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4月2日 届かぬ郵便物2。
前回の日記で書いた、郵便物が届かなかったという件で、実は結構困っている。
今まで届かなかった物の中には、金銭関係の書類もあったはずなので、これの行方が解らなくなったり、とにかく面倒な事になっているのだ。
結局は、郵便局側の勝手な判断で、僕が再度引っ越したという様な事になっていたらしい。しかし、電話に出た担当の態度は、まるで僕が悪いかの様に横柄だった。
例えば、「表札を出してくれませんか?」と言われたのだが、僕はデカデカと表札を出している。確かに僕の存在を大々的にアピールする為に、一部写真を使い、メッセージ性の強い物にはしているが、それでもこれは表札で、この部屋には、誰が住んでいるかも明白なのだ。
しかし、偉そうな感じは否めない。これでは郵便物を持ち帰ってしまいたくなる気持ちも解らなくは無い。
だから僕は次から謙虚な気持ちで人を迎える事にしたのだ。こうすれば郵便も届くし、近所の人も我が家に寄りたくなるだろう。
寄りたく(なく)なるだろう。
4月5日 悪夢にうなされる。
「お下劣大魔神よ、今、死の底から蘇りたまえ!」
その声を聞いたとき、僕は眠りから目覚めた。周りは真っ暗で、自分が布団の中にいる事に気付く。どうやら夢だったようだ。自分の寝言で目が覚めたのだろう。それにしても変な夢だった。額を触ると、酷く汗をかいていた。こんなに汗かきだっただろうか。
僕は布団から出て、水を飲むため台所へ立つ。蛇口の締りが悪かったのだろう、ぽちゃんぽちゃんと水が滴っている音が聞こえた。その時だった、寝起きの頭の中に、突然閃光の様なものが見えた気がした。そして閃光は言葉へと姿を変え、僕の口から飛び出す。
「おじいちゃんやないかい!」
その言葉を言うと同時に、僕は蛇口を手の甲で叩いていた。叩かれた蛇口は、はじかれ、ジョロジョロと水を垂らしてから横を向いた。その様子を見て、また閃光。
「根元をしばらんかい!ホンマ締りの無いちんポやなあ!」
毛穴が粟立つのを感じた。口を押さえ、その場にへたり込みそうになる。なんてことだ。今の関西のイントネーションを含んだ言葉が、僕の口から飛び出したのか。信じられない。
しかし確かに自分の声帯を通して響いた「ちんポ」と言う言葉。
僕は、今まで男性の陰部にぶら下がる幻、即ちペニーズの事を、ちんポなどというお下劣な表現で口にしたことなど無かった。今まではずっと、「夢幻の庵(ゆめまぼろしのいおり)」と言う、上品、かつ何を指しているのか解らないほどオブラートへ包み込み(いや、既に核シェルターへの格納と言っても良い程だ)表現してきたのだ。ましてや、蛇口を見て、それをグレイトフルデイズに例えるだなんて、かつての僕には、いや、眠る前までの僕には考えられなかった事である。
僕は先ほど見た夢を思い出した。お下劣大魔神が、死の底から蘇るのを。そして蘇りしお下劣大魔神が、わき目も振らず向かった先には、ヘルスという看板が掲げてあった事を。
なるほど、蘇ったばかりで、自分の健康(ヘルス)に不安があったんだな、感心感心。僕も見習いたいもんだ。
4月8日 (クソ)レンタルビデオ屋。
数少ない友人から聞いた話である。
友人の彼女がレンタルビデオ屋で会員になろうとした際、身分証明書に保険証を提示したらしい。しかし、その保険証の期限は3月31日までであり、会員になろうとしたのは4月5日だったそうだ。そこで、店員も普通に断れば良いのに、そのなべやかん似の店員の断り方が酷く、半笑いで「これじゃあダメじゃないですか、なれませんよ、こんなんじゃ。だって期限切れてるじゃないですかっ」と、馬鹿にした様子でヘラヘラのたまったそうだ。
