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1月28日 リニューアル
新作小説が書き上がったので、そのタイミングでリニューアルしました。
今回の小説は、知人が舞台をやるというのでその原作として書き下ろした物です。内容は、恋愛の要素が絡んでいるサスペンス気味の読み物となっているので、まあ、暇つぶしにでも読んで頂けると大変ありがたいです。むしろ暇つぶし以外では役に立たない読み物です。
今回のリニューアルで掲示板をまた設置してみたので、もしよろしければ感想等を書いて頂けると、僕は非常に嬉しいです。もちろんメールフォームからでも大変喜びます。いいですか、大変喜びます。おみくじで凶を四年も引き続けている不幸な僕が大変喜ぶのです。ちょっとのことで風邪を引いてしまうので、普段から不摂生はしないように心がけている内に弱引きこもり化しているこの可哀想な僕が喜ぶというのです。人生に喜びなど見出せないぜと腐り、虚しさだけを友達に今まで生きてきた、この、惨めな僕が、喜ぶというのです。
もちろん僕のモットーはギブアンドテイク。なので僕を喜ばせてくれた方には、僕があみ出した新パフォーマンス『NIGIRI-PAY』を伝授します。
ニギリペイとは、握りこむことが極意であるという握りっ屁の概念をことごとくパクリあげた新世代の握りっ屁であると言えます。
つまりは、放屁なのであります。
(ここで、少しだけ腰をうかす。やがて漏れ出すガス、鳴り響くガス警報機)
失礼とは存じ上げながら、ついついおブッコいてしまいました。ほうひわけありませんわ。(最悪の駄ジャレ)
1月31日 気が抜けた。
テキストアップとリニューアルを同時に行い、気が抜けてしまったのだろうか、日記を書こうと思っても何も思い浮かばないのだ。それどころか、何もやる気がおきない。仕事もそう、やる気ゼロ。だから鼻ばかりほじって一日を過ごす。今日から僕の仕事はお鼻のお掃除。お上品に言うなれば、お花の害虫取り。これならばレディに聞かれても恥ずかしくない上に、なんだか気分は正義の味方。「素敵なお花を守ります、この身に変えても」と言っておけばポイントアップ間違いなし。「僕の指が犠牲になるだけで済むなら、喜んでこの指をささげましょう」と言いつつ鼻の穴に突っ込めば良し。その後、フンと息を吐きつつ指を勢いよく引っこ抜き、「害虫は去りました」と言いながら、レディの服に擦り付ければ尚良し。レディには「素敵なナイト!押尾学みたい!」なんて言われる。
けれど全然嬉しくない。押尾学は嬉しくない。それにナイトって、その表現むしろ痛いぜぐらいに思っておけば良い。
だから、今日も明日も害虫取り。気が抜けたから害虫取り。
そうだ、明日は米でも買いに行こう。
2月2日 La ヘアスタイル。
La 京本スタイルで有名なこの僕こと若京本正樹、略してワカキョンには行きつけの美容院がある。
そしてそこには、ワカキョンかかりつけの美容師さんがいるのである。特徴あるこの若京本ヘアーは、いや、このLa Kyo-MoToスタイルその物が、その美容師さんによって作られていると言っても過言ではない。だが、今日はどういうわけか非常に混み合っている。散々待たされた挙句、結局違う人がこのワカキョンの髪を切る事になったのだ。
だが、果たしてこの美容師さんに、ワカキョンのLa Kyo-MoToグランプリスタイルが作れるのだろうか。このKyo-MoToスタイルグランプリは、並大抵の精神の持ち主では作り得ないものなのである。
