☆FF]奮闘記☆

 先日、プレイステーション2専用ゲームソフト『ファイナルファンタジー10』(FF])をクリアしました。そこで、そのレビューなんぞを書いてみようと思ったわけです。
 一応、まだプレイしたことのない人のためにネタバレになるような重要なことは書かないようにするつもりだけど、言っちゃった場合はご勘弁を。
 m(_ _)m


 正直、最初は期待していなかったんですよ。
 主人公キャラが某ジャニーズjr.の滝沢もどきだったり、ヒロインが「[」のヒロインの「リノア」もどきだったり・・・。
 ハードがPS2になって、ソフトもDVD−ROMになったということで、画像はさらに良いものになるだろうし、新しく音声も追加されるということもあって、技術面ではまたスゴイものになるんだろうなぁ〜という予想はありました。
 ただ、音声が入ることで今までのFFの世界観を崩したりしないかなぁ?という不安な部分もあったわけで。。
 まあ、そんなこんなで実際にやってみたわけなんですが・・・。

 結論!
 これは面白い!!
 遊ぶ前までの不安はどこへやら。全くの杞憂に終わりました。

 自分の中では、これまでのFFシリーズの中でも1・2を争う出来だと思います(T・U・Vは遊んだことがないので除外)。
 ストーリーはもちろんのこと、何より登場人物達それぞれの“物語”が惹き付けさせるのです。

 ストーリーそのものは、どちらかと言うと暗い話かもしれません。“死に向かって生きる”というか。これはFF]の舞台となる「スピラ」という世界が死に覆われた世界であるためでしょう。
 で、その元凶が『シン』と呼ばれる巨大なモンスター。しかも、倒したとしても、また数ヶ月から1年程度の後に復活するという厄介なこと極まりない存在。
 しかし、例えわずかな期間でも「ナギ節」と呼ばれる平穏な時を過ごしたいのがスピラに住む者達の望み。
 この『シン』を倒すための唯一の方法が究極召喚で、これを修得するために召喚士は旅に出る。もちろん旅は困難で、色々な難題が出てくるというのが大雑把なストーリー。

 この旅をする召喚士がヒロインの「ユウナ」で、主人公「ティーダ」はその護衛である“ガード”という役割。
 旅の目的地「ザナルカンド」に着くまでのストーリーはティーダの回想という形を取っていて、それもなかなか斬新かなと。

 まず、ユウナは本ストーリーの10年前に『シン』を倒した大召喚士ブラスカの娘ということで、人々から多大な期待を受けている。重圧を感じつつも、偉大な父親を誇りに思い、究極召喚を得るための旅を開始します。
 が、この究極召喚は、使用者の命と引き換えの魔法。彼女は自分の命でスピラにナギ節をもたらすことが出来るのならと決意しているわけです。
 しかし、結局『シン』は復活してしまうため、何も変わらない。根本的な部分を変えなければ駄目だとティーダは考え、その方法を模索していくのです。
 ストーリーの終盤、どうすれば『シン』の復活を完全に防いで、なおかつ召喚士も死なないという方法が分かるのですが、その方法はティーダの存在そのものを危うくさせるもの。さて、どうする?と、なっていくわけです。

 他のメンバーはと言うと。
 サブゲームとしてプレイも出来る、水中で行う水球のような球技「ブリッツボール」の選手「ワッカ」。
 見た目は魔女のようで、実際に黒魔法のスペシャリストである、ユウナの姉的存在の「ルールー」。
 ユウナが幼い時から守っている、ライオンのような風貌を持つロンゾ族の「キマリ」。
 禁じられている機械を使用していることで、スピラ全体から嫌われているアルベド族の「リュック」。
 ユウナの父・ブラスカと共に10年前に『シン』を倒し、「伝説のガード」と呼ばれる「アーロン」。
 以上のような個性的な仲間が登場、共に旅を続けます。