その様子を見ていた我が友人の中のもう1つの人格(そう、友人は複数の人格を持つ、多重債務者なのだ)(この人格はこの消費者金融、と言うように使い分けているらしい)(本当かどうかは解らないが、僕は嘘だと考える)(しかし明らかに多重間違いである事は言うまでも無い)怒り屋do介が目を覚ましてしまったのである。
眠りから目覚めし怒れる人格do介は、怒りのあまり死亡した。その際、他の人格も全て死んだそうだ。
そこで新しく生まれたのがこの僕です。こんにちは!この世は幸福に溢れてる!(憤死)
4月10日 この世は怒りに満ち溢れ。
「おじさんはね、今、怒りに満ち満ちているんだよ」
道端で遊ぶ子供達に笑顔でそう語りかけると、皆、一目散に逃げ出した。
「怒りに満ち満ち、ミチミチ溢れているんだよミチ」
散り始めた桜の木にそう話しかけると、物凄い勢いで花びらが全て散り、枝は全て朽ちて折れ、しまいには倒れてしまった。
今、邪悪なオーラを身にまとい、郵便局への復讐を誓った一人の男がここに日記を記している。そう、僕は局員に騙されたのだ。
以前、郵便物が届かない旨を郵便局に伝えた際、局には僕宛の郵便物は残っていないと言われた。にもかかわらず、今までの分が「あて所に尋ねあたりません」スタンプが押され、今日、ごっそりと届いたのだ。それは、局に留めてあった証拠である。中には、役所に聞いても行方が分からなかった保険証まである始末で、まったくもって救いが無い。
何故救いが無いのかというと、実は一昨日、保険証を再発行したばかりであり、その際、仕事に遅刻したからだ。
先週の、ポストに入りきらないサイズの郵便物が、ポストの下の地面にデーンと落ちていた事件と併せると、僕は「若干不幸代理(国内)」から、「若干不幸(国内)」へと昇進した事になる。
昇進の感想は、なんだこの地域、という事であり、昇進を手伝ってくれた郵便局員へは感謝の気持ちを込めて、ゲンコツを送りたいと思う。
心から、本気のゲンコツを送りたいと、強く思う。
4月13日 証明写真パニック。
証明写真を撮る必要があったので、スーツを着込み近所の写真屋へ向かった。そこでは、普通のスピード写真とは違って、デジタルカメラで撮ってくれるので、何度でも取り直しが可能なのである。
証明写真に真面目な印象は必要なのだが、硬い印象ばかりでは個性がない。つまり、真面目な印象であると同時に、柔らかな雰囲気を出す事も必要なのである。というわけで、柔らかさを出すため、下半身は裸で撮影に挑んだのだ。
僕は下半身にぶら下がるお方の柔らかさには自信があった。僕のお袋さんは、大福モチよりも柔らかいのだ。
「柔らかくあってくれよ、お袋さん」
僕はそう囁いて、席に座った。
写真は、お姉さんが撮ってくれた。
テレビモニタに映し出される自分の顔を見て、何度か撮り直しをお願いする。モニタに映っている僕の人相は凄まじく悪い。こんなのは僕ではない。僕はもっと優しい、そう、花に例えるならウツボカズラの様に華やかなのだ。
華やかなのか?
僕は自分に問う。ウツボカズラは、どちらかと言えば気持ちが悪い。気持ちが悪い上に虫を食う。しかし僕はと言えば虫など食わない。つまり僕はウツボカズラではないのだ。
では、僕とは一体何カズラなのか。
カズラサンシと言う、非常に低レヴェルかつ不愉快な駄洒落が浮かんだので、僕は戒めに自分のお袋さんを引っ張った。「ギャー」と声を上げて、立ち上がる僕。僕立ち上がる。これでもう、愚かな考えはおこすまい。
しかし、疑問は残る。
僕は何カズラなのだ?一人で悩むが、思考の迷宮にはまり込むだけ。僕は意を決して写真を撮ってくれているお姉さんに聞いてみた。
「僕は何カズラなんズラ?」
しかし、お姉さんは知らないと言う。
「じゃあ、これは何ズラ?」
仕方がないので、僕はお袋さんを引っ張り上げてこう続けた。「キウイに見えるがキウイじゃない、フグのようだが毒は無い、人畜無害の玉袋、コレなーんだ!」
その瞬間、僕はハッと口を押さえた。しまった。答えを言ってしまった!