僕がそうやってブツブツ言っていると、その美容師さんが「どういう風にしますか」と聞いてきたので、「京本正樹っぽくキムタクで」と言ってみた。「いや、それはちょっと」と言われたので、「じゃあ、キムタクオンザ京本で、もしくはオンキムタクフロム京本で」と言ってみた。ついでだったので「かつキムタクっぽくナイーブに」と言ったはいいが、このとき既にワカキョンは自分で何を言っているのか分からなくなっていた。繰り返し思うことは、なんだよワカキョンて、と言うことだけであり、結局最後は「スポーツ刈り、イン京本で」と、泣きながら呟いていたので、美容師さんには迷惑をかけた。最終的に美容師さんが折れ、「五分刈りで前回のパーマを活かしつつウェービーに京本かつキムにいやんで」となり、結局僕のヘアスタイルはいつもと同じ爽やか京本になるのであった。
2月4日 鬼は外。
うっかりしていた。豆を撒きそびれてしまったのだ。
そう、最近すっかり季節を感じなくなってしまった為、昨日が節分だったという事に今頃気付いたのである。豆を撒いていない為、残念な事に、我が家にはまだ鬼が居座っている。もう、今更豆を撒いたところで、おそらくこの鬼は出て行ってはくれない。鬼が出て行かない限り、我が家に福は来ない。福が来ない限り僕は不幸なままである。ここは、なんとしてでも鬼に出て行ってもらわねばならないのだ。では、何を撒けばこの鬼は出て行ってくれるというのか。考えるのが面倒なので、鬼に直接聞いてみることにする。すると鬼は、軽く舌打ちをしてから「分かるだろ?大人なんだから」と言う。
分からないので詳しく教えてくれと言うと、鬼はまた舌打ちをしてから、人差し指と親指で、円を作って「ん」とだけ言った。
まだ分からなかったので、それはなんだと聞くと、鬼はまたもや舌打ちをした後に、「これでいいよ」と言って、指を3本僕に向けた。
よく分からなかったので、その指を握ってみる。すると鬼は「バカ野郎、これだよこれ!」と言って、僕から財布を奪い取る。そして中から、子供の給食費にあてる予定だった、内職でこつこつ稼いだ3万円を抜き取り、それから「ちょっとパチンコ行ってくるから」と言って出て行った。
鬼だわ!(エプロンを噛みながら)
2月6日 白猫君と僕。
休憩時間、なんとなく公園のベンチに座っていると、真っ白い猫と斑のある猫が僕の足元を走っていく。どうやら斑猫が白い猫を追いかけている様で、その2匹はやがて木に登ってしまった。
ある程度まで高く上ったところで、2匹は枝に乗り移る。白い猫が一段上から斑猫を見下ろしていて、斑猫はそれ以上追うのを諦めた様子だった。しかし、そこから2匹は動かない、斑猫は下を見るが、なかなか下りていかない。白い猫は様子を見ている。やがて斑猫はそろそろと下り始めた。途中で何度も足を滑らしながら、おっかなびっくり下りていく。その様子がとても愛らしかった。
さて、残った白い猫の方は、斑猫が去った後も全然下りる気配が無い。たまに下を見るが、一向に下りてこない。どうやら、高く上りすぎて、下りるのが怖くなってしまった様だ。
白猫は、ベンチに座っている僕を見る。助けを求めているのだろうか、時折物音がした方向へ顔を向けるが、またすぐに僕と視線が合う。「助けてくれ」と言わんばかりに。「下りられへんようなってしもた」と言わんばかりに。
僕は猫の頼みを聞き、木の下まで歩み寄る。そして上にいる猫に向かってジェントルにこう話しかけた。
「やあ猫君、今日はいい天気だね。ところで、君、そこから下りられなくなったのかい?」
すると猫はこう答えた。
「うるせえなこのクソ虫が、テメエの吐く息が臭えから下りたくねえんだよ。消えろやボケ、クソボンクラが」
「まあ、なんて失礼な猫ざんしょ!」突然の暴言に驚いた僕の中の別人格、『PTA』が、ついにその姿を現した!
が、すぐに(ダイエーの中に)姿を消した。
「猫君、助けてあげよう」と、僕は手を伸ばす。もちろん手は全然届かないが、飛び降りた猫を受け止めようと思ったのだ。
すると猫は、急に唾を垂らし始めた。ダラーンと、痰の様なものを僕の頭上まで垂らし、僕が驚いて逃げると、その痰を吸い、また口の中に戻すのだ。僕の驚く様子を見て、猫はげらげらと笑う。
「まあ、なんてお下劣な猫ざんしょ!」驚いたので、またもや僕の中のPTAがその姿を現した!
