたかと言うと、私が一時期、某団体でマンドリンを演奏していたことがあるからなのです。

 マンドリンの存在を知ったのは中学ぐらいでしたが、まさかその後自分が演奏することになるとは、その当時は思いもよりませんでした。


 とにかく繊細な音色が印象的な楽器です。
 同じ弦楽器のバイオリンはマイクが無くてもコンサートが出来るくらいの音量が出ますが、マンドリンはマイクが無いと後の席の人は全く聴こえないでしょう。

 たまにテレビCMのBGMでマンドリンの音色を聴くことがありますが、知っている人でないと聴き逃してしまうと思います。
 以前、エビスビールのCMで映画『第三の男』のテーマが流れていたのを覚えているでしょうか?あれがマンドリンの音色です。


 では、このへんで、ちょっとウンチクを語りたいと思います。


○歴史
 マンドリンはイタリア生まれの楽器で、ルーツをたどるとメソポタミア文明までさかのぼることが出来るとか。
 今日の基を作ったのはヴェネチアのカラストロ・パロッキアという人で、1620年頃のことです。そして、1850年頃ナポリのパスクワーレ・ヴィナッチアにより現在のような形状になったとのことです。
 日本に伝えられたのは1894年ですので、100年ちょっと経ったことになります。
 活動は大学のマンドリンクラブを中心に、アンサンブル程度のものまで多数の団体が存在し、それぞれ独自に活動を行っています。


○形
 マンドリンの形は、いちじくを半分に割った感じの胴体にフレット付きの指板がついています。胴体がペッタンコのフラットマンドリンというのもありますが、よく見かけるのは半いちじく型のマンドリンだと思います。


○弦・ピック
 弦は金属製で、2本1組の8本(4組)から成っており、ピックを使って2本同時に弾くことで音を出します。バイオリンと同じ調弦で、高音からE(ミ)・A(ラ)・D(レ)・G(ソ)の4つとなっています。
 ピックはべっ甲かセルロイド、またはナイロン製を使います。ただ、べっ甲は上級者向けかもしれません。初級者がべっ甲で弾いても良い音を出しづらいので。
 楽器によってピックの大きさも変わります。マンドリンは小さく、マンドラ、マンドセロと大きいピックを使うようになります。


○演奏方法
 音の出し方は普通のピッキングの他に、マンドリン独特の「トレモロ」と呼ばれる奏法があります。
 トレモロとはイタリア語で「ふるえる」事を意味します。

 マンドリンは持続音を出すことができないので、ピックを規則正しくアップダウンさせ、短い音を連続して出すことで擬似的な持続音にします。
 この奏法がトレモロです。

 弾き方は、基本的に右手でピックを持ちトレモロを奏で、左手で指板の音階を押さえます。
 しかし、いくら素早く音階を押さえることが出来ても、トレモロが下手なままだと演奏そのものが上手に聴こえません。
 トレモロは、いくら練習しても練習し過ぎということはありません。
 マンドリン演奏の基本中の基本と言えます。


○マンドリン・オーケストラ
 普通、マンドリンの団体ではオーケストラを形成して演奏を行います。

 各パートを紹介していくと、1stマンドリン、2ndマンドリン、マンドラ、マンドセロ(マンドチェロ、マンドロンチェロ)、マンドローネ、ベース(コントラバス)、ギター(クラシックギター)で構成されます。

 ただし、マンドローネは楽器も奏者も少ないため、基本構成からはずされることが多いです。何しろ、人によっては見た目が楽器に抱えられている状態になるような大きさですので。
 また、曲や団体によってパーカッションや管楽器が加わります。


○パート紹介
 「1stマンドリン」は主に主旋律を担当しますが、演奏技術も高いものを要求されます。指がつるのではないかと思うような時も多いです。

 「2ndマンドリン」は主に対旋律を担当し、メロディーに厚みをつけるパートです。地味ではありますが、「縁の下の力持ち」的存在でしょうか。

            


 「マンドラ」はマンドリンを一回り大きくした楽器で、主旋律を担当したり伴奏を担当したりと、中庸(ちゅうよう)の楽器と言われます。簡単に言えば、おいしいパートということです。
 一般的に使われているのは「マンドラ・テノール」です。あまり使われない「マンドラ・コントラルト」というのもあります。
 ちなみに、私の担当はこのマンドラでした。

            


 「マンドセロ」はギターに近い大きさで、バイオリン・チェロと同じような役割です。主に低音部を担当し、曲によっては打楽器的な役割を果たすこともあります。

         


 バイオリン・オーケストラに置き換えてみると、マンドリンはバイオリン、マンドラはヴィオラ、マンドセロはチェロに相当します。


○演奏曲目
 演奏する曲目は各団体で異なります。当然と言えば当然ですが。
 マンドリン・オリジナル曲を演奏する団体もあれば、一般的なクラシックなどをマンドリン・アレンジで演奏する団体もあります。
 私が所属していた団体では、クラシック、ラテン、ジャズ、ロック、ポップス、演歌、民謡などなど幅広いジャンルの曲を演奏していました。


○作曲家
 ベートーベン、モーツァルト、ビバルディ、マーラーといった音楽史に残るような有名な作曲家もマンドリン曲を書いています。
 他にマンドリン・オリジナル曲の作曲家というと、ムニエル、アマディといった作曲家が有名でしょうか。
 日本では、マンドリンと聞くと年輩の人を中心に古賀政男を思い出す人が多いと思います。


○価格
 マンドリンのお値段ですが、普通の物で約7〜8万円、もしくは10万円ぐらいするでしょうか?中古でも3〜5万円はすると思います。
 良い物になると上はキリが無いです。
 私が所属していた団体の先輩は60万円の特注のマンドリンを使用していました。さすがに音も狂いづらいし、良い音色だったのを覚えています。
 しかし、ギターと比べると、かなり割高な楽器ですね。


○楽器初心者向け
 同じ弦楽器のギターはコードを覚えたりしなければなりませんし、フレットの無いバイオリンはどこを押さえれば目的の音が出るのか分からないという人もいると思います。
 そういった意味では、マンドリンは楽器初心者にも取っつき易い弦楽器と言えます。簡単に音が出せますし。
 ただ、先程書いたように、トレモロがしっかり出来ていないと上手に聴こえません。芸術的な演奏という面から見ると、他の弦楽器以上に難しい楽器と言えるかもしれません。



 こんな感じの楽器ですが、いかがだったでしょうか?

 エレキギターやシンセサイザーなど電気楽器全盛の時代ですが、マンドリンを始め、アコースティックな音色は普遍的に人の心の琴線に響く何かがあると思います。
 また、皆さんお馴染みの曲でも、楽器がマンドリンに変わるとガラッと雰囲気が変わって聴こえると思います。

 最初に書いた通りマイナーな楽器であるため、レンタルショップでCDを見掛けることはほとんど無いと思います。CDショップに行けば売っていますが、数が少ないので、見つけるのも一苦労だと思います。
 どうしても聴きたいという人はお店に注文した方が早いと思います。

 しかし、聴いて損の無い音色だと思います。CDや演奏会など、機会があれば一度聴いてみることをおすすめします。


 長くなりましたが最後まで読んでいただき、ご静聴(ご静読?)ありがとうございました。
 感想なんぞありましたら、メールやBBSにカキコしてやってください。


 ・・・ガラにも無く真面目に語ってしまった(^^;