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7月2日 お台場ラプソディ後編。

前回の続き。未読の方はここから読んでみてください。

その帰り道、案の定道に迷ってしまった。僕はとにかく方向音痴なのだ。コッチだ!と思って道を選ぶと大体間違えている。今回もそれで何度も家とは逆方向に向かってしまい、何度もUターンした。その内不安になってきたのでまたUターン。そしてまたUターン。Uターンのしすぎで、いつしか僕は人から「Uターンおじさん」と親しみを込めて呼ばれるようにまでなった。僕の実力が世間に認められたのだ。だからお前らもそう呼んでくれよな!と、道を尋ね、教えてくれていた警察官をお前呼ばわりすると、すぐさま住所と名前を問いただされたので、「魁!Uターンおじさんです」の一点張りで通し、その日は拘置所で過ごす事になった。最低の夜だ。
しかし、 どんな夜でも朝が来る。
翌日「ホレ、出ていいぞUターンおじさん」と僕を呼びに来た警察官は、地平線の向こうからゆっくりと立ち昇る太陽のように神々しく見えたものだった。そう、どんな夜だって朝が来る。暗く沈んでいた心に朝日が射し込むのを感じた。やがて光は心を満たし、僕に生きる気力を与えた。そう、僕はまだ老いてなどいない。おじさんと呼ばれるまでには、まだ十年以上残っている!
湧き上がる気力に身を震わせている僕を尻目に、警察官は僕をせかした。 「ホラ、早く出ろってUターンおじさん」
僕の中で何かが弾けた。気付くと僕は警察官に怒鳴っていた。
「誰がおじさんスか!ワシだってまだ若いんス!」と、気持ち勉三さんの物まねをしながら怒鳴っていたが、途中で飽きたので素直に謝って帰った。やっぱり素直が一番っスね、キテレツ君!(サンバイザーのギャルに向かって)

7月5日 study three。

朝7時から「竹や〜、さおだけ〜」というあの声が、大音量で家の前をゆっくりと通過していく。必死なのは解るが、そんな早い時間から大音量というのはいかがなものか。商売よりも何よりも、奴はまず、常識から学んだほうが良さそうだ。と、お勉強マンも言っていた。お勉強マンは、我が家の隣に住んでいて、分厚いメガネをかけている。言葉は多少山形訛りの標準語で、自分の事をワシと呼ぶ。上の文の、「良さそうだ」も、本当は「良さそうっスね、キテレツ君」である。彼は近所の小学生のお兄さん的存在で、ボロいミニクーパーで時たまドライブにも連れて行ってくれる。彼の飼っている犬はベンと行って、目が数字の3みたいになっている。お勉強マンもまた、目は数字の3だろう。僕らはそんなお勉強マンを親しみを込めてこう呼ぶ、「勉三さん」と。

勉三さんの朝は早い。学生である彼の実家からの仕送りはたかが知れている。だからこその「竹やさおだけ」であると、僕は睨んでいる。そんな事をしなくても、航時機(タイムマシン)で過去に戻って当たり馬券を購入すればお金で苦労する事はない、と言っているのに、彼は働く。とてもマジメな人だ。そのマジメさが裏目に出て、出会い系サイトではいつも騙されてばかりいる。この間は待ち合わせ場所に行ったら変な男がいて、殴られた上で、竿竹で稼いだ金を奪われたと言っていた。「キテレツくーん、はめられたっス」と言いながら帰ってきた彼に、僕は「出会い系サイトはもうやめるナリよ」と言ってやる事しか出来なかった。  
勉三シリーズ 続く。

7月7日 M2Iプロジェクト。

隣家がリフォームにハマってしまったらしく、また工事が始まった。しかも土日に集中して色々やっているらしく、朝からその騒音で叩き起こされている。
平日は平日で「竹や竿竹」に朝から喧しく叩き起こされているので、最近、日常的に不快な寝不足が続いている。しかも今日など明け方が妙に寒かったせいで、すっかり喉が痛くなってしまった。この風邪を引いた理由の内、7割は「竹や竿竹」のせいであり、残りの3割は松井の打率である。つまり松井が打てば打つほど、僕は「さすがはゴジラだ」と思うわけであり、僕の中で、松井の株も上がる。そして上がった松井の株は、僕の中で売買される。そして松井の株を売ったお金で、僕は松井に「竹や竿竹」の軽トラを破壊してくれと頼み込む。頭を地べたに擦り付けてでもお願いする。そこまで礼を尽くせばイヤと言えないのが松井だ。松井は僕にもらったお金で金属バットを買い、そして軽トラのフロントガラスを叩き割る。僕は安眠を手に入れ、松井は大金を手にする。もちろん警察にはバレない。なぜなら松井と「竹や竿竹」の接点はゼロだし、彼は今ニューヨークだからだ。
これをM2Iプロジェクト呼びたい。呼びたいだけだ。だから平和なんだよ畜生。お前のせいだ!お前のせいだ!ぺっぺっ!(テレビの松井に向かって唾を吐きながら)かーねーもーちー!