 中でも、特にアーロンが重要人物!このFF]の真の主人公は彼ではないかと思わせるキャラクターです。
 彼は『シン』を倒した経験があるため、『シン』や究極召喚に関する全ての真実を知っている。しかし、何も語らず、若い召喚士とガードを導きます。自分自身の目で真実を見極めさせるために。
 とにかく、このアーロンがカッコイイ!見た目は一言で言ってしまえば30代半ばのおじさんなのですが、いかにも歴戦の勇士という感じ。堅いモンスターも難なく切り裂く、身長ほどの大きさもある大剣。友情に厚く、黙して語らず。彼の生き様に惚れた人も多いでしょう。どちらかと言うと、男が惚れるタイプです。実際、人気投票でもアーロンが1位だったようだし。
 とは言うものの、アーロンも最初は他のキャラと同じように魅力を感じていなくて。ああ、またこういう剣士タイプのキャラクターがいるんだなぁぐらいにしか思っていなかったんです。が、実際にプレイしてみたら感情移入しまくりのキャラだった。「コイツの生き様を見とけ!」って感じなのです。
 スピラに渦巻く、『シン』を中心とした終わることの無い死の螺旋を、誰よりも変えたいと願っているのがこのアーロン。
 先に書いたように、この作品中、“物語”というキーワードがよく出てきます。何かを変えたいと思いながら変えられなかったのがアーロンの“物語”。それを今度こそ変えるために彼も旅を続けるのです。

 そして、アーロンの“物語”と並んで重要なのが、もちろん主人公であるティーダの“物語”。
 彼の父親ジェクトはブリッツボールの伝説的なプレイヤー。息子のティーダにも否応なしに期待が集まります。そんな父の名声も、ティーダは自分に対する父の態度もあり煩わしく感じるだけ。父を誇りに思っているユウナとは逆の立場と言えるでしょう。
 しかし、旅を続けることで彼自身も成長し、父の自分への態度は息子にどう接していいか分からないが故の態度ということが分かる。不器用な愛情表現とでも言えばいいのでしょうか。結果、徐々にそれまでの気持ちが氷塊していくのです。
 父・ジェクトと再会した後のティーダの言葉はこの作品中でも、かなり印象的なもの。「あんたの息子で・・・よかった」。ぐっと来るものがありますね。
 ティーダとジェクトの関係は、現実世界とほとんど同じように感じます。
 男にとって父親というのは一番身近なライバルという部分もあるわけで。そのため理解しつつも反発してしまう部分がある。父親というのは、息子にとっては超えられるかどうかの大きな壁のようなものだと思います。これが母親と娘の関係だと、友達のように付き合えるのでしょうが。

 また、ジェクト、アーロン、ブラスカの3人の旅の回顧録を何回か見る機会があるんですが、それを見ると彼ら3人の“想い”に触れられて、また感情移入してしまいます。感じとしては、プレイしたことのある人なら分かるだろうけど、「[」の「ラグナ」達の旅に似てますね。個人的に「[」は本編よりもラグナの方がストーリーもキャラも好きでした。

 旅もいよいよ終わりに近づき、ラストバトルからエンディングまでは感動の連続といった感じ。
 人によってはベタだな〜と感じるだろうけど、だからこそ良く感じるのかもしれない。私なんかは涙腺緩みっぱなしです。本当に感動します。
 今シリーズはラストバトルにそれ程重要な意味が無いというのも新しい。ラストバトルの1つ前が真のラストバトルという感じで。これはプレイすれば納得いくはず。

 もう1人キャラクターを取り上げるとすると、敵キャラのシーモア。
 最初は「Z」におけるところの「セフィロス」のような感じで、こいつがラスボスかな?という印象だったけど、そこまではいかなかった。でも、思い返してみれば、「[」の「サイファー」、「\」の「クジャ」もラスボスにはなれなかったですね。ストーリーを考えてみると、彼はラスボスにはなれなくて当然というのが分かるけど。ただ、もちろん存在感ありまくりのキャラクターなわけで。
 終盤、彼も哀しい運命を背負ったキャラというのが分かって、ちょっと切なくなりますね。彼がなぜこうなってしまったか、その背景がしっかり描かれています。シーモアは考えが極端から極端へ飛んでしまうタイプのように思います。結果、悲劇が悲劇を呼ぶという形になってしまった感じです。

 本シリーズのストーリー上、召喚獣も重要な役割を担ってます。
 今までのシリーズでは、登場シーンなどのグラフィックばかりが注目されて、キャラクターのレベルが上がるとほとんど使われないという存在だったけど、今回は召喚獣を効果的に使うことで戦闘がメチャクチャ楽に。
 特に隠し召喚獣は強い!召喚獣も成長するので、レベルが上がれば99999なんていうダメージも与えることが可能。
 個人的には「ようじんぼう」がお気に入り。時代劇を彷彿とさせる登場シーンが味があって良いです。「アニマ」はシーモア専用の召喚獣ということもあって、外見は思いっきり敵キャラだけど強い。
 本シリーズの最強の召喚獣として登場するのが「メーガス三姉妹」。「W」をプレイしたことのある人は懐かしいのでは?敵キャラとして登場していた彼女らが今回は味方で、しかも召喚獣として登場するとは。ノリとしては「[」の「ギルガメッシュ」のような感じかな。
 普通にプレイしていく中で入手可能な、おなじみの「バハムート」は人型になってしまって、ちょっとイマイチ。今まで通りドラゴンの形態で登場してほしかった。でも、召喚獣の中では、ストーリー上一番重要な存在。