お姉さんの視線が突き刺さる。
「そんな目でみないでよ!バカー!」
バカーと言う叫び声が、写真屋にこだまする。僕は店から走って出ていた。
「結局、男はいつだっていやらしい目で女を見るのよ」
僕は暗い布団の中で、ただ泣くことしか出来なかった。
4月16日 考える下半身。
最近、朝起きるのが猛烈に辛い。これが春眠てヤツだ。起きれなくてシュンミンません。と、僕の脳の一部が、僕の意思とは関係なく考えくさったので、仕方なくここに書いたのだ。
だから僕は悪くない。こっちだって迷惑しているのだ。上にある駄洒落と呼ばれる古から伝わる呪いの言葉は、決して僕のせいではない。僕の脳のせいだ。こんな恥ずかしい事を考える僕の脳が、僕は恥ずかしい。
しかし、恥ずかしいと感じるのもまた、僕の脳であり、つまり、僕の脳が恥ずかしいから、僕はいつまで経っても恥ずかしいのだ。そして、恥ずかしいの概念は主に下半身にある。例えば(まともな人間なら)チャックが全開だと恥ずかしく思うし、人前で意図せずお出ましになられる「お屁」もかなり恥ずかしい。
この事から、僕の脳とは下半身であると言える。つまり僕は下半身で物を考える人間なのだ。
「なのだ、じゃないわよ!」
突然僕の脳(下半身)に、誰かの声が響いた。その響きが僕の脳(下半身)を刺激する。
僕は少しだけ前かがみになる。
「下半身と一緒にされるなんて、侮辱もいいところよ!」
僕の脳(下半身)が怒って、頬を膨らませている。これはまずい、なんとか怒りを静めてもらわねば。
「ちょっと待ってくれよ、俺が悪かったって」
僕は自分の脳(下半身)に向かって謝った。
「じゃあ、あたしのことイイコイイコしてよ」
「したら、許してくれるのかい?」
「いいから早くして、ティファニーの指輪が欲しいって言い出す前にね」
言われるがまま、僕は自分の脳(下半身)をイイコイイコし始めた。給料前だってのに、バカ高い指輪を買わされるよりはましだ。
撫でるにつれ、僕の体はますます前かがみになる。
「やっぱ、イイコイイコは気持ち良いなあ」
「……俺もだよ」
下半身が溶けていくような錯覚。気持ち良さが全身に広がり、僕はたまらず吐息をもらす。そして徐々に息が荒くな(以下自主規制)
4/16
街中で自慰をしていた変質者逮捕される。警察の調べに対し、局部に脳がある気がした、撫でれば許してもらえる気がした。と話している。
4月18日 騒音改築工事。
隣の家で改築工事が始まって、朝、いつもよりも早く起こされる事2日。まあ、起きれないよりはマシかもしれない、と思い、1日目はちょっとした早起きを楽しんだ。
が、2日目、朝7時にたたき起こされた時、僕は少々イラついていた。ガンガンガン!ゴンゴンゴン!という不快な物音で目を覚ますこの日々が、後何日続くのだろう。
僕は滅多な事では腹を立てない(しかし、怒るときは怒る。それが男らしさというものである。例えば、誰かと目が合えば、問答無用でブン殴ることも必要だし(それが例え面接の場で、自分が面接官だったとしてもだ)、肩がぶつかれば末代まで呪いをかける事も、また必要なのである。それが男のプライドと言うものだ。女子供は黙ってらっしゃい!(毅然とした内股で))心の広い人間なのだが、今後の事を考えるといささかウンザリした。特に土曜日の朝、同じように起こされたら、僕はきっと腹を立てるに違いない。そして、土曜日に腹を立てるなら、今腹を立てても同じ事ではないだろうか。
そこで、僕は怒りの一日前借をする事にしたのだ。
これは実に難しかった。何せ、少々イラついているだけなのに、さも猛烈に腹が立っているフリをせねばならないからだ。だが僕はやり遂げた。腹を立てているフリをして、一日を過ごしたのである。怒っているフリをしながら仕事をこなし、飯もプリプリ食い、そして家にぷんスカ無事に帰ってきたのである。
無事で何より!