7月12日 体験神隠し。

先日の夜、ひとしきり降り続いた雨がようやくやんだ頃の話。
薄霧かかった家の前を歩いていると、アスファルトの道をピョンピョンと元気良く跳ねているカエルを発見した。こりゃ珍しいと思い、しばらく見入っていると、カエルはどこかに向かって跳ねだした。どこに行くのだろうとふと気になったので後に着いていくと、何やらネオンがまぶしい繁華街の様な場所へと出た。あら、こんなところ近所にあったかしら、等と思ってキョロキョロとしていると、いつの間にかカエルの姿が無くなっていた。そして、後ろを振り返ると、今来たはずの道が川になっていて帰れなくなっているではないか。
どうやら僕は不思議の世界に迷い込んでしまったようだ。コレと似たような話を映画で見た。そう、例の神隠しだ。
コレは困ったぞ、と思いながら川を眺めていると、やがて向こう岸から派手な船がやってきて、中から変なお面をつけた連中がわんさと下りて来た。こりゃ怖いと思って隠れていると、やがてハクという少年が僕の側にやって来た。この頃になると、僕の体は半透明化し始めていた。
ハクは「千尋、コレをお食べ」と仁丹のようなものを無理やり僕の口に入れようとした。何でも、この世界の物を食べると、僕は消えずに済むらしいのだ。意を決して、仁丹を口に入れる。
「にっ、苦クサッ!」僕は仁丹の味に驚いて吐き出した。これは仁丹ではなく正露丸だ!
「酷いッスよハクさん!コレ正露丸じゃないスか!」と言って僕が怒ると、ハクは腹を押さえて笑い転げ始めたので、殴って川に突き落としてから家に帰った。本当に不思議な体験だった。

7月15日 キズつけられた魂。

バイクを停めておいたらキズつけられた。といっても、自転車か何かでガリガリ擦った程度の直径10cmのキズなので大したことがない。僕は、どちらかと言えばそういう傷には無頓着な器のでかい神経質なのだ。そう、たとえば10円でもっとガリガリとキズつけられたとしても、そんなのは問題にならないだろう。僕ら人類が気にするべきは他にある。そう、もっと地球規模で大きな問題に目を向けるべきなのだ。バイクがキズついたから何だ。ベンツがキズついたから何だ。そんな事より他に気にする事があるだろう。怒るより先に、するべき事があるだろう。
例えば、球温暖化を防ぐため、僕のバイクをキズつけた奴の手に根性焼きをするなり、ゲンコツをかますでも良い。コンビニで万引きさせるという方法だってある。何かしら、小さなことでもいいから、今、出来る事があるはずなのだ。一人一人の力は微弱なりとも、それを全体で行なうとすれば、それは長い目で見れば地球を救う事に繋がる。忘れがちであるが、地球はみんなで守っていかねばならない。そして僕のバイクは僕が守らねばならない。地球から受けた恩恵は忘れてはいけない事だし、僕のバイクが被った被害も、また、忘れてはいけないことなのだ。地球は悲鳴を上げている。僕のバイクも悲鳴を上げている。ついでに僕も悲鳴を上げた。誰なんだSEXなんていう卑猥なキズをつけたイタズラキッズは!ギャーオ!オシャレバイークッ!

