貝の火 (1999年7月13日)


貝の火は燃える
際立つ激しさを宿して
限りのない未来を見つめながら
貝の火は燃える
夏の日の夜空にきらめく天の川のごとく
遠い北の海にゆらめく漁火のごとく

どこから来たのかわからない
どこへゆくのかもわからない
過去と未来の狭間にあって
さ迷う魂の一瞬の輝きが
戦陣にて音を立てるかがり火のごとく
小川の畔にてはためく蛍のごとく


(宮沢賢治ノ物語「貝の火」カラ示唆ヲ得マシタ)



空 (1999年6月30日)


空を見ていると心が和む
青く晴れ渡った空だけでなく
どんよりと曇った空
今にも降り出しそうな空を見ても
わたしの心は穏やかになる
そういえば
雨が好きだという人がいた

わたしは晴れた日の夕暮れ時の空が一番好きだ
夕焼けが西の空を赤く染めはじめる前の
琥珀色の輝きがとても好きだ
ベッドに横になって
その輝きをぼんやりと見るのがとても好きなのだ


大空に (1999年6月1日)

こんなにも大切な生命
与えられたことの喜びを
何よりもあなたに伝えたい
生きることは苦しいことも多いけれど
ひとつひとつの生命は
限りない可能性を秘め
輝くチャンスを与えられている
あの人にもその人にも
遠い空から地球を見たら
青く光り輝いているのは
あなたが輝きを放っているから

こんなにも大切な生命
与えられたことの喜びを
何よりもあなたに伝えたい
さあ 今からでも遅くないよ
その背中に秘められた翼を広げて
限りない大空に飛び立とう
限りない大空に


母なる海 (1999年5月20日)

海に来た
海は大きい
海の水を見ると落ち着く
母なる海
生命の源となり
私の生命につながる
私はかつて
海に生きていた
母の胎という海で
不思議にも生きていた
母なる海
いつになっても
憧れる


野辺の送り (1999年5月26日)

あの人が逝って
野辺の送り
その時 あなたは間に合わなかった
どれほどあの人からひどい仕打ちを受け
つらい思いをしても
あの人を見捨てることのなかったあなたが
野辺の送りには間に合わなかった

すべてが終わり
しばらくしてから電話した時
さびしい と言ったあなた
慰める言葉すら知らない私
そんなあなたが
野辺の送りには間に合わなかった

あれからもう半年が過ぎた


想ひ (1999年5月26日)

あはれ
切ない想ひ胸に抱き
今日も家路を辿りゆく
君ひとひらの花となり
わが胸のうちかき乱す
時はゆく
ただひたすらに時は過ぎ行く
君の眸の涙枯れぬに


夕陽 (1999年5月11日)

赤い赤い夕陽
その色はとてもきれいだ
どういう加減か
いずれ眩しいわけでなく
絵を見るごとくに
見つめることができる


詩のこと (1999年2月16日)


わけあってランボオの詩を読んだ
読みつつ「詩ってなんだろう」と改めて思った
わたしにとって何の意味があるんだろう
なんだか難しい言葉をひねくり回して喜んでいるような
気がしないでもない
あるいは空ろな心の表象をなぞっているような

けれど
それを生としている詩人にとって
詩は作らざるをえないものなのだろう
息をするのと同じで
歌わざるを得ないのだろう
わたしは詩人ではないが
そんな詩心を理解する人であり続けたい


挽歌 (1998年12月10日)


私がまだとても小さかったころ
あなたはとても優しかった
ときどき煙草をくゆらせて
緩やかに寛ぐあなたの横顔をよく覚えております
けれど優しいあなたが
とても恐い人になる時がありました
そのようなあなたの姿を見ながら
そのあなたの姿が脳裏に焼き付き
やがて私の中にもあなたがいることを
知るようになったのです

あなたが逝った今
それらすべてが遠い記憶となり
あなたの側にいた人の寂しさを
慰めるすべも知らない私の姿を見ています
そうして
私の中であなたが
どれほど大きかったのかを
ひっそりと思い知るのです


ひとしきり降る雨に
泣き濡れるあなたの御心がかき混ぜられ
わたしの
密やかな思いを
打ち砕き
何時の間にか溶かしてしまうのです

あわれ今
霙なる雨 (1998年11月26日)


君逝き給い
われ悔ゆることだに能わず
落つる涙を拭い
握れる拳に力こめ
君に誓う
君の轍を踏まずと
わが主の願いに答えんと(1998年11月26日)








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