僕は家に帰ってきた事を祝い、コーラで乾杯した。 やはりコーラはペプシに限る!
それだけだ。誰にも迷惑などかけていない。何せ本当は怒ってないんだから。それにもし僕が怒ったとしても、きっと文句など言えないだろう。例え相手が100%悪いとしても、許してしまうのだ。まったく人の良い僕である。(笑顔で隣家にダイナマイトをしかけながら)
4月20日 ザッツ<似非>モラリスト。
混み合うコーヒーショップ。レジにて、「ただ今、少々混み合っておりますが宜しいでしょうか?」と聞かれたので、振り返って辺りを見回すと、レジのすぐ前に席が空いていたので、「そこにするんで大丈夫です」と、指を差して言った。そしてお金を払い、飲み物を持って後ろを振り返ると、先ほどの席にオバハマがデーンと座っておられた。オバハマは注文前なのに荷物を置いて、しっかり席を確保していらっしゃる。僕はと言えば無能にも手にアイスココアを持ち、ただ虚ろにうろつきまわるだけ。こいつはツイてない。
買う前の席確保、これは誰しもやってしまう事なのかもしれない。それが当たり前で、何も悪い事ではないと思っている人もいるかもしれない。それはそれでいい。別にとやかく言う気はない。ただ、ミスター<ザッツ>神経質こと僕<死人>は、そういう<ザッツ>マナー違反的な事はなるべくしないように<恋>している。皆がそれをやったら、例えば荷物を持たない、<ミスター>一人の人には圧倒的不利な状況になるからである。
ふと気付くと、<夜明けの>アイスココアが入ったカップのふちに、生クリームがべっとり付いていた。気付かずに持っていた僕の手は、見事なまでに<ザッツ>生クリーミングしている。
こうなったら早いとこ席について、手の生クリームを拭わないと、それが乾いて<ミスター>ベタベタになる。最初から予定していた席に付けたら、僕の<夜明けの>手は、あるいは無事だったのかもしれない。僕は、手がこんな目に合ったのは<ミスター>オバハマのせいだと考えるようになっていた。
このオバハマめ。御、バハマめ。御、バハマメン。
そういえば昔、バハメンって言う歌手がいたなあ、などという事を考えながらオバハマの膝の上に座り、オバハマの太ももでクリームを拭ってからオバハマに説教を始めたのである。
「いいですか、あなたは今、守る必要があります。それはマナー<アンド女の操>です。あなたがそれを守れば、あなたはとても幸せになれるでしょう。いいですか、<女の操を>守る事によりあなたの魂は、救われるのです」
僕は何かの勧誘、もしくは洋書の翻訳文のように延々と続けたが、残念ながら<ミスター>オバハマは不快な顔をして、膝上の僕を払いのけ、出ていってしまった。<ザッツ>真心はなかなか伝わらない物である。
4月22日 当選したい。
当選したい。
自分がそう考えている事に気付いたのは、近所で、車の上に乗っかり、マイクで何か怒鳴っているおじさんを見かけた時だった。
僕は最初、このタスキをかけたおじさんは、怒っているのだと思った。このタスキおじさんをここまで怒らせしめた誰かに向かい、マイクを通して怒声を浴びせているのだと思った。
「このおじさん、なんで怒ってるんですか」と、近くに居た人に聞いてみると、今の政治がだらしがないからだと言う。
なるほど、今野正治という人がだらしないから怒っているのか。これは僕の予想だが、正治はお煎餅の粉をポロポロこぼしたり、ズボンのチャックからシャツを出したまま電車に乗ったりしているのだろう。もしかしたらおチンポ様すらしまい忘れているかもしれない。であれば相当だらしない。おじさんが怒るのも解る気がする。
