其の六

 

3月3日・・・今日は楽しいひな祭り〜♪なんてうかれている私がいる。そういえば、昔、「なんで六月なのに鯉のぼりが泳いでんの?」と親に聞いたことがある。「九州は月遅れだからいいのよ!」なんて言われた。反論の余地のない一般論を自信たっぷりにいわれると、妙に納得してしまうものだ。アメリカについても、「何でアメリカは日本より何十倍も広いのに、人口は倍くらいなの?」「なんでアメリカ国内だけで二時間の時差があるの?」わずか三才の私に友もてんてこまいだ。「私、乳児卒だから・・・」って言ってすぐ逃げる友がそこにいた。

 

そもそも、九州ってなんで月遅れなのだろう?おしゃるさんも大好きな温泉の源泉は大分県が日本一なのになぜ・・・理不尽だ。「カレイ行こう」・・・この言葉にだまされる私。カレー食いに行こうじゃなく、カレイつりにに行こうってか。そしてまんまとはめられた私は冬の海へ・・・越冬ツバメももういない海、かじかんだ手で青虫を触る感触・・・日本のわび・さびとはまったく無縁の世界の中にいる私。♪ひゅ―るり―・・・ひゅーるりーららー・・・ききわけのない・・・お・ん・な♪・・・。寂しい、大丈夫?寂しいって感じになる。そして極めつけは、隣のおじさんが釣った魚を見て喧嘩になる。「あれはヒラメだ!」「いやカレイだ」・・・どっちでもいいと思うが、ふぐしか釣れない時って、そんな些細なことに執着して怒号しあってしまうものだ。「左 ひらめ 右 カレイっていうだろうが!」「そんな・・・証拠は?」ってな会話になって話は進まない。たんなる水かけ論で終わってしまう。彼は竹を割ったような性格なのに、あるときはひと癖もふた癖もある男へと変身する。一方、私はびっくり水のような性格で、目の前をちょうちょが飛んでくればどこまでも追いかけていくような男だ・・・あの日の決着は・・・今となってはどうでもいい事となってしまった。

 

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