7月17日 新弁当屋のメニュー。

職場の周りにある弁当屋数件のメニューに飽きてしまった。もちろん食の好みはあるので、食べていないメニューもある。しかし、あまりに守備範囲を外れている物を食べるほど冒険する気にもなれないので、偏りが出てしまうのは仕方が無い。僕は鶏肉が好きなので、鶏肉料理を食べる機会が多くなるので、その分飽きるのだ。そこで他のメニューを食べるが、あまり好みでないので、スグに飽きる。だが鶏にはもう飽きているので、それを食べる気にはなれない、そこで他の弁当屋に行くが、結局そこでも同じ事を繰り返すだけとなるのだ。
それにしても困った事になった。最近だと午前中は何を食べるべきかで悩むので、仕事に身が入らないのだ。これは問題であると、僕は悩みに悩み、その問題を解決する方法を色々考えた。そこで導き出したのが、弁当屋のメニューを、僕の好きな物を使ったモノばかりにするという、最もシンプルであると同時に、最も優れた方法である。
その事を考え付いた僕は、こういうモノはどうか、という、新メニューの案の様なものを紙に書き出して、弁当屋に持っていった。以下がそのメニューの案の一部である。
「チキン竜田ィング」
「竜田オブチキニング」
「深キョン」
「キンチー竜田」
「竜田揚げチキンズ」
「ニコラス・ケイジ」
「ケヴィン・スペイシー」
「鶏肉の竜田ィング」
「チキンTATSUTA」
「恭子FUKADA」
「ニコラス」
「深田」
「深」
「f
医師「ご臨終です」

7月20日 素っ裸美容室。

僕の行っている美容室は、いつも猛烈に混んでいる。今日は混雑した時間を避ける為オープンと同時に行ったのだが、既に先客がいた為、結局数時間待ちだと言われた。
「じゃあ、どこかで時間を潰してきます」と答え、フラフラと街を徘徊しながら考えた。このままでいいのだろうか、と。今までも待たされ、休日の貴重な時間をことごとく潰されているので、当然、次は違う店に行こうと幾度と無く考えた。だが、やはり行き慣れた店は居心地が良いモノで、中々他の店に行く気になれないのだ。特に人見知りストの僕としては、どうしても最初は人見知リフティングしてしまうので、そう言う意味で居心地の悪さを感じてしまうだろう。
人はどうしたって最後には居心地の良さを求めてしまうものだ。結婚相手にそれを求めてしまうのもまたしかり。たとえば今、婚約している相手がいたとして、目の前に、「コレはっ」と思える素敵な異性が現れたとしても、そちらに向かうには勇気がいる。最初はバツが悪いだろう。お屁だって気軽に放てないし、それに相性が悪かったらどうする。捨てられたらどうする。貯金だけ持ってかれたらどうする。保険金かけられてあの世に送られたら……どうする?
「だッッ……、誰が大人しくあの世に送られるもんですかッ!」
気付くと僕は、美容室に戻って怒り狂っていた。「送りたいなら送りなさいよッ、ホラ!」そう言いながら僕は素っ裸になり、自分の腹にハサミを突きつけた。「送ってみなさいよッ!」
その刃先が僕の腹にちょっと触れ、鋭い痛みが走る。「痛いッ!何すんのよ、この人殺し!もういいわッ!他の店にいくからッ!」
そういい捨てると僕はハサミで前を隠して店を飛び出した。そう、別にこの店で無くたっていいのだ。この街には、他にいくらでも店はある。僕は早速近くにあった店に飛び込んだ。
「切ってちょうだい!」
そう叫ぶと、中から変なオヤジが出てきた。「お客さん、用意がいいねえ。けどさ、ウチじゃそういうプレイはやっていないんですよ。切ったりするのはちょっとねえ……」
そう、僕は素っ裸でハサミを手に持って、「ファッションヘルス」に飛び込んでいたのだった。こりゃあ店間違いってヤツだなあ、ガッハッハ!世界が平和で何より!(切腹)