ところで今野正治って誰だろう。どこかの芸人だろうか。僕はまた聞いていみることにした。
聞くと、何やら悲しげな目で僕をしばらく見てから、今度の選挙で、当選する為に演説をしているのだと教えてくれた。教えてもらって嬉しかったので、お礼に噛んでいたガムをあげた。
それにしても僕は勘違いをしていた。おじさんがこんなに怒っているのは、正治がだらしがないからではなく、当選したいからなのだ。
「当選するといいんですか?」と聞くと、「そりゃあ良くなりますよ」と、怒っていたおじさん本人が、笑顔で答えてくれた。答えてくれて嬉しかったので、お礼に噛んでいたガムをあげた。
みんな当選したいのだ。
沢山の人が当選する為に街宣車を走らせたり、色々なところで立派な演説をしたり、笑顔になったりしている。
当選。それは甘美な響きだった。この時、僕も当選の持つ魔力に完璧に魅了されたのだ。当選さえすれば、富も名誉も手に入るに違いない。当選の暁には素敵な人生が保証されている。適当に働いてガッポガッポ。もしかしたら働かなくてもガッポガッポかもしれない。それは絵にかいたような幸せな生活だろう。だとしたら僕は当選したい。僕だって幸せになりたいのだ!
あれから僕は当選するため、大声で怒りの演説をしている。弁当屋の店員の態度の悪さについて等、とにかく腹が立ったことを延々と話し続けている。だが、誰も僕の前で足を止めない。このタスキが悪いのかもしれないが、多分頭が悪いのだろう。
4月24日 ドリルの音だ。
ドリルの音だ。
ドリルの音に僕は悩まされている。
隣の家で工事が始まってからと言うもの、ミスター神経質こと僕の安眠は完全に妨げられてしまった。
時間にして約1時間、いつもよりも早く起こされる。たった1時間違うだけで、随分と調子が悪くなるもので、寝不足気味で頭がボンヤリしている。挙句の果てにストレスと相まって風邪に対する抵抗力を弱められてしまい、喉が痛くなり始めた。
すべてがドリルのせいだ。ドリルが悪い。ドリルさえなければ、僕は苦しまないで済む。風邪だって引かないで済んだはずだ。
ドリルを壊さねば。ドリルを、ドリルを消さねば。
僕は朦朧としながら、隣家にのりこみ、工事のおじさんが手に持っていたドリルを奪い、窓から投げ捨て、変わりにとうもろこしを持たせた。とうもろこしは無害だし、ドリルと違って音も出ないし、栄養だってある。それになにより、あの黄色さは既に芸術の域に達している。バナナだって黄色いが、とうもろこしはその粒全てが黄色い。まさに1級の芸術品である。
そう、自然が作り出すものは、全てが芸術品だ。
僕は自然を尊敬する。自然と共に、生きていきたい。
そんな事を考えながら遠い目で持っていたバナナを握りつぶしていると、工事のおじさんにとうもろこしで殴られたので、僕もバナナで殴り返した。バナナは完全に泥状になり、おじさんの顔にこびりついた。
ああ、もう食べられない。
そう思った瞬間、言いようの無い怒りが僕を襲う。
「食べ物を粗末にしちゃいけないって、あれほど言ったでしょうが!」
気付くと僕はおじさんを怒鳴りつけていた。瞬間、おじさんは僕の顔面にゲンコツを5発叩き込み、僕はあえなくノックダウンしてしまった。
「すいませんでした」と謝罪してから、ドリルを拾っておじさんに返し、家に帰った。もっと体を鍛えないとなあ、と思いながら、バナナをかじった。
あの時のバナナは、ちょっとだけしょっぱい味がした。
4/24
工事の音がうるさいと、ダイナマイトで隣家を爆破した男が逮捕された。男は興奮状態で、「これはバナナの仇だ」「自然は芸術なんだ」とわめいている。
