PEACH BLOSSOMS

 

 

 

「よっ、師叔。今から俺っちとデートしないか?」

「ぶっ!なぜ おぬしとデートなどせねばならぬのだ?

わしは男とはデートせぬ。」

「ん───。そーじゃなくって・・・

たまには二人でぶらぶらするのもいーかと思ったさ。

「ただでうごくのはいやじゃ」

───。あんた・・・ほんっとにアホ道士さ。───

「じゃあ桃で手をうつさ。」

「しょうがないのう」

 

 

 

 

 

「風が・・・桃の花の香りがするのう・・・

どこまで流れて行くのだろうのう・・・

・・・ところで、どこへ行くのじゃ?」

「へっへー。師叔の好きな桃がたくさんあるところさ───。」

 

天化が口笛を吹きながら歩いて行く・・・

つられて、太公望も歌を歌ってみる・・・

 

ふと 太公望が歌うのをやめる・・・

 

「のう・・・おぬしは、わしにどうして欲しい・・・?

「・・?!犯して欲しい?

───むっ おぬし・・・何を考えておるのじゃ・・。

「いや・・そうではなくて、このさき わしらは

どーすればよいかときいておるのじゃ・・。」

「うーん・・このまま桃の花の香りがする風に

身を投じればなんとかなるさ。」

「だいじょうぶっさ。いざとなったら 俺っちや、

天祥が、たすけてやるから。」

「うむ。そうだのう。・・・流れに身を委ねよ・・・か。」

「おおっっ!桃の木が見えるではないか・・・天化 急ごう!!」

───なんか、さっきまでシリアスだったのに・・・

師叔は、きっとてれくさいんだな。───

「おーい。おぬし!なにをしておる?」

「すぐいくさ」

 

空はとても碧く澄みきった色をしている。

風の香りと、温かさが とても快い。

二人は桃の木の下に身を投げた。

果てしなく続く空にぽつんと浮かぶ雲がよけいに

空を碧くさせる。

 

 

 

 

「師叔っっ!!師叔っ!」

「むう・・・わしはまだ桃を食うのじゃ。。。」

───完全に寝ぼけてるな・・・

 

もう西のほうの空が緋く染まり始めている・・・

 

「師叔!───起きるさ!!」

「はぬ?!寝てしまったか・・・」

「もうあんなに空が緋くなっておるのう・・」

「ああ・・・そろそろ戻ろうか・・・」

 

今ここで頬を撫でた風が桃の花を揺らして流れてゆく・・・・

いつもと変わらぬ 平和な時の中を───

 

 

 

END

 

 

裕緋