が、またすぐに(ダイエーの中に)姿を消した。今日は婦人服の特売日なのだ。
猫?
知らね。
2月9日 不思議なこともあるもんだ。
いつもウーロン茶を入れているガラス製のポットが割れた。それは、いつもとなんら変わりなく、沸騰した熱湯をポットに注いだ瞬間のことだった。突然ピシッという音がしたかと思うと一部がかけ、そこから今注いだばかりの、いや、今まだ注いでいる途中の熱湯がビシャァと流れ出したのだ。かなりの量を入れた後だったので、熱湯はそのまま流し台から流れ、僕の足に降り注ぎそうになる。
その時だった。
「危ない!」という声と共に誰かが僕を突き飛ばす。そのまま流し台に額を激しく打ち付け、うつ伏せ倒れこむ僕。やがて流し台から熱湯が、倒れている僕の上に滝のように流れ落ちてきた。
「熱い熱い!」と転げまわっている僕を尻目に、先ほど僕を突き飛ばした男が「危ないところだったね!」などと言いだした。
そして聞いてもいないのに、「僕は、ポットに閉じ込められていたポットの精霊さ!」などとほざき出す。
「ポットを割ってくれてありがとう!だから君を助けたのさ、僕を出してくれたお礼にね!もう少しで 君の足は大火傷だったんだよ」
僕は流しに打ち付けた額を押さえつつ、冷水で背中の火傷を冷やしながらその頭のおかしな男の話を聞く。
「今後はこんな事が無いように、これを使いなよ!」といって男は箱を差し出す。その箱には、「超マジックポット2003」と書いてあった。
「3万えーん!」と男が叫んだので、本気で5回殴りつけてから、またポットの中に封じ込めた。
不思議なこともあるもんだ。
2月11日 不思議なこともあるもんだ2。
PCのモニタを液晶に変えてからというもの、視力がグンと落ちた気がする。いや、落ちたと言い切れる。
もともと悪かったのだが、運転免許がなんとか裸眼で取れるくらいの視力は持っていた。液晶に変えてから約一ヶ月、以前ならなんとか見えた距離では、もう完全にぼやけてしまって見えないのだ。これはもう、ガネーメのお世話になるしかないのか、などと呟いているとどこからとも無く声が聞こえてきた。
「おいお前ガネーメって言うのやめろよ」
誰だ、私に話しかけてくるヤツは。
「俺はお前の良心だけどよ、そんなこと言ってるヤツ見たことないぞ。カッコいいとでも思ってるのか?」
いや、ギャグとしていけるかなあ、と思って言いました。
「お前、なんでもギャグって言えば済むと思ってんの?バカじゃないのホント。何、ガネーメって。正直俺は幻滅した。っていうかキモイよお前」
い、いや、そんなつもりじゃ。私はただ、面白いかなあと思って……。
「面白いもクソもない。俺は不愉快だ。久しぶりにこんなに不愉快な気持ちになったよ。あーあ、どうしてくれんのコレ。マジでさあ」
す、すいません。あの、私はどうすれば……。
「何お前、大体どれだけ視力悪いの?」
(看板を指差して)その文字が見えないくらいです。
「ふーん、それはまずいね。だからガネーメとか言っちゃうようになっちゃうんだ、ふーん」
すいません、その……、もう二度と言わないので、私がその……、ガネーメと言ったなんて事は、あの……できれば他言しないで欲しいのですが……。
「いや、それは駄目。ダメーネ、それは」
はい?
「ゴホン、いやなんでもない」
今、ダメー……なんとかって聞こえたんですが。
「いや、聞き間違いでしょ」
いや、確かに聞こえたんですが。
(急に良心は机を激しく叩きつける)「言ってないっつってんだろうが!!」(タバコに火をつけてから)「……しつこいと嫌われるよ、お前」
……すいませんでした。
「ああ、そうそう、お前さあ、視力悪いならコレかけろよ」
それは?