4月26日 SARS危機意識。
SARSで死ぬ気がする。そう、GW明けに、SARSで死ぬ気がしてやまないのだ。というのも、同じ職場の人がフィリピン旅行に行ってしまったからだ。
その人が帰ってきたら、普段から虚弱体質気味な僕には間違いなく感染するだろう。それを防ぐためには、その人が帰ってこないようにするしかないのである。
では、どうすれば帰ってこないのか。
それはあの世に行ってもらうしか方法がない。こんな時期に行ったあなたが悪い、僕は自分の身を守るため、あたし、あなたを殺します。と、撲殺しようものなら空気感染+飛沫感染で僕は間違いなくSARSになってしまうだろう。殺らなければ殺られるのに、その方法も無駄だとなると、やはりマスクをするかないのだが、マスクも殆ど意味が無いと言うではないか。
一番いい方法はフィリピンに行かないことだ。だが、時既に遅し。
それにしてもこんなにSARSが問題になっているのに、皆様海外旅行とは、これやはり、危機意識の無さが問題なのではないかと思う。大体SARS(サーズ)という名前からして悪い。何やら元黒夢の人がやっているバンドの名前みたいで腹が立つし、何より響きが特殊部隊みたいでカッコイイ。これでは危機意識など持てないのは当たり前である。
「やっぱりサーズは清原だよね」的な会話が成り立つのは、好ましくないのだ。
つまり、エボラ出血熱を見習えと言うことだ。なりたくない、と思わせることが重要なのだ。エボラ出血熱。大変なネーミングだ。「エボラ」である上に、「出血」し、「熱」も出るのだ。大体、「エボラ」なだけでも意味が解らないのに、その上意味不明な出血をすると言われて、平気な人などいないだろう。実に恐ろしい。僕は断固としてボラーエ反対だ。絶対にエボりたくない。
サーズも、名前を変えれば、少しは日本人の危機意識を刺激できるだろう。横文字に不慣れなお年寄りにもわかり易く、それでいて人々の恐怖心を、パニックにならない程度煽るような名前が、SARSには必要なのである。
そこで僕は、新しいネーミングをいくつか考えてみた。
「猛烈な肺炎のち死 病」
「to 死」
「from あの世病」
「お迎えにあがりました」
「ドスコイ厚生省熱」
「外務省」
「激やばボラーエ出血死」
「やがてくる死→火葬→人骨」
「死→復活→死」
「→死→↑タバコ屋→(信号2個目)→駅」
「駅→島根」
「島根がんばれ、村おこし」
こりゃおっかねえなあ!(脳炎)
4月28日 選挙あれこれ。
正直、誰に入れても同じような気がしていたが、あまりに無関心すぎるのはよろしくないとの考えから、先日、投票をしてきた。
僕の住んでいる地域では、投票所で2重封筒を手渡されるので、その中に入っている紙に、好きな人の名前を書いて、閉じて、箱に入れるのだ。
当然、余計な事を書いたら無効票になるので、ここでふざける訳にはいかない。僕達のような若い世代(40代)が政治に無関心では、この国が良くなるはずが無い。だから間違えるわけにはいかないのだ。僕は慎重に「3組の良子さん」と書いて、鉛筆を置いた。3組の良子は、僕が初めて好きになった女性(ひと)である。
狙い通りだ、と僕は思った。そう、自分が最初に「好きな人」と書いた時点で、きっと良子の事を書くだろうと思った。それほどまでに、良子は僕にとって、忘れがたい存在なのだ。
そのまま封を閉ようと思った。が、どうしてももう一言だけ、自分の気持ちを伝えたかった。そんな事をしたら無効になる事は解っていた。解ってはいたが、押さえることが出来ないほどの強い感情が僕を襲った。