7月23日 嗚呼夏よ。

「あのさ、ちょっと寒いんじゃないかな」
僕は夏を傷つけないように、ヤンワリと言った。「寒い」という言葉に少しだけ反応したのか、体が少し動いたが、夏は相変らず外を向いたままで、僕の方を見ようともしない。昨年の今頃、いや、その前の年もその前の前も、夏は楽しそうに僕の手を引っ張り、海やプールに連れて行ってくれたものだ。この寒さでは、最早プールどころではない。夏がやる気を起こしてくれなければ、暑さはやってこないのだ。だが夏は、呆けたように外をただ見ているだけで、やる気のかけらも見せてはくれない。
一体、どうしたというのだろう。何が彼をこうしてしまったのだろう。朝方の冷え込みが厳しい夏など、夏ではない。寒さで目が覚める夏など、そんなのは夏ではなく冬なのだ。
「なあ、夏。一体どうしたと言うんだい?もう7月も下旬だよ?」
僕は夏の側に座り、一緒に外を眺めた。夏の周りはヒンヤリとしていて、半袖では寒い。僕は悲しくなった。
「夏、こんなに寒いなんてさ、お前らしくないよ。もっと本気の夏を見せてくれよ」
「……自分、クールになりたいんス」
僕が聞くと、夏は、お相撲さんみたいな声でそう答えた。
「……みんなに暑苦しいとかジメジメしてるとか、そういう風に言われるのイヤになったんス。クールになって女の子にモテたいんス」
夏は、ふんどしを強く握り締めながら俯いた。
「もう、ちゃんこも食いたくないんス。それに稽古も、もうたくさんなんス」
そう言うと夏は立ち上がり、シコを踏み始めた。「力士って一体何スか。関脇って一体何スか!」
それから夏は立ち止まり、また俯いた。
「はっけよいはもう……自分の中には、残ってないんス」
夏の体は静まり返っていた。いつもなら体中から汗がしみ出して大粒の水滴を垂らしているのに、この日の夏は静かだった事を僕は覚えている。

7月26日 侍の心得。

今朝方、出かけようと思い外に出ると、雨がぽつぽつと降っていた。悩んだ挙句、お気に入りのデカイ傘を持って出かけたはいいが、5分も歩かぬ内に雨はやみ、その傘は無用の長物となってしまった。それから一日中傘を持ち歩くハメになったのだが、とにかく邪魔臭く、うんざりしていた。
夕方頃になり、気付くと回りにウチワを持った浴衣の人をチラホラ見かけるようになった。今日は隅田川の花火なのだ。彼女達がウチワを帯の後ろに器用にしまっている様子を見て、僕はこれだと思った。僕の傘も帯にさせば、邪魔にはならない。
早速僕は、ズボンのベルトに傘をぶっ差した。柄の部分は僕の後頭部をかすめ、頭上へと伸びている為、正面から見ると、まるで武士の髷の様にも見える。
鏡に映った自分の姿を見ていると、自分のボルテージが高まるのを感じた。全身にみなぎる力。心に炎が燃えあがる。これが武士の魂。僕は既に、どこからどう見ても完璧なお侍さんだった。僕は、いや、アイアムアミスターお侍。おせむれえさんでGOZAIL(ごゼエル)!「それ戦じゃあ!」と大声で叫んでから走り出し、悪を成敗するため、刀(傘)を、背中から抜いた。「わああああ!」と大声を出しつつ傘を振り回し、浴衣の娘を追い掛け回している時、ふとショーウインドウに映っている自分の姿が目に入った。おかしい、何かがおかしい。そう、なんと僕の頭からは、武士の魂でもある髷が無くなっていたのだ!
僕は急に脱力し、それからうなだれた。
それから髷の事を考えながら、トボトボと家路に着いた。「御髷、どこに行ってはりましたのんやろなぁ……」と、関西の人に怒られそうな適当な関西弁で呟きつつ家のドアを開けた。傘はどっかに忘れてきた。もういーらない!

7月29日 SHIRI滅裂。

ザッツ超多忙の日々が始まった。とにかく、サイト更新はおろか、ネットやら何やらをしている暇が本当にないのだ。これが約3週間続くので、おそらく次、この(御くされ)日記が更新される日は日曜日になるか、もしくはその次の日曜日になる予定だ。
今も、猛烈な睡魔に襲われながら、気力を振り絞りつつ限界ギリギリでボードキーを叩いている。いや、キーボードンを叩いている。実はこうやってキーボドンを叩くのもままならない、とにかく限界ギリギリなのだ。正直、キボウドンを叩いているが、僕としては何か別のものを叩いているような、つまりは夢と現実の世界を行ったり来たりしているような、とにかく、何を書いているのかもわからない状態であり、この状態ではマトモなことが書けるとは思えない。
とにかく、大変ご迷惑をおコキしますが、いや、ぶっかけますが、否、ご迷惑をおかけしますご、いや、おかけしますが、更新頻度を猛烈に落とさせて頂きたいと思う次第でございます。
さて、そろそろこうやってボドキーンを叩くのにも疲れたので、自分の事を叩きつつ去りたいと思います。あホレ皆さんにあやまれい!皆さんにあやまれい!あやまれい!(ドボッキーンを叩きながら長渕の物まねでフェードアウト)→過労死

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