(ポケットから、老眼鏡と書かれた箱を出す)
「これね、超LOW眼鏡」
超LOW眼鏡?
「そう、これかければバッチリだから。ホレ、かけてみ」
別に老眼ではないんだけどなあ……。
「うるせえな、ガタガタ言わずにかけろよボケ」
……こうですか?
「ああそうそう、よく似合うね」
なんだか逆にボヤけちゃって見えないんで、やっぱりいらないです。
「……お前さ、お前が一度かけた中古のメガネを返すって?」
はい?
「だからさ、これもう商品にならないでしょう」
いや、商品って……。
「困るんだよ、買ってもらわないと」
は?
「困るっつってんだろう!」(怒鳴りながら超LOW眼鏡を床に叩きつける)(LOW眼鏡は粉々に) 「ほら、お前のせいでこんなになっちまったよ」
いや、今、あなたが叩きつけたんでしょう。
「弁償してもらわないとね、これは。それが社会のルールってもんだからさ、まあ、俺とお前の仲だ、3万円でいいよ」
はあ?
「だから、3まんえ……」
ヤツが言い終わるより先に、私は良心に殴りかかっていた。5回ほど眉間を殴りつけてから、また、心の奥にしまいこんだ。不思議なこともあるもんだ。
2月13日 上司と僕。
愚痴っぽいことを書くが、最近、上司が代わった。と言っても昨年末ごろからなのだが、今度の上司はバカみたいに口うるさい。
同じ事を何度も言ったり、一度決定したことを簡単に何度も変更したり、細かいことをネチネチ言ったりと、言い出せばきりが無いのだが、とにかく困った人なのだ。
しかし、たとえバカみたいな変更が繰り返されたとしても、やらねばならないのだ。何度同じ事を言われても、聞かねばならない。それが下っ端というものである。例え心でバカだなあ、と思っていても、顔に出してはいけない。僕はいつでも「ハイ!オデ頑張ります!」と言ってから鼻水をすすって仕事にとりかかる。
「君、何度もいうけど、鼻水はすすりなさい」と言われても、「ハイ!オデ、すすります!」と言いながら、袖で鼻を拭ってから仕事にとりかかるのだ。鼻水がのび、袖がカピカピになり、「君、何度も言うけど、その袖カピはやめなさい」と言われたとしても、「ハイ!オデ、カピやめますっピ!」と言ってから袖をはさみでちょん切り、仕事にとりかかるのだ。いや、「スイマセン!仕事ってなんでしたか!」と上司に何度も聞いてからようやく仕事にとりかかるのだ。もちろんトイレのあとは口うるさく、「君、何度も言うけどしっかり流しなさい」と言われたり、「ズボンは履きなさい」と言われたり、「チンチンだけはなんとしてでも隠しなさい」と言ってくれたり、「他はいい。チンチンだけは出してはいけないよ」と教えてくれたり。と、とにかくいい人なので、オデ、あのしと(人)だーいすき!!
2月15日 ガス中毒。
我が家の暖房器具は主にガスストーブ。小さいくせにパワフルな奴で、スイッチを入れると温風を勢い良く吹き出し、瞬く間に部屋中を暖めてくれるのだ。
今日もいつものようにスイッチを入れて温まるのを待っていた。だが、すぐに異変に気付いた。あきらかにガス臭い。しかし、ここでストーブを止めてしまったら僕の負けだ。そう、今シーズン買ったばかりの、2万円もするこのストーブを疑うということは、即ち僕の敗北を意味するのである。なのでこれは気のせいだと自分に言い聞かせる事にして、そのまま放っておくこと十数分、ついに喉が痛くなってきた。気付けばこの部屋、ものすごくガス臭い。ものすごくガス臭いこの部屋。超ガス臭いこの部屋。この部屋超ガス臭い。ガス臭いマイルーム。マイルームはガスの臭い。悪臭ルーム。ガス漏れインマイハウス。超スーガーサイクールーム。漏れガス死の直前部屋。死の直前部屋親方。直前部屋親方!
「直前部屋親方で決定でいいスかね!」
「なんでもいいから話を先に進めよう」
「ダメッスよ、なるべくオシャレに、が俺らのポリシーなんスから!」
「じゃあ、悪臭ルームなんてオシャレなんじゃない?」
「いや、なんかそれ別の意味っぽいんでダメッスね」
「じゃあその、なんとか部屋親方でいいよ」
「なんスかそのフテくされた態度。感じ悪いッスね」
「だから何でもいいって」
「何でもいいとか、そういうのじゃないと思うんスよ。そういう精神が日本をダメにするんスよ」
「いや、別に日本とか関係ないからさ、話を進めようって」
「あーあ、もう駄目っすわ、俺やる気なくなりましたもん。もう今日は無理っスわ。あーあ、先輩のせいッスから。親方オシャレに死んでも俺のせいじゃないっスから」
「いや、俺だって親方がスーガーKISSdockで死んでも関係ないよ」
「なんスかそのオシャレな言葉」
「ガス中(チュウ=kiss)毒」(死亡)
「オッシャレーイ!」(死亡)
2月17日 正義感とヘルス。
昼飯時、職場付近を散歩をしていると、向こうの方から古新聞と雑誌の束を持った若者が歩いてきた。そして何を血迷ったか、ゴミ集積所でもないのに、道路の真ん中にそのゴミを置いて立ち去ろうとしたのだ。なんてモラルの欠如した奴なのだろう。僕は我が目を疑った。
その現場を見てしまった以上、黙って立ち去る事は出来ない。こう見えても僕は正義感に溢れている。見て見ぬふりなどできるわけが無いのだ。僕は早速見て見ぬふりをしてその場を立ち去った。
と思わせておいて、その雑誌の中から一冊引っ張り出してから若者にいきなり声をかける。
「これでヌいていい?俺もうたまんねえよ」
と言いながら引っ張り出してきた雑誌、ターザンを開く。
「ってオイ!こんなんでヌけるかよ!」僕は一人で興奮して雑誌を投げ捨てた。
「もっと他にないの?なんかこうグッと来るような雑誌」そう言いながらさらにもう一冊引っ張り出す。
「そうそう、こういうのだよこういうの、へルス情報。いやー、グッとくるねー」と言いながら日経ヘルスをめくる。
「いやあグッと来るねえ、ひざの外側から。ってアホか!なんでO脚脱出なんだよ、なんで外側から内側に圧力なんだよ!」
くどくど突っ込みながら雑誌を投げ捨てる。
「もう話しにならねえ!お前コレ全部持って帰れ!」と、気付けば犬に話しかけていた僕は可哀想なんかじゃない。いい奴なんだぜ。(日経ヘルスで健康促進)
2月20日 爪が割れた。
爪が割れた。右手親指の爪が、真ん中からメリメリっと。それは地獄のような痛みで、割れた瞬間に、僕はもう終わった、ついに死ぬんだこりゃと思った。死んで、お金持ちの息子に生まれ変わるんだ、と思った。ラッキーだ、お金持ちの息子に生まれる事ができるなら、死ぬのも悪くない。いや、喜んで死のう。死因は親指の爪割れ。なかなかイカスじゃない!
だが、残念な事に僕は生きている。親指には安っぽい絆創膏を貼って、なるべくそこに力を入れないようにしている僕がここにいる。これはなんともアンラッキーであり、これでは親指の爪が割れた意味がないと言える。
しかも、割れたままの爪は非常に痛々しい上に、格好悪い。そこで僕は、なんとか格好だけでもつけられるように色々と考えた。人間、格好つけられなくなったらおしまいだ。
早速、定番のとんがりコーンを付けてみた。しかし、これでは当たり前すぎて個性がない。そこで僕は三角コーンを付けてみたのだ。工事現場によくあるあの赤いやつだ。
すげえ!