僕は鉛筆をとり、枠の下の方に「I remember Yoshio forever」と書き足した。いや、書きなぐった。そして封を閉じ、そっと箱の中に入れた。
帰り道、胸が高鳴った。僕の気持ちが良子に届くかもしれない。恋が、実るかもしれない。そんな期待に胸(と世界に一つだけの花)が膨らんだ。だから前かがみになりつつ歩いた。
そして僕は考えた。さっき、「K」を書き忘れたのではないか。もしかしたらリメンバー義男になっていたのではないか。だとしたら無効だ。それは困る。
僕はもう一度良く思い出してみた。確かにkを書き忘れ、そして、箱に入れた……。 僕が入れた箱は……、そう、黄色かった。箱は思ったよりも小さかった気がする。そして、箱の横には、英語でkreenexと書かれていた……。
って、ティッシュの箱ジャン! (ドカーン!)
あちゃあ、こりゃ無効だ!(いたずらっぽくベロをだして)(そしてベロを強くかんで即死)
4月30日 2周年考察。
28日で、サイトを始めてから2年が経った。よくもまあ、こんなに長く続いたもんだ。自分でも感心すると同時に、虚しくもあった。とにかく地味なのである。正直、もうちょっと多くの人に見てもらいたいと言う気持ちは、僕だって人並みに持ち合わせている。
2年も続けている割には、人のいる気配がないサイトである。
何故、このサイトに人が集まらないかと言えば、確かに僕の力不足もさることながら、それよりも根暗で陰鬱な湿っぽさが、そこらじゅうに漂っているのが問題なのではないかと僕は考える。つまり、それを拭わない限り、このサイトが日の目を浴びることはないのだ。いつまで経っても、場末の超クソサイトという汚名は返上できない。
気付けばサイトの片隅、湿気が溜まりやすいその場所では、きのこがニョキニョキと生えている。きのこは湿っぽく、暗い場所を好んで自生するという。つまり、この湿っぽいサイトを好んで自生しているのは、この僕、えのきだけであり、そして、きのこを生えやすくする環境を作り出しているのもまた、この僕なのである。
結局、僕がここにいる限り、このサイトの湿っぽさは拭えないのだ。僕がいるうちは、日の目を浴びることはない。
だが、僕はあえて、ここに残ろう。この地味で、臭いサイトを更新し続けよう。僕が犠牲となり、この恥ずかしくて、臭くて、みっともないサイトを更新し続けようではないか。
「あのね、臭いとか、恥ずかしいとか、そういうことは言ってはいけないよ」
誰だね、君は。
「私はお前自身だよ。確かに地味かもしれないが、恥ずかしくないし、臭くもないコホー」(口臭を撒き散らしながら接近)
クサッ!近くに寄らないでくれ!
と言いながら視線を下に下げると、見たくはなかったものが視界に飛び込んできた。
おいおい、ディックがチャックからセイハローしてるって、ちゃんとしまいなさいよ恥ずかしい。
「だから、恥ずかしいとか、臭いとか、それは言ってはいけないことなんだコホー」(わざと口臭を浴びせながら)「ゲップ」
クサッ!今わざとげっぷしただろう!
「してないコホー、ゲップ!」(下半身を前後に振りながら)
クサッ!最早そこまでくると、臭いとか通り越して、気持ちいいくらい最悪だよ。自分でもそう思わないかい?
「確かに、そうだね」(ニヤリと微笑んでから、一発放屁)
だろう?ハッハッハ!
「ああ、最悪だ、ハッハッハ!」(もう一発)
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