「おお船長よ! わが船長よ!」
トッドが大声で叫んだ。ノーマンが彼のほうに顔をふり向ける。生徒の全員も、トッドのほうを注視していた。トッドは机に片足をかけて、ひと思いにその上に立ち上がると、あふれる涙をこらえながら、キーティングに顔を向けた。
「すわるんだ!」ノーランはまたトッドに近づいてくる。
校長がトッドめがけて通路を歩いているそのとき、教室の反対側にいたノックスが、おなじようにキーティングの名前を大声で叫んで、机のうえに飛び上がった。ノーランはあわてて、ノックスのほうに顔を向けた。続いてミークスも、勇気をふるい起こして机のうえに立ち上がった。ピッツもそれにならう。やがて、ひとりふたりと、さらには何人もいっしょに、教室にいたほかの生徒も机のうえにたって、キーティングに無言の敬礼をささげた。
ノーランは、生徒たちを掌握しようという試みをすでに放棄していた。彼はじっと立ちすくみ、この前任の国語教師に対する生徒たちの圧倒的なまでの賞賛ぶりに、ただただ驚いて、目を見ひらくばかりだった。
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