この意表をついたデカさ赤さの、なんというカッコよさよ!久しぶりに会った友人に、「久しぶりに見たら、お前、爪デカくてカッコよくなってねえ?」って言われること間違いなし。「それに、めちゃめちゃワイルドじゃん」とも言われる。
そう、根元の黒と黄色の縞々がなんともデインジャーである。不良っぽさ、踏み切りっぽさを感じさせずにはいられない。俺に触れたら命を落とすぜ。女はワイルドな俺に惚れる。惚れるワイルドな俺に。そして三角コーンを工事現場に返してこいとせかす。俺、しぶしぶ返しにいく。俺、現場のおじさんに怒られる。俺、悪くないよ、勝手に爪についたんだよ、このでかいのが。コッチだって迷惑したんだからさ。
面白くないな。(全てが)
2月23日 蒼天の下へ。
このテンションの低さは一体なんだと言うんだい、もっと声出して行こうよ自分!と、景気づけに自分の尻をぴしゃりと叩いてから勢いよく家を飛び出した。
いや、本当は飛び出していない。僕はこの2日間、狂ったようにPCの前にかじりつき、信長の野望 蒼天禄というシミュレーションゲームにはまっていた。つまり、景気づけられて城を飛び出していったのは配下の武将であり、僕ではない。それに僕はPCの前から立ち上がることを断固として拒否しているので、飛び出しようがないのだ。
「オイラは飛び出すけどNA!」
と、僕の下半身が相変らず同じようなギャグを飛ばしながら飛び出したが、僕は無視してゲームを続けた。
間違っている。僕はそう思った。飛び出せば面白いとでも思っているのだろうが、そんなのは面白くない。そんなのはギャグではないのだ。
僕は本当のギャグが何なのかを考えながら視線を下に向ける。そこにはチャックから勢いよく飛び出したはいいが、行き場を無くした草原のペガサスが申し訳なさそうにうな垂れていた。ああ、良いんだ、君は悪くない。落ち込まないで、僕が本当のギャグを見せてあげるから。
そう言いながら僕は立ち上がり、チャックから出ている街角のヴィーナスはしまわずに、そのまま走って部屋の窓をぶち破って蒼天へと飛び出した。
だが運悪く通りがかったトラックにぶち当たり、僕はあっけなく昇天してしまったのだ。
まあ、これが本当のギャグだね。(THE 絶命)
2月25日 投げやりdays。
楽しい楽しい昼飯時。今日のメニューはほか弁の特ノリタル弁当だ。特ノリタル弁当とは、ただのノリ弁当よりスペシャルな、タルタルソースがついてるノリノリの弁当なのさ。こんちくしょうめ。なんていう憎らしい弁当、アンド駄洒落だこんちくしょうめ。
さて、そんな憎たらしい弁当を、これまた憎たらしい仕事をしながら食べようと思った矢先のこと。タルタルソースを搾っていた僕の手元が狂ったのか、それとも頭が狂ったのかはわからないが、なんとタルタルソースのあんちくしょうが職場のPCのキーボードの上に見事に落下。
そんときゃホント憎らしかった。「N」キーと「M」キーの間に、見事なまでにめり込みくさったタルタルソース。僕は呆気にとられてしまった。
もう、そんなのは無視して文字入力しようかとも思った。「ん」とか「も」とか打つたびに僕の指がタルタルっぽくなるだろうが別に構わないと思った。いっその事キーボードの隙間全部に、なにかしら油っぽいものをめり込ませてやろうかとも思った。その時の僕はもう、そんな投げやりな気持ちで一杯だったのだ。
なぜならば、ティッシュで拭けるのは表面だけで、隙間にめり込んだタルタルソースまでは届かないのである。拭くたびに画面に出る「ん」やら「m」の文字、気付けばメモ帳「んんんnmmmんmmmniceなうnkおno、odemashidai!」と入力されていたのには驚いた。が、当然ながら途中からは嘘である。大変申し訳ない(鼻をほじりながら)
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