 敵モンスターもさらに個性的に。今までも属性はあったけれど、今回は身体の固さもしっかり表現されていて、身体の固いモンスター用の武器を使わないとダメージをまともに与えられなかったり、よく考えられてるなぁという感じ。
 ラスボスは、おそらくシリーズ史上最もチャチなラスボスなのでは?アルテマとグラビジャの魔法2つを使うだけだし。まあ、実質的なラスボスが他にいるからってことだろうけど。
 そんな実質的なラスボスよりもずっと凶悪なモンスターも登場。
 モンスター訓練場というのがあって、捕まえたモンスターといつでも戦えるという場所なんだけど、そこのオリジナルモンスターというのがいて。こいつらがとにかくメチャクチャ強い。ラスボスが雑魚モンスターに思えるほどの強さ。本当に倒せるのか?と思ってしまう。
 お馴染みのオメガウェポンもストーリー中に登場するけど、今回はそれほど強くない。「[」で登場したオメガウェポンは厄介な相手だったけど。最強の青魔法「サンシャイン」を入手するためだけに戦うという感じがしないでもない。

 「Z」からCD−ROMになって、それ以降サブゲームも充実してきたけれど、今回の「ブリッツボール」は特に面白いと思う。「[」「\」は時代を反映してか、カードゲームだったけれど、今回はスポーツゲーム。選手が育ったり、フリーエージェントの選手と契約して自分のチームを強くしたり、楽しめる要素が色々とある。簡単な操作なのも良いと思う。

 ここまでストーリーやキャラクターについて語ってきたわけだけど、今回の音楽もまた良いです。サントラ買っちゃいました。
 「[」から主題歌が採用されたけれど、今回の主題歌『素敵だね』も素晴らしい曲。歌っている『RIKKI』という女性ボーカルは、「[」の『フェイ・ウォン』や「\」の『白鳥英美子』に比べると知名度は低いけど、今回の楽曲に合っていると思います。
 もう1曲、歌入りの曲で、プロローグ部分で流れる『Otherworld』はロックテイストでカッコイイ!実はこの曲はストーリー中、もう1度流れる部分があるけど、それはネタバレになるから止めておこうかな。
 他のサントラでは、ザナルカンドで流れる、『素敵だね』をアレンジした『いつか終わる夢』がお気に入り。ちょっと寂しい感じなんだけど、これがまた良いのです。

 音楽もグラフィックもシリーズ史上、最高レベルにあるのは間違いないでしょう。元々、FFは映画のようなゲームを目標にして作られているということを聞いたことがあるけど、媒体がCD−ROMになって、さらにDVD−ROMにまでなって、本当に映画のような雰囲気も味わえるようになってきていると思う。
 実際、映画の制作も行われて、登場人物も全てCGということで話題にもなっていたけど。まあ、案の定というか、やっぱり映画はコケたけどね。登場人物がCGというのが受け入れられなかったらしい。これが成功していたら、俳優業は廃業になってしまうというのもあったみたいで。
 映画は失敗したけれど、この経験をゲームに生かせればまた凄いゲームになることが予想できる。楽しみだ。

 長々と書いてきたけれど、「]」は本当に面白かった。
 これまでのシリーズの中で、個人的には「Z」が一番のお気に入りだったんだけど、それと同じくらいハマってしまった。グラフィック的には「]」の方が断然上で、キャラクター的には「Z」の方がずっと好きだけれど、ストーリー的には甲乙付けがたい。
 「Z」は最初から期待してたけれど、「]」は最初はあまり期待していなかったのにこれだけハマれるとは思わなかった。出来れば、「Z」を今の技術力でもう1度作り直してほしいのだが・・・。

 次回作「]T」はオンラインゲームになるとのこと。
 これも今のところはあまり期待してない。家庭用ゲーム機のRPGは1人でプレイするものだと思うし、オンライン通信のためにまたオプションを購入したり、1部の人しか楽しめないような気もする。実際にプレイしたら「]」のようにハマるかもしれないけど。
 しかし、これでFFがコケたら、他のメーカーがオンラインゲームに参入しづらいだろうなぁ。それだけの影響力のあるシリーズなんだし。
 とりあえず、しばらくは様子見ってところかな。


                                  2002